ブラック企業のブラックな要因はたくさんあると思いますが、もっとも恐ろしいのは上司による強烈なパワハラではないでしょうか?
実際に従業員が会社を辞めてしまう原因の1位は「職場の人間関係」ということです。当然、この中には上司からのパワハラや嫌がらせなども数多くあるでしょう。
「パワハラ」はもはや社会問題化していると思いますし、会社も訴訟リスク対策から指導などを行っていると思いますが、そんな中でも未だに平気で部下を徹底的に追い詰めてどんどん潰していく「クラッシャー上司」の体験談がたくさん報告されています。
本記事では事例・体験談を入れつつ、クラッシャー上司の特徴と対策をまとめています。
目次
【特徴①】強烈な叱責・説教・罵声で部下を萎縮させ精神的に追い詰める。暴力行為も当たり前。
クラッシャー上司の特徴は、部下の尊厳を奪い精神的に徹底的に追い詰める叱責・暴力です。
仕事で実績を残せないならば「お前なんかいらない」「お前らに休みがあると思うなよ」などの、人権・人格を無視する叱責・罵声を繰り返します。部下の側にも結果を残せなかったという負い目がありますので、長時間の罵声を浴びせられることで、余計に精神的に堪え自信を失ってしまいます。
このような過度な精神への負担や鬱病や退職に繋がっていきます。
クラッシャー上司のストレスのはけ口にされる。うつ病、退職者が量産…。
また、酷い場合は上司が暴行・暴力行為を行うケースもあります。
殴る蹴る・棒で殴るなどの直接的な暴行から、肉体的苦痛を与える体罰まで様々です。特に飲食業界や職人気質の職場で多く見受けられます。未だにこのような違法行為を行う現場があるのが今の日本の現実です。
言葉の暴力を受け、殴られ、精神的に追い詰められる…。モラハラパワハラ事例。
私はつい昨年までポータルサイトの広告営業を行っておりました。基本的な営業は新規開拓と既存顧客のフォローとなっております。目標については後程記載致します。
私はまだ達成していたので比較的面倒は見てもらっていましたが、上司の殴る蹴るは当たり前で何より浴びせられる罵声による精神面が厳しかったです。
まず朝7時半からのミーティングはただ単に数字が足りていないメンバーを詰めて罵声を浴びせて終了。
商談中でも数字に対しての激怒のメールが飛んでくることばかりで集中も出来ませんでした。数字が足りていなければ会社が終わってから飛び込みを続けアポも取れなければ「返って来るな」「お前なんかいらない」と言われ追い詰めれら退職された方も同じチーム3年で10人以上。
金曜日の夜は決まって「お前らに休みがあると思うなよ」と罵声を浴びさせられ皆で終電過ぎまで営業をかけていたこともありました。
土日になれば顔こそ合わす事はありませんが数字が動くことがなければ人間として扱われていないような連絡が常に来て怖くて月曜日が迎えられない時期もあった程です。
目標については年間の契約で受注を頂くか、部分的なスポット受注を頂くかの2パターンです。
但し、年間で受注を頂いた方がもちろんですが額を大きいです。一時的な受注を立てるために書類上のみ年間で受注を立て後で契約を切ります。契約を切ると同額が次月の目標へ上乗せされますがそれを支持してきて精神面的にも追い詰められてきます。
鬱になりコンプライアンスで退職される方もたくさんいたブラック職場でした。
【特徴②】クラッシャー上司には自覚が無い。ストレスのはけ口の場合もあるが、ほとんどは”会社のために”と本気で正しいと思ってやっている社畜。
上司がパワハラを行う理由はなんでしょうか?憂さ晴らしに気に入らない部下をいじめてストレス発散しているのでしょうか?
