給料は言い値?調理委託会社の恐るべき闇と過酷な実態を暴露します

大量調理、主に病院内や老人ホームに入る委託調理業の会社で働いていました。当時は会社の仕組みや就業に関する法律などあまり知らなかったので、どこで働いてもこんなものだと思っていましたが、今はいろいろと問題点が多い会社なのではないかと思っております。
まず給料ですが、一定の決まりがなく、採用時に面接官にあたるエリアマネージャーの判断でだいたいこのくらいでいい?というような感じで決まります。手当も一律に決まりがなく、例えば住宅手当など、同じ条件の従業員であってもこの人はついていて、この人はついていないというようにバラバラでした。
ボーナスはないことが多く、でも逆に売り上げの成績が良い施設で働く、役職者に気に入られている従業員には破格のボーナスがでていたり、月給がものすごくよかったり、信じられないことがまかり通っていました。
新規立ち上げの現場に行くときも自宅から到底通えない場所へ、住居の手配もないまま三日前くらいにいきなり行けと言われたり、一日何十時間も働かせられたりしていました。これは主に男性の従業員に多い話でしたが、元同僚の女子も立ち上げに駆り出されて、過酷さゆえに居眠り運転で廃車にしてしまったほどです。
平社員はそんな環境で働いていましたが、かなり上の立場になると就業時間内にプライベートな用事を済ませるなど自由なことをしている人もいたということを聞いたことがあります。給料はいっこうに上がらず、盆暮れ正月もない会社でした。
みんブラ事務局の所見:賃金の決定基準がないこと自体が違反である。過酷さゆえの居眠り運転事故は、本人の不注意では片づかない。
賃金の決定基準がないことは、それ自体が違反である
この体験談で最も本質的な問題から取り上げます。
投稿者はこう書いています。
「まず給料ですが、一定の決まりがなく、採用時に面接官にあたるエリアマネージャーの判断でだいたいこのくらいでいい?というような感じで決まります」。
ここで確認します。
賃金の決定・計算・支払の方法は、就業規則の絶対的必要記載事項です(労働基準法89条2号)。
常時10人以上の労働者を使用する事業場には就業規則の作成・届出・周知が義務づけられています。
そして賃金は明示すべき労働条件でもあります(労基法15条)。
「だいたいこのくらい」という決め方は、基準が存在しないことを意味します。
そして、基準がないと何が起きるか。
投稿者が書いているとおりです。
「手当も一律に決まりがなく、例えば住宅手当など、同じ条件の従業員であってもこの人はついていて、この人はついていないというようにバラバラでした」。
説明できない差が生まれるのです。
そのうえで、全体を確認します。
- 病院内や老人ホームに入る委託調理業の会社だった
- 給料に一定の決まりがなく、エリアマネージャーの判断で決まった
- 住宅手当などの手当もバラバラだった
- ボーナスはないことが多かったが、売上の成績が良い施設で働く人や役職者に気に入られている人には破格のボーナスが出ていた
- 新規立ち上げの現場では、自宅から到底通えない場所へ住居の手配もないまま3日前にいきなり行けと言われた
- 1日何十時間も働かせられた
- 元同僚の女性が立ち上げに駆り出され、過酷さゆえに居眠り運転で廃車にした
- かなり上の立場になると就業時間内にプライベートな用事を済ませるなど自由なことをしている人もいた
- 給料はいっこうに上がらず、盆暮れ正月もない会社だった
法律から見ると
賃金の決定・配置転換・長時間労働を軸に整理します。
| 体験談で実際に行われていたこと | 抵触する条文 | 何が問題なのか |
|---|---|---|
| 賃金の決定基準がなく、面接官の判断で個別に決めていた。 | 労働基準法89条2号 15条 106条 |
賃金の決定・計算・支払の方法は就業規則の絶対的必要記載事項。常時10人以上を使用する事業場には作成・届出・周知が義務づけられている。 |
| 同じ条件の従業員でも、住宅手当の有無がバラバラだった。 | 労働基準法89条 労働契約法3条2項 |
手当の定めをする場合は就業規則への記載が必要。就業の実態に応じて均衡を考慮しつつ労働条件を決定すべきとされている。 |
| 役職者に気に入られている者にのみ、破格の賞与を支給していた。 | 労働基準法89条4号 労働契約法3条4項 |
賞与の定めをする場合は就業規則への記載が必要。評価は合理的な基準に基づき公正に運用されるべきものである。 |
| 通勤不可能な場所への異動を、3日前に通告していた。 | 労働契約法3条5項 労働基準法15条 |
就業の場所は明示すべき労働条件。配置転換は業務上の必要性と労働者の不利益を比較して判断され、手続きの相当性も考慮される。 |
| 転居を伴う異動なのに、住居の手配を行っていなかった。 | 労働契約法3条5項 5条 |
転居を伴う配置は労働者への影響が大きい。生活の基盤に関わる配慮を欠いた異動は権利濫用の判断で不利に働く要素となる。 |
| 1日に何十時間もの勤務をさせていた。 | 労働基準法32条 35条 36条 |
1日8時間・週40時間が原則で、毎週1回または4週で4日の休日が必要。時間外労働は単月100時間未満という絶対的上限がある。 |
| 過重労働により、従業員が居眠り運転で事故を起こした。 | 労働契約法5条 労働者災害補償保険法 |
安全配慮義務違反による損害賠償の対象となり得る。業務に起因する事故であれば労災であり、通勤途上の事故も通勤災害の対象となる。 |
| 盆・年末年始を含め、休日が確保されていなかった。 | 労働基準法35条 39条 |
毎週少なくとも1回、または4週を通じ4日以上の休日が必要。年10日以上付与される労働者には年5日の年休を取得させる義務もある。 |
※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。
この会社を糾弾する
