営業や社長の言う通りにして、見積もりの半額の仕事を受注したら、大赤字が発生。
ジェネラルマネージャーとして海外工場の立上げを任されました。当初は仕事が全くありませんでした。そんな時に日本の本社の営業マンからお客様で他国で製作している製品の製作の話を紹介いただきました。お見積りをしましたが、お客様の希望価格がお見積り価格の2分の1以下でとても合わずお断りしました。
しかし紹介して頂いた営業マンからは何度も考え直すように言われました。社長からも工場のスタッフを暇で寝かしてるぐらいだったら仕事を受けた方がいいと言われました。納得はしませんでしたが、マネージャーのポジションが今回が初めてだった事と社長から言われたら反対は出来ませんでした。渋々紹介して頂いた仕事を受けることにしました。
第1回目の納品後、損益計算をすると何百万円もの赤字となりました。それからコスト削減に努力しましたが経費を2分の1以下にする事は出来ませんでした。その仕事は毎月発注があり、1ヶ月1ヶ月赤字が増えていきました。
1年が過ぎ年間の赤字が何千万円となった時に、仕事紹介して頂いた営業マンから何千万円もの赤字を出していったいどうするつもりですかと言われました。社長からは私に任したら会社が潰れると言われジェネラルマネージャーを解任されました。
成果責任が問われる職種では良くある話。安易な受注はせず知恵を絞ることが重要だと思う。
厳しい言い方かもしれませんが、私の意見としては、この体験談にはそれほどブラックな印象は持ちませんでした。強いていうなら社長の「見通しの甘さ」ですが、仕事がなく工場が稼働していない状況であればコストを垂れ流すだけなので「受けた方がよい」という判断は妥当だと思うので、ブラックというほどのものではないかと思います。営業マンについては、これが「営業の仕事」でしょうからやむを得ないと思いますし・・・。
ゼネラルマネージャーは事業の最終決定権・成果責任を持つポジションかと思いますので、「営業に言われたから」「社長に言われたから」は言い訳にならず、自分の裁量で決めなければなりません。結果が出なければ解任されてしまうのも仕方ないかと思います。もちろん、これが、上からの指示に従わざるを得ないアルバイトやパートとかの立場でしたら話は別です。
価格競争による値下げで赤字転落してしまうケースは、昨今では多いのではないかと思います。私は「とにかくアイデア・知恵を絞ること」と「どうしても無理なら受注しないこと」が大切だと思います。
私も厳しい予算と顧客要求に悩まされる事態になったことがありますが、社内で一度もやったことがない別の方式・プロセスを採用することで切り抜けたことがあります。「本当に実現できないのか?」柔軟な思考で、アイデア・知恵を絞ることは大切だと思います。今までやってきた慣れたやり方に固執してしまったり、社長や権力者に流されてGOしてしまい赤字になってしまうケースが日本の企業では非常に多いと感じています(思考停止病)。「社内で一度もやったことがない方法」「日本で一度もやったことがない方法」「他業種のやり方・アイデアの輸入」などを検討することで切り抜けられることは結構あるんです。
あと、どうしても無理な場合は、例え社長とケンカすることになったとしても、「受注しない」という判断をすることも大切です。失敗するのが分かってるのに無理に受注してしまうと、自分だけでなく自分の部下も苦しい状況に追い込むことになりますし、当然業績も上がらないですから、悲惨な事になってしまいます。