260911

日本語教師はブラック?押印だけの出勤簿と青天井の時間外労働

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評判が落ちるたび犯人捜し…校長が1年で替わる日本語学校で見た崩壊の過程

日本語教師はブラック?押印だけの出勤簿と青天井の時間外労働

男性・25歳の体験談
男性・25歳の体験談

日本語学校で仕事をしていました。世間によくある時間外の勤務があるのはざらでした。

出勤簿というのは時間での管理ではなく、日付の書かれた用紙に印鑑を押して「出勤」を確認するだけの簡易的なものでしたので、誰が何時にきて何時までいたなんてわからないものでした。

学校の経営もワンマンでした。留学生がターゲットの学校ですが、校則というよりは、少しでも授業に集中できてなければ職員室に呼び出され脅すようなこともしばしばでした。学生たちはそれをしってか、ますます反発するようになりました。

それをトップは自分たちでなく、雇われ校長の責任にしては、辞めさせての繰り返しだったので、1年以内で校長が変わることはザラでした。

またネットや世間での学校の評判が悪くなると、内部では「辞めさせた誰か職員のせいだ。そいつが話を売った」と犯人捜しがはじまり、朝の会に全員呼び出されては「捕まえて裁判で」と毎朝愚痴を聞かされていました

崩壊寸前の学校でしたので、学生は就職活動もろくにサポートしてもらえず、また日本語力があがらない学生ばかりで国に帰る子も多かったです。学校は自分たちでなく、学生のせいにしていました

そのような経営状態にあってもなお、たくさんの海外の国から新たに学生を集めて、学園を再建しようとしていますが、学費として寮もテキストも高額に売りつけたりと、とても教育をする場とはいえない場所でした。

月に2人入っては月に2人以上職員が辞める状況で自分にもプレッシャーが大きく、胃腸炎にもなり退職しました

 

みんブラ事務局の所見:印鑑だけの出勤簿は労働時間を把握したことにならない。犯人捜しは公益通報者保護法の指針が禁じる行為である。

みんブラ事務局の所見
みんブラ事務局の所見

みんブラ事務局・5段階判定日本語学校勤務/男性25歳の体験談
総合ブラック度4.0/5今すぐ辞めるべき
労働時間4
賃金・残業代4
ハラスメント5
休暇3
法令違反リスク4
判定理由:出勤簿は日付欄に印鑑を押すだけで、誰が何時に来て何時までいたか記録が残らない。評判が悪くなるたび「辞めさせた職員の誰かが話を売った」と犯人捜しが始まり、朝の会で全員が「捕まえて裁判で」という話を聞かされた月に2人入って2人以上辞める状態で、投稿者は胃腸炎になり退職した。 読者投票:まだ投票がありません

印鑑だけの出勤簿は、労働時間を把握したことにならない

この体験談のすべての問題の土台から取り上げます。

投稿者はこう書いています。

「出勤簿というのは時間での管理ではなく、日付の書かれた用紙に印鑑を押して「出勤」を確認するだけの簡易的なものでしたので、誰が何時にきて何時までいたなんてわからないものでした」。

ここをはっきり申し上げます。

これは労働時間を把握したことになりません。

労働安全衛生法66条の8の3は事業者は、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければならないと定めています。

ここで押さえるべきは「時間の状況」という言葉です。

来たかではなく何時から何時までを把握せよ、ということです。

印鑑だけの出勤簿では出勤したという事実しか残りません。

そしてこの記録の欠落が何を生むか。

時間外の勤務がなかったことになります。

投稿者は冒頭にこう書いていました。

「世間によくある時間外の勤務があるのはざらでした」。

あったのです。

ですが記録にはないのです。

そのうえで、全体を確認します。

  • 時間外の勤務が日常的にあった
  • 出勤簿は印鑑を押すだけで時刻の記録がなかった
  • 経営はワンマンだった
  • 授業に集中していない留学生を職員室に呼び出し脅すようなことがあった
  • 学生が反発すると雇われ校長の責任にして辞めさせた
  • 1年以内に校長が変わることはザラだった
  • 評判が下がると「辞めた職員の誰かが話を売った」と犯人捜しが始まった
  • 朝の会で全員が「捕まえて裁判で」と毎朝聞かされた
  • 寮もテキストも高額に売りつけていた
  • 月に2人入って2人以上辞める状態だった
  • 投稿者は胃腸炎になり退職した