この記事で最も重大な事実を先に指摘します。
「元同僚の女子も立ち上げに駆り出されて、過酷さゆえに居眠り運転で廃車にしてしまったほどです」。
事故が起きているのです。
そして原因は過酷さと書かれています。
この一件を法的に整理します。
業務に起因する事故であれば労働災害です。
通勤途上であれば通勤災害の対象になります。
そして使用者には安全配慮義務があります。
1日何十時間も働かせれば、運転中に眠気が来ることは予見できます。
これは本人の不注意で片づけられる話ではありません。
そして、廃車という結果です。
ここで気になるのはその費用を誰が負担したかです。
記事には書かれていませんが、本人が負担していたなら別の問題が生じます。
使用者の求償は損害の公平な分担の見地から信義則上相当と認められる限度に制限されます。
次に、3日前の通告です。
「新規立ち上げの現場に行くときも自宅から到底通えない場所へ、住居の手配もないまま三日前くらいにいきなり行けと言われたり」。
ここには2つの問題があります。
一つは、期間です。
3日で生活の場所を変えることは現実的ではありません。
家族がいればなおさらです。
もう一つは、住居です。
手配もないままと書かれています。
つまり自分で探すか、通えない距離を通うかという状態でした。
そして1日何十時間の勤務です。
その状態で長距離を運転していたのが先ほどの事故の背景でしょう。
次に、賃金の決まり方に戻ります。
この会社ではすべてが個別の判断でした。
- 基本給:エリアマネージャーの判断
- 手当:同じ条件でもバラバラ
- 賞与:気に入られていれば破格
この状態が職場に何をもたらすか。
努力より、関係が重要になります。
基準がなければ何を改善すれば待遇が上がるのかがわかりません。
そして気に入られている人だけが上がるのを見ることになります。
投稿者が「信じられないことがまかり通っていました」と書くのは当然です。
最後に、この業種の性質にも触れます。
この会社が入っていたのは病院と老人ホームです。
患者と入居者の食事を作る仕事でした。
1日何十時間も働いた人が調理するという状態は、食品衛生の面でもリスクを生みます。
そして最後に、この記事の冒頭にある一節を引きます。
「当時は会社の仕組みや就業に関する法律などあまり知らなかったので、どこで働いてもこんなものだと思っていました」。
これがこの種の職場が成り立つ理由です。
知らなければ、比べられません。
そして比べられなければ、おかしいと気づけません。
この方は後になって「今はいろいろと問題点が多い会社なのではないか」と書いています。
知ったから、わかったのです。
だからこそ基準を知っておくことに意味があります。
週40時間。週1回の休日。就業規則への賃金の記載。
この3つだけでも、判断は変わります。
そして、この会社の上下の差にも触れておきます。
投稿者はこう書いています。
「かなり上の立場になると就業時間内にプライベートな用事を済ませるなど自由なことをしている人もいた」。
一方、平社員は1日何十時間も働いていました。
同じ会社の中で、労働時間の扱いが正反対です。
そして給料はいっこうに上がらず、盆暮れ正月もない会社でした。
負担は下に、自由は上にという構図です。
最後に、この方が今になって気づいたことを確認します。
「今はいろいろと問題点が多い会社なのではないかと思っております」。
当時は気づけなかったのです。
理由は基準を知らなかったからでした。
そして周りも同じだったのでしょう。
全員が知らなければ、誰も指摘しません。
そして指摘されなければ、会社も変わりません。
知ることが、最初の一歩になります。
この会社は、今すぐ労基署へ相談すべきである
3点述べます。
- 1. 就業規則は、見せてもらえる
常時10人以上を使用する事業場には就業規則の作成・届出・周知が義務です。「就業規則を見せてください」とメールで求めてください。賃金の決定方法が書かれていないなら、それ自体が違反です。 - 2. 待遇差の理由は、説明を求められる
同じ条件なのに手当が違うなら、「私の手当の算定根拠をご説明ください」と書面で求めることができます。回答できないこと自体が基準の不在を示します。 - 3. 事故は、労災として扱われる
過重労働が原因の事故は労災の対象です。通勤途上なら通勤災害。車両の修理費を本人が負担していたなら、返還を求める余地もあります。
もし今、同じ状況にいるなら
- 1. 労働条件通知書を、必ず受け取る
賃金・労働時間・就業場所は書面等で明示する義務が会社にあります。「だいたいこのくらい」で済ませてはいけません。金額と算定方法を書面で確認してください。 - 2. 急な異動は、条件を書面で求める
「就業場所、期間、住居の手配、赴任にかかる費用の負担について書面でお示しください」と求めてください。3日前の口頭通告にその場で応じる義務はありません。 - 3. 長時間労働は、記録が命綱
「1日何十時間」という状態が続いているなら、出退勤時刻を毎日メモしてください。相談先は労働基準監督署(労働時間・休日・賃金・労災/匿名申告も可)と各都道府県労働局の総合労働相談コーナー(配置転換・無料・予約不要)です。
この体験談に近いケース
この体験談に近いケースとして、あわせて読まれている記事です。
- 医療系職種の体験談5選。患者のため自己犠牲を強いられる病院という異常空間。
- 運送業界の闇。事故っても社員より荷物の無事が重要。被害者に始末書は不可。
- 「役員の間で決めているから記録がない」は、賃金台帳と就業規則の不在の告白。
- 1か月の約束だった出張が2年に。家賃の天引きも労使協定が要る。
この記事を読んで「うちの会社も同じだ」と感じた方は、ページ上部のブラック度から5段階で投票してください。投稿された体験談とあわせて、職場の実態を可視化していきます。





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