職場に不満があるときややりたい仕事が見つかったとき、条件のいい求人を発見したときは転職を考える人は少なくありません。
転職をおこなうときには、必ず現在の職場へ退職の相談が必要になります。
退職を相談するときに注意しなければならないのが、会社や上司による引き止めです。特に人手不足に悩む企業では、あの手この手で退職を阻止しようとしてきます。
この記事ではサラリーマンが退職を考える理由や退職を引き止めようとする会社の本音、引き止めの断り方などをご紹介します。
引き止め後に会社に残って後悔する理由なども解説するので、退職交渉をする前に確認しておくことがオススメです。
目次
退職を考える理由
退職を考える理由について、解説します。サラリーマンが退職を考える主な理由は、
- キャリアアップが難しい
- 会社のルールや習慣に納得がいかない
- 人間関係に悩みがある
- 条件のいい転職先を見つけた
といった点があります。それぞれ確認しましょう。
キャリアアップが難しい
勤めている企業や部署でのキャリアアップが難しいときに、向上心のある人は退職を考えます。役職者が詰まっている場合や、年齢の近い社員が役職についた場合にキャリアアップの可能性が低いと感じる人は多いです。
ほかにも希望している職種の部署への移動ができなかったり、勤めている企業ではやりたい仕事がなかったりすると退職を検討します。興味のある業界や職種を絞ってから転職活動をおこなえば、希望している仕事につきやすいからです。
会社のルールや習慣に納得がいかない
会社のルールや習慣、上司の仕事の進め方に納得がいっていない人も退職を考えます。昔からのルールや習慣はひとりの社員が変えようとしても、なかなか難しいものです。
上司の負担を減らすために業務改善の提案をしても、話すら聞いてもらえない場合などは社員のモチベーションが下がってしまいます。会社や上司の仕事への説明がなかったり、不足したりしているときも社員の不満はたまりやすく退職を考えます。
人間関係に悩みがある
職場内の人間関係に悩みがある場合も、転職を考える大きな理由です。上司だけでなく同僚や部下とあわないと感じたら、仕事自体へのストレスにもつながります。
パワハラやセクハラなどをはじめとするハラスメントに悩まされている社員は、精神的にも病んでしまいがちです。自分を守るためにも、転職していまの環境から抜け出せないかを検討します。
条件のいい転職先を見つけた
勤めている企業よりも条件のいい転職先を見つけたら、転職を検討する人は多いです。給与面や労働時間、環境がよくなる場合は積極的に転職を検討する風潮も増えてきました。
終身雇用が当たり前の時代から、転職してスキルアップしていく時代に変化してきたからです。日本では少子高齢化も問題になっていて、人手不足に悩まされている企業も多く好条件の求人が増えたことも一因です。
退職を引き止めようとする会社の本音
退職したい意思を上司や会社に伝えると、たいてい退職を引き止められます。引き止められるときは社員のことを考えているような言葉で引き止められますが、実際のところ上司が考えている本音はどうでしょうか。
あなたを本当に必要として引き止めている可能性もありますが、上司自身の保身や会社の都合だけで引き止められることもあります。退職を引き止めるときのよくある本音をご紹介するので、それぞれ確認して相手の本音を見極めることがオススメです。
優秀な社員に辞めてほしくない
企業で一人前の社員を育てるには、採用コストや教育コストが必要になります。優秀な人材は簡単に見つからないので、優秀な社員から退職の相談があった場合は引き止めをおこないます。
それまでは高い評価をされていると感じなくても、退職を伝えたときに上司が自分を評価していたことを知る社員も多いです。
自分にしかできない仕事があったり将来を期待されたりしている場合は、説得の熱量も多くなるため意思をしっかり持って退職の検討をしましょう。ただ単に頭数の減少を避けるためだけに、引き止める場合もあるので見極めが大切です。
人員不足になると困る
単純に職場が人員不足になってしまい、仕事が回らなくなるので引き止めようとする可能性もあります。あたらしい人員を補充できてもすぐに即戦力になるわけではないため、教育にかかる時間などを考慮して退職を考え直させようとします。
上司が自分の評価を落としたくないため、自己保身を考えて引き止めるパターンもあるので引き止められたときは相手の思考を見極めましょう。引き止めが難しいと感じたら、態度を変えてくる可能性もあるので注意が必要です。
後任者との引き継ぎが終わるまではと交渉される可能性もあるため、退職を決意したら事前に退職日を決めておいて、先延ばしされないように会社に伝えることが大切です。
職場の雰囲気が悪くなる
退職者がでると残った社員の作業負担が増えたり、会社の先行きが不安になって職場の雰囲気が悪くなったりしてしまいます。一人当たりの業務負担がすでに大きい職場では、退職の連鎖が起きてしまう可能性もあります。