法律から見ると

労働時間の記録ハラスメントが中心の論点です。

体験談で実際に行われていたこと 抵触する条文 何が問題なのか
印鑑を押すだけの出勤簿で、始業・終業の時刻を記録していなかった。 労働安全衛生法66条の8の3
労働基準法108条
109条
客観的方法による労働時間の状況の把握は事業者の義務賃金台帳には労働時間数の記入義務があり、記録の保存義務もある。
時間外勤務が日常的にあったが、割増賃金の支払いが確認できない。 労働基準法37条
24条
1日8時間・週40時間超は25%以上の割増記録がないことは支払わない理由にならず不払いは30万円以下の罰金
外部への情報漏洩を疑い、犯人捜しを繰り返していた。 公益通報者保護法3条
5条
11条
通報を理由とする解雇・不利益取扱いは無効事業者には内部通報体制の整備義務があり、通報者の探索は指針が禁じる行為である。
朝の会で全職員に対し「捕まえて裁判で」という話を繰り返していた。 労働施策総合推進法
30条の2
職員全体に向けた威圧的な言動の反復「精神的な攻撃」にあたり得る。就業環境を害するものと評価される。
経営上の問題の責任を、雇われ校長に負わせて交代させていた。 労働契約法16条
労働基準法20条
解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は無効1年以内での交代の反復は責任転嫁の疑いを生じさせる。
職員が短期間で入れ替わり、業務の負荷が残る者に集中していた。 労働契約法5条
労働安全衛生法66条の10
使用者には職場環境への配慮義務がある。常時50人以上の事業場ではストレスチェックが義務で、高ストレス者への面接指導も定められている。
留学生に対して寮費・教材費を高額に設定していた。 日本語教育機関認定法
出入国管理及び難民認定法
消費者契約法
令和6年4月から認定日本語教育機関の制度が開始。認定には運営・教育課程・財務の基準があり、不当な費用徴収は契約の効力にも関わる
学生への指導が、呼び出して脅す形で行われていた。 日本語教育機関認定法
学校教育法
民法709条
教育機関には適正な指導体制が求められる威圧により従わせる指導は人格的利益の侵害となり得る。