もちろん、そういう自身の悪意を理解した上でパワハラ行為をしている上司もいると思いますが、多くの場合、クラッシャー上司には「悪い事をしている」という自覚がありません。むしろ、「会社のため」「業績のため」と正義の行為を行っていると思い込んでいます。
クラッシャー上司は自身が仕事ができることが多く、実績で社内で注目されていて、経営層からの信頼を得ていることも多いです。
そして、「部下にも自分と同じようになって欲しい」「会社の業績をもっと向上させたい」と本気に考え、部下に対して厳しい罵声・叱責で「愛のムチ指導」を始めます。
クラッシャー上司の厳しすぎる指導や暴力は問題ですが、「クラッシャー上司が言っている本質」は正論であることが多く、それが余計に部下を追い詰めていきます。
意識高すぎる系上司の無双乱舞で、部下がストレスでバタバタ倒れていく…。
クラッシャー上司の根底にあるのは「社畜精神」です。会社の業績に貢献しようとする「行き過ぎた社畜精神」が周りの人間への圧力・違法行為につながっているのです。もしかすると、クラッシャー上司自身もブラック企業によって人間性を捻じ曲げられてしまったのかもしれません。
以前は、家電量販店にて働いていました。
毎月のノルマに対しての状況報告を毎日上司にするのですが、すでにタイムカードを押した後だというのに、反省文を書かされたり、バツとしてトイレ掃除をさせられたりしました。
しかし、その上司も、早朝から始まるWEB会議にて、本部の人たちから毎回売り上げに対して圧力をかけられていたのを知っていたので、上司もやりたくてやっているのではないのだろうと、抵抗せずに従っていました。
やがて結婚し、子供が生まれ、時短制度を利用して早めに帰るようにしていました。
しかし帰るときにはねちねちと文句を言われるし、だんだんと時短の意味がなくなるぐらいの残業を強いられるようになりました。
日曜日は保育園が休みなので、出勤できませんと伝えていたのにもかかわらず、「キャンペーンの売り上げが思わしくないからと、営業をしてほしい」と頼まれました。「日曜日は難しいので、土曜日にしてください」と伝えると、「土曜日はもちろんしてもらうつもりです。日曜日もお願いします。」と、家庭の事情など無視して業務をお願いされました。
だんだんと苦痛になって、とうとう辞めてしまったのですが、上司からはお疲れ様の一言もなく、嫌味ばかり言われて職場を去りました。
こんな会社に6年間も縛られていたのは、今思えばもったいない時間だったと反省しています。
同じ会社でも上司の人間性で違ってくるかと思いますが、会社がブラックだと、上に立つ責任のあるひとへの圧力、仕事量は尋常じゃないと思います。そんなブラックっぷりが本来の上司の人間性を捻じ曲げてしまったのかと思うと、今思えば彼も被害者なのではと思います。
【特徴③】クラッシャー上司は病気・人格障害の可能性もある。あきらかにおかしい異常行動に注意!。
また、クラッシャー上司は上司自身がストレス等で人間性が歪んでしまっていたり、自己愛性人格障害、サイコパスなどの精神的異常者である可能性もあります。
明らかに常識からかけ離れたおかしい言動や、付きまとい行為を行っている体験談も報告されています。
”お局様”あるある体験談3選。陰口強要、逆パワハラ、気分屋で機嫌悪いと新人いじめ。
このタイプのクラッシャー上司は、一見、会社の業績などを考えているように見えて、本質は自己満足や愉悦のためにパワハラ行為を行っています。
部下をイジメてマウントすることで、自身の立場や存在感を誇示することに喜びを感じたり、罵声を浴びせたり体罰を与えることで怯え苦しむ部下の姿を見て楽しんでいる異常者です。非常に悪質であり、また、経験的に部下の潰し方も熟知しているため、対処の難しいタイプになります。
上司のパワハラが凄すぎてうつ病になりました。
早朝の個人ケータイにメールが入り、出社後それに対しての返事がない事に腹を立てて2時間以上の説教。
休日も関係なくメールし何かにつけて返信を催促する、しかもそのメールの内容が悪いとメールで説教するという異常な脳の持ち主でした。
内容も休みの日に出かけた写メを送り、どの様に返事をしたらよいかわからないもので、無視すると休み明けにキレるという精神異常な人物でした。精神科に診てもらわなければいけないのは私では無くこの上司だと今思えば感じます。
人のプライベートを制限し昼夜問わずメールを強要するブラックな上司であり、その人物が会社のトップである為に誰も文句を言えないブラック企業はブラックな人物が作り上げる異常状態な会社です。
会社が変わるには人が変わるしかないと感じます。中小企業が多い日本でこの様な会社は多数あると感じます。
結局、器の小さな人がトップをやるとなると社員に反旗を翻されるのが怖く、社員のプライベートまで口を出し強要をし従順な奴隷を作りたいだけだと感じます。
俺はこんだけ苦労しているからお前らも苦労しろなどのしょうもない話は自身を認めてくれという器の小ささを感じます。
【特徴④】精神論・根性論で無理難題な仕事を押し付ける。部下を「使い捨ての会社の奴隷」として洗脳教育。
また、クラッシャー上司は言葉の暴力を行うだけでなく、無理難題な仕事・過剰な業務量を精神論・根性論で部下に押し付ける傾向もあるようです。
