大手優良企業の自動車メーカーの技術者。ヘッドハンティングされ配置転換するも、後輩との実力差にストレスで倒れることに…。
私は自動車開発部門の技術者です。優良企業である某大手自動車メーカーに勤務しています。
入社してすぐに製造部門の技術者として職場に配置されました。そこでは大変良い上司と同僚に恵まれ平和な生活を送っていました。
入社して15年経った時のこと、勤務成績や製造部門での評価が髙かった私は、社内の開発部門の部長からヘッドハンティングされ、配置転換されることになりました。部長曰く、長い間製造部門で培ってきた経験を私の開発部門でも生かして欲しいとのことでした。
そこから地獄が始まろうとはその時は知るよしも有りませんでした。
職場移動してすぐに、開発や解析のことを教育されました。
覚える(考える)内容が有名国立大レベルと非常に難しく、毎日毎日大変なストレスを感じながら勉強に励みました。そして数ヶ月後、部署内でも簡単な方の仕事を任せられるようになりました。
その後、私と同じ職場に新卒の後輩が1人配属されました。彼は覚え理解する事も早く分析力も人並み外れていたため、とても上司に可愛がられました。
因みに彼は、東京大学に現役で入り大学院(修士)までストレートで出ています。世間でいう超エリート族です。部長もまた某国立大学で博士号まで取得しエリート街道を歩んで来た人ゆえ、余計に可愛いのでしょう。
そして、その後輩が実務を行うようになり、毎日のように仕事のスピードや分析結果などを比較され上司から叱責されました。彼は1人で3人分の仕事が出来るため私とは比較になりません。同じように仕事をやれと言われても限界があります。
私は遅くまで職場に1人ポツンと残り仕事をしていました。午前様になることもありました。そして部長は、次第に私を邪険に扱うようになりました。
また、直属の上司である係長はパソコンやネットワークシステムの達人で、私や同僚、部長や会社重役の社内メールを覗き見ているようでした。
何故気が付いたかと言うと、元職場の同僚とメールでしかやり取りしていないプライベートな話の内容のことを知っていたからです。
これはあまりにも酷いと思い、なぜ知っているのか遠まわしに聞いてみた所、メールのパスワード破り程度のことは彼にとって簡単だと自慢して言いました。上司のも含め勝手にメール内容を閲覧しているようなことを遠まわしに言っていました。
それ以来、係長に見られるのが嫌な内容を含んだ社内メールは一切書かないようにしました。
そのような環境の中、毎日のストレスで倒れてしまいました。
製造部門の経験をあまり生かすことなく病床に倒れ、そのままこの会社を退職することになってしまいました。
折角入社出来た優良企業なのに、まさかこんなことになるとは思ってもみませんでした。
優良企業で出世したら幸せになれるとは限らない。身の丈にあった仕事、自分が楽しめる仕事をやろう。
大手優良企業のエリート出世コースを歩んでいても、周りとの実力差を埋めるために過剰の努力やストレスを強いられて、精神的に消耗してしまうような話って、結構あるんじゃないかと思います。
世の中には到底敵わないメチャクチャ優秀な人もいますし、上を目指し続けて、より強い強敵と戦い続けるのが必ずしも正解とは限らないということだと思います。自分の実力・身の丈に見合った場所で、無理なく働く方が楽しいですし、長続きしますからね。
この会社の上司の対応は、会社として、まあ仕方ない部分もあります。能力の高い人間(新卒のエリート後輩)を能力に応じて優遇しているわけですから、能力の低い使えない人がコネだけで高い給料と立場を勝ち取っているようなブラック企業よりずっと健全と言えます。
しかし、もう少し柔軟な対応が出来なかったのでしょうかね…。例えば、ストレスで倒れてしまう前にカバーしてあげるとか、今の部署で通用しないと判断したタイミングで元の部署に戻してあげるとか。
成果主義で能力をちゃんと評価することは、能力に劣る人を軽視して良いという話ではありません。優秀な人もそうでない人もいますし、向き不向きもありますので、体験者の方がより良く働ける部署を模索して欲しかったですね…。大手ですから、そのくらいの体力・規模はあるでしょうし。
あと、社内メールを覗き見は、ブラックうんぬん以前にセキュリティ的に完全にアウトですよ…。
・広告、犯罪に関する内容、他人が不快になる誹謗中傷コメントは、書き込みは禁止です(削除させていただきます)。
・投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権、(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利も含む)その他の権利につき(第三者に対して再許諾する権利を含みます。)、サイト運営者に対し、無償で譲渡することを承諾します。
・投稿者は、サイト運営者に対して、著作者人格権を一切行使しないことを承諾します。