そのような事態に陥ると会社は機能しなくなって、売上が減少したり納期を守れなくなったりする可能性が高いです。上司の評価も下がってしまうため、悪い評判をつくらないために引き止められることもあります。
退職を引き止められたときの断り方
会社や上司から、退職を引き止められたときの断り方をご紹介します。退職の引き止めを断る方法は、
- 転職に前向きな理由を示して断る
- 強い意思を持って話し合いをする
- 辞める日時を明確にしておく
- 退職代行業者に依頼する
などがあります。
それぞれ解説するので確認しておきましょう。自信を持っておこなえる断り方をすることが大切になります。
転職に前向きな理由を示して断る
上司に退職を相談した場合、ほとんどの人が退職理由を聞かれています。実際の理由とは違っても、前向きな理由で断ることがオススメです。会社や上司に不満があったとしても、円満退社をするためにできるだけ伏せておきましょう。
不満を退職理由にすると、改善策を提案して退職を引き止められる可能性も高いです。あたらしい仕事にチャレンジしたい思いや、スキルアップしたい意思をはっきりと伝えることが大切になります。
希望する職種の企業から内定をもらった後に、退職の意思を伝えると相手も引き下がってくれる可能性が高いです。自分以外でも家族の事情などを理由にしても、相手は改善策を出しづらくなります。
強い意志を持って話し合いをする
上司から退職を引き止められたときに、少しでも迷っている様子を見せてしまうと職場に残る可能性があると考え退職まで時間がかかってしまいます。退職の相談をする前に、強い意思を固めてから話し合いをするようにしましょう。
退職を相談するのではなく、退職が決定事項であるため企業にできるだけ企業に迷惑のかけない方法を相談するスタンスがオススメです。
円満退職にするためにも会社側の事情も理解して、繁忙期を避けたり退職まで余裕のある日程を設定したりといった気遣いが大切になります。退職が決まった後も引き継ぎをしっかりとおこなうなど、関係が悪化しすぎないようにしましょう。
辞める日時を明確にしておく
退職する日時は、会社や上司に相談する前から明確にしておくことが大切です。日にちを決めておかないと、ズルズルと退職までの日にちを伸ばされてしまう可能性があります。
転職先を決めてから退職する場合は、次の職場にも迷惑をかけてしまうこともあるので退職日ははっきりとさせておきましょう。日時などを明確にしておくことで、相手から引き止められてもキッパリと断れます。
退職代行業者に依頼する
あたらしいサービスとして、退職代行を利用する人もいます。自分から言いづらい人や会社や上司が取り合ってくれないときに、退職代行業者に依頼して退職交渉をおこなってもらう方法です。
会社の中には退職願を受け取らないこともあるため、はじめから退職代行業者を利用することでスムーズに手続きを進められます。退職代行を依頼するときは、3万〜5万円程度の費用がかかる点には注意が必要です。
引き止め後に残って後悔する理由は?
退職を相談して会社に残る決断をしたけど、後悔をしている人が多くいます。主な後悔理由は、
- ほかの社員と気まずくなる
- もう一度退職を言いづらくなる
- 昇給する可能性が少ない
といった点です。それぞれ解説するので確認しておきましょう。
ほかの社員と気まずくなる
退職を相談したことは、社内の噂として広まってしまうことがほとんどです。周りの同僚などからも、気を遣われることも多く人間関係がギクシャクする可能性もあります。
退職相談後に仕事の割り振りや上司の自分への扱いが急に変われば、ほかの社員に仕事の負担が増えてしまう可能性もあります。一度退職相談をして残る場合は、覚悟が必要な点は理解しておきましょう。
もう一度退職を言いづらくなる
一回退職を取りやめてしまうと、もう一度退職を言いづらくなってしまいます。何回も退職の相談をおこなうと職場の雰囲気が悪くなってしまい、問題児として認識されてしまう可能性が高いからです。
一度目に勤務条件の見直しをされていると、また退職希望を装って条件を釣り上げているようにも捉えられます。残っても後悔する可能性が高いので、一度目の交渉で退職することがオススメです。
昇給する可能性が少ない
一度退職の相談をしてしまうと、会社や上司から悪いイメージが定着してしまって会社に残っても昇級できる可能性は低くなります。役職についた後に、また退職を考えはじめたら会社も困ってしまうからです。
退職の相談時に昇給を口約束に思いとどまっても、実際は昇給できない話も聞きます。あくまでも口約束なので、会社や上司が守らなくてもペナルティがないからです。もし昇給しても、希望のポジションではなく微妙な昇給だけで終わることもあります。
まとめ|退職するときは強い意志を持って交渉しよう
この記事ではサラリーマンが退職を考える理由や退職を引き止めようとする会社の本音、引き止めの断り方などをご紹介しました。
退職は労働者の正当な権利