昨今のパワハラ社会問題化、コンプライアンスを受けて、バレないように用意周到に隠蔽工作をして長時間労働を強いているケースもあるので注意が必要です。
「会社の業績のためならば、部下が倒れても構わない」「倒れてしまうのは弱いからだ」「会社のためならば、多少違法なグレーなことをしても仕方ない」などと考えているのではないかと思います。まさに、社畜・会社の奴隷を率先して育てていると言えるでしょう。
シフト制の職場でした。宿直の要る職場だったので、交代で泊まり込みをしてシフトを回していました。
ある月に、「今は人手が足りないので、臨時のシフトで回します」と言われ、始めは多少ならまあ仕方ないかとも思っていました。
しかし、実際にそのシフトを見てみるとひどいもので、「公に見せても大丈夫なシフト」「実際のシフト」という二種類ものが用意されており、私は非常に困惑しました。
通常は宿直した翌日には非番となり、その翌日も休みという形で動いていくのですが、その時は毎日が宿直の日で、まったく家に帰ることができませんでした。(2週間程度は続いていたと思います)
朝は6:00から、夜遅い時で0:00を回る日もあり、次第に睡眠不足と疲れで、余計なことを考える暇もなく憔悴していきました。とてもじゃないけど人に愛想をふりまけるような状態でもなく、暗くなりがちな日が続きました。
シフトのことを何も知らない上司はそれを見て、「なんだあの態度は」「やる気があるのか」「若いくせに覇気がない」などと、裏で陰口をたたいていたそうです。(後ほど知りました)
シフトを作っている人も、俗にいう「骨が折れてもスポーツの試合に出るのが美徳」とされるような根性論第一の年代に当たる方なので、自分の訴えは悲しいことに何も響きませんでした。
もしもあの状態がずっと続いていたら…と思うとぞっとします。
何も考えられず、ただひたすらに休みたい、眠りたいと考え続ける日々には、自我なんてほとんどありませんでした。へたすると自殺をしていたのかもしれない、と思うと、昨今のニュースでの過労死報道は人ごとの用には思えません。
これ以上若者の過労死が減ってくれることを願います。
クラッシャー上司の対策・撃退方法まとめ。潰される前に対処すべき3つのポイント。
【対策①】クラッシャー上司本人に直談判しない。暴言・暴力の記録をICレコーダーやメモ等に残しておく。
まず、クラッシャー上司の対策として「本人に直談判する」「上司と話し合う」という選択肢は避けましょう。
これまで述べていた通り、クラッシャー上司は自分自身を会社の業績に貢献している正義の化身だと思い込んでいるか、精神的異常者の可能性があります。このような人間とまともに対話できると思わない方が良いと思います。
クラッシャー上司を撃退するためには、第三者(同僚、上司のさらに上司、人事部、労働組合、労基署、等)の助けが必要になります。
まずは、第三者に状況を理解・納得してもらえるように、クラッシャー上司の悪行の証拠を集めましょう。今は小型ICレコーダー等は安く入手できるので、胸ポケットに常備しておきいつでも録音できるようにしておくことが大切です。
また、ICレコーダーだけでなく、メモや資料なども証拠になりますので、そろえておくとよいと思います(法的手段を取る場合にも証拠となります)。
クラッシャー上司は、暴言や暴力が問題になる可能性やパワハラが社会問題化していることを知っています。知っていて、あえてやっているわけですから、当然その行為を隠蔽しようとするわけです。
そのため、この隠蔽を暴く証拠を揃えることが、クラッシャー上司にとって最大の脅威になるはずです。
【対策②】上司の上司、または、人事部に相談する。まずは社内で穏便に解決する道を模索する。
クラッシャー上司本人を説得するのは難しいので、まずは第三者に相談することが基本になります。
とはいえ、いきなり労基署に駆け込んだり裁判を起こすのは手間もかかりますし、告発者の仕事や生活への悪影響もあるでしょう。最初はクラッシャー上司のさらに上司、人事部等に相談してみるのが良いと思います。
会社自体がブラックな場合はどうしようもないですが、マトモな会社(比較的大手に限りますが)なら内部通報窓口を用意してあることもあるので、窓口を利用しましょう。
ただし、クラッシャー上司は実績があることも多く、社内で影響力がある可能性もありますので簡単にいかないケースも多いです。懲戒処分にしたり辞めさせることは難しいと思うので、落としどころとして部署異動を願い出ましょう。
大切なことはクラッシャー上司への復讐心を捨て、まずは身の安全を確保するために部署移動して距離を取ることが優先です。
【対策③】組織ぐるみでクラッシャー上司を擁護するブラック企業の場合は転職を。
クラッシャー上司の悪行を知りつつも、会社側が見て見ないフリをしたり、擁護したり、隠蔽しようとすることも充分考えられます。こうなると、もはや悪質なブラック企業と言わざるを得ません。
転職・退職という選択肢しかなくなります。ただし、クラッシャー上司の過度のストレスを受け続けることは、心にも体にも良くありませんので、命には代えられないと割り切るべきだと思います。
また、暴言・暴力の証拠を元に訴訟を起こすことも考えられますが、どちらにしろ会社は辞めることになると覚悟すべきです。