※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。

この学校を糾弾する

この記事の構造をはっきりさせます。

問題が起きるたびに、外に責任者を探しているのです。

並べてみてください。

  • 学生が反発する → 校長のせい
  • 評判が下がる → 辞めた職員のせい
  • 日本語力が上がらない → 学生のせい

一度も自分たちの番が来ません。

そしてその結果がこれです。

「1年以内で校長が変わることはザラでした」。

ここで考えてください。

校長が何人替わっても同じ問題が起きているのです。

これは校長が原因ではなかったことの証明です。

次に犯人捜しです。

ここがこの記事で最も重い部分です。

「辞めさせた誰か職員のせいだ。そいつが話を売った」。

そして朝の会で全員が聞かされる。

これを愚痴と見ないでください。

機能があります。

毎朝これを聞かされた職員はどう考えるか。

「外に言ったら自分もそうなる」です。

つまり口封じです。

ここで公益通報者保護法を確認します。

この法律は通報を理由とする解雇や不利益な取扱いを無効としています。

そして事業者には内部通報に対応する体制の整備義務があります。

さらに指針は通報者を特定しようとする行為(通報者の探索)を行ってはならないとしています。

この学校がやっていたのはまさにその探索です。

そして「捕まえて裁判で」という言葉です。

これは訴訟をちらつかせることで恐怖を与える言動です。

最後に学生の扱いです。

ここも見過ごせません。

「寮もテキストも高額に売りつけたり」。

留学生は日本の相場を知りません。

そして在留資格が学校に紐づいています。

つまり抗議しにくい立場です。

ここで令和6年4月から始まった認定日本語教育機関の制度に触れておきます。

この制度は日本語教育機関の質を国が認定するものです。

教育課程、教員、施設、運営、財務に基準が設けられ、

登録日本語教員という国家資格も創設されました。

つまりこの体験談のような学校は存続しにくくなっているのです。

そして職員の離職率です。

「月に2人入っては月に2人以上職員が辞める」。

これは組織が成立していない数字です。

誰も経験を蓄積できません。

そして教育の質は経験に依存します。

投稿者が書いた「日本語力があがらない学生ばかり」の原因は、

学生ではなくここにあります。

そしてこの学校で起きていたことの本質を述べます。

記録がないという一点が、

すべてを可能にしているのです。

順に考えてください。

労働時間の記録がなければ残業代を請求できません。

指導の記録がなければ校長を辞めさせる理由も検証できません。

通報の窓口がなければ外に出すしかなくなります。

そして外に出れば犯人捜しが始まる。

つまり記録を作らない組織ほど、内部告発に過敏になるのです。

そしてその過敏さがさらに人を辞めさせます。

ここで公益通報者保護法の意味が効いてきます。

この法律は通報者を守るためのものですが、

本来の目的は組織が自ら問題を把握できるようにすることです。

内部で言える窓口があれば、外に出る必要がありません。

この学校にはその窓口がなかったのです。

最後に投稿者の立場を確認します。

25歳です。

日本語教育に志を持って入ったのでしょう。

ところが見たのは学生を呼び出して脅す指導と、

毎朝の犯人捜しでした。

投稿者はこう書いています。

「とても教育をする場とはいえない場所でした」。

この一文には落胆があります。

そして胃腸炎です。

強い緊張が続くと自律神経を通じて消化器に影響が出ます。

つまり身体が先に限界を知らせたのです。

ここで申し上げます。

辞めたことは正しい判断です。

この学校で耐えて得られるものはありません。

日本語教育の仕事そのものは令和6年の認定制度で環境が整いつつあります。

認定を受けた機関を選べば状況は違うはずです。

そして離職の数字をもう一度見てください。

「月に2人入っては月に2人以上職員が辞める」。

これは採用と離職が釣り合っていないことを意味します。

つまり総数は減り続けているのです。

そして残った人の担当が増えます。

投稿者が「自分にもプレッシャーが大きく」と書いたのはこの構造でしょう。

こういう学校は、今すぐ辞めていい

3つの理由を述べます。

  • 1. 犯人捜しが日課の職場では、誰も安全でない
    今日は辞めた人が疑われているだけです。明日は自分かもしれません。疑いに証拠は要らないのですから、身を守る方法がありません。
  • 2. 校長が1年で替わる組織に、改善はできない
    責任者が定着しないのですから、方針も定着しません。そして原因は毎回外に求められます。内側が変わる見込みがありません。
  • 3. 胃腸炎は、身体が出した信号である
    強いストレスは消化器に出ます。それが出た時点で限界が近いということです。我慢して得られるものはありません。

もし今、同じ状況にいるなら

  • 1. 出退勤の時刻を、自分で記録する
    会社の出勤簿に時刻がないのであれば、自分で残すしかありません。校舎の施錠時刻、業務メールの送信時刻、パソコンの起動と終了も有力な資料です。賃金請求権の時効は当面3年です。
  • 2. 朝の会の内容を、日付とともに書き留める
    いつ・誰が・どういう発言をしたかを記録してください。全職員の面前での威圧的な言動パワーハラスメントの「精神的な攻撃」にあたり得ます。
  • 3. 学校の問題は、行政にも窓口がある
    労働時間・割増賃金労働基準監督署(匿名申告も可)。ハラスメント総合労働相談コーナー(無料・予約不要)。留学生への不適切な取扱い文部科学省の認定日本語教育機関の窓口出入国在留管理庁にも相談できます。

この体験談に近いケース

この体験談に近いケースとして、あわせて読まれている記事です。

この記事を読んで「うちの会社も同じだ」と感じた方は、ページ上部のブラック度から5段階で投票してください。投稿された体験談とあわせて、職場の実態を可視化していきます。

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