まず理解しておくべき重要なポイントは、退職は労働者に認められた正当な権利であるということです。民法では、退職の意思表示から2週間で雇用契約を終了できると定められています。会社の許可が必要なわけではなく、労働者の一方的な意思表示で退職は成立します。
しかし、多くの労働者がこの事実を知らないか、知っていても実際に行動に移すことに躊躇してしまいます。会社や上司からの圧力、同僚への申し訳なさ、将来への不安など、さまざまな心理的障壁が退職を困難にしています。だからこそ、退職する際には法的な知識を持ち、強い意志を持って臨むことが不可欠なのです。
転職市場は活発化している
現在、多くの企業が人手不足に悩んでおり、求人サイトを検索すると好条件な求人が数多く見つかります。働き方改革の推進や労働市場の流動化により、以前よりも転職しやすい環境が整ってきました。
会社に不満がある人、キャリアアップを目指したい人、より良い労働環境を求める人は、転職を積極的に検討してみる価値があります。今の会社に縛られ続ける必要はありません。自分のスキルや経験を活かせる場所は、必ず他にも存在します。
転職活動は在職中から始めることができます。求人情報をチェックしたり、転職エージェントに相談したりすることで、自分の市場価値を把握し、より具体的なキャリアプランを描くことができます。選択肢があることを知るだけでも、今の職場での精神的な負担が軽減されるでしょう。
会社の引き止めには注意が必要
退職を相談するときに注意しなければならないのが、会社や上司による引き止めです。特に人手不足に悩む企業では、あの手この手で退職を阻止しようとしてきます。
引き止めの理由は、必ずしもあなたを思ってのことではありません。多くの場合、会社の都合や上司の保身が背景にあります。あなたが辞めることで業務が回らなくなる、後任の採用や育成にコストがかかる、上司の管理能力が問われる、評価が下がるといった事情が本音です。
「あなたが必要だ」「給与を上げる」「部署を異動させる」といった甘い言葉で引き止められても、その場の雰囲気に流されてはいけません。一度退職を申し出た後に残留を決めても、職場での立場が微妙になったり、約束された条件が守られなかったりするケースも少なくありません。
また、「今辞められたら困る」「後任が見つかるまで待ってほしい」といった情に訴える引き止めもよくあります。しかし、人員配置や業務の継続は本来、会社が責任を持って対応すべき経営課題です。あなた一人に責任を押し付けるのは筋違いであり、そのような会社だからこそ辞めるべきだとも言えます。
曖昧な態度は禁物
引き止めを断るときに最も重要なのは、曖昧な態度を取らないことです。「考えさせてください」「もう少し検討します」といった返答をしてしまうと、会社側は「まだ引き止められる」と判断し、さらに圧力を強めてきます。
その結果、退職できなかったり、退職時期がどんどん遅れてしまったりする事態に陥ります。新しい職場への入社日が決まっている場合、予定が狂うことで大きな問題になりかねません。
退職を切り出す際には、「退職は決定事項である」という明確な意思を持って臨みましょう。相談ではなく報告であるという姿勢が重要です。「退職させていただきます」ではなく「退職いたします」と言い切る。退職理由を詳しく説明しすぎない。引き止めに対しては「決めたことですので」と繰り返す。このような毅然とした態度が、スムーズな退職につながります。
退職届は口頭での意思表示だけでなく、書面でも提出しましょう。証拠として残るだけでなく、あなたの本気度を示すことにもなります。就業規則で定められた期間(通常は1〜2ヶ月前)に退職の意思を伝え、必要な引き継ぎは誠実に行う。これが社会人としての最低限のマナーです。
どうしても難しいときは退職代行を
自分では退職を切り出せない、引き止めを断る自信がない、会社との関係が既に悪化しているといった場合には、退職代行サービスの利用も有効な選択肢です。
退職代行は決して逃げではありません。精神的に追い詰められている状況で無理に自力で退職しようとすると、心身の健康を損なう危険性があります。専門家の力を借りることで、安全かつ確実に退職できるのであれば、それは賢明な判断といえるでしょう。
特にパワハラやいじめがある職場、退職を申し出ても受理されない職場、精神的に限界を感じている場合などは、退職代行の利用を積極的に検討すべきです。即日退職も可能なサービスが多く、会社との直接的なやり取りを避けられるため、精神的な負担が大幅に軽減されます。
新しい一歩を踏み出すために
退職は終わりではなく、新しい始まりです。今の環境に不満を抱えながら働き続けることは、あなたのキャリアにとっても人生にとってもプラスになりません。
強い意志を持って退職交渉に臨み、必要であれば専門家の力も借りながら、確実に次のステップへ進んでください。あなたの人生はあなた自身のものです。会社や上司の都合に振り回される必要はありません。
より良い労働環境、充実したキャリア、健康的な生活。これらを手に入れるために、勇気を持って一歩を踏み出しましょう。この記事が、あなたの決断を後押しする一助となれば幸いです。








