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自爆営業は違法だよ?行き過ぎたノルマ・成果主義に、入社数ヵ月で新人が半数に。

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自動車ディーラー営業だと思ったら、実態はスマホ販売だった…。厳しいノルマに自腹買い取り、リスト違法流用。

自爆営業は違法だよ?行き過ぎたノルマ・成果主義に、入社数ヵ月で新人が半数に。

女性・30歳の体験談
女性・30歳の体験談

車販売会社の営業職として、就職しました。入社前の説明では、主に車販売、付属業務として、提携携帯電話会社の携帯を販売してもらうと聞いていました。

ですが入社すると、車販売はもちろんですが、それ以上に携帯電話販売のノルマが厳しく、毎月ノルマが達成できないと、携帯電話を買わされていました。当初はガラケーの時代でしたので、機種代も我慢できていましたが、スマホの時代へと流れが変わり、1台あたり10万円近くなったため、自費での購入も苦しくなりました。

 

社員も車の販売がしんどくてやめた社員はほとんどおらず、原因は携帯電話の販売によるものです。月末になると、店舗達成責任者からの詰めがすごく、契約がとれるまで、帰宅させないというのが、毎月恒例でした。その責任者も、更に上の管理者から詰められていたので、みんな攻めることはできず、たとえ新人でも、誰も尻拭いしてあげれる状況ではなかったので、入社数ヵ月で半分くらい新人も辞めていきました

中には、携帯電話を車の販売時に得た顧客の個人情報で購入し、転売するといった、事件もおきてしまっていました。悪いことではありますが、致し方ないと捉える社員が多くいたことも事実です。私自信も働けば働くほど、赤字になると感じ、辞めました。

 

みんブラ事務局の所見:自爆営業は2026年10月からパワハラ指針に明記される。「営業なら当然」はもう通らない。

みんブラ事務局の所見
みんブラ事務局の所見

みんブラ事務局・5段階判定車販売会社の営業職/女性30歳の体験談
総合ブラック度4.2/5即刻退職を推奨
労働時間4
賃金・残業代5
ハラスメント4
休暇3
法令違反リスク5
判定理由:車の販売職として採用されながら、実態は携帯電話販売のノルマが主。未達なら1台10万円近いスマートフォンを自腹で買わされる。月末は契約が取れるまで帰宅させない運用が恒例で、入社数か月で新人の半数が退職。労働基準法16条・24条に抵触するうえ、自爆営業は2026年10月1日からパワハラ指針に明記される予定であり、この慣行はまもなく明確に「パワハラ」と位置づけられる。 読者投票:4.84 / 5.00(19人)

この職場の何がブラックだったのか

この体験談は、自爆営業がどうやって成立するのかを教科書のように示しています。順を追って見ていきましょう。

まず入口の相違です。入社前の説明では「主に車販売、付属業務として提携携帯電話会社の携帯を販売してもらう」。ところが実際は携帯電話販売のノルマのほうが厳しかった。「付属業務」だったはずのものが、事実上の主業務になっていたわけです。

次に金額の変化です。当初はガラケーの時代で、機種代は「我慢できていた」。ところがスマートフォンの時代になると1台あたり10万円近くになり、自費での購入が苦しくなった。同じ「ノルマ未達なら自腹」という仕組みでも、単価が上がることで負担が跳ね上がったのです。

そして詰めの構造。月末になると店舗の達成責任者からの詰めがすごく、契約が取れるまで帰宅させないというのが毎月恒例でした。ここで投稿者が書いている観察が鋭い。「その責任者も、更に上の管理者から詰められていたので、みんな攻めることはできず」。責任者個人が悪人なのではなく、上から下へ圧力が伝達される構造ができあがっている。だから「たとえ新人でも、誰も尻拭いしてあげれる状況ではなかった」。

結果、入社数か月で新人の半分が辞めていきました。そして投稿者はこう書いています。「車の販売がしんどくてやめた社員はほとんどおらず、原因は携帯電話の販売によるものです」。

さらに、この体験談には見過ごせない一節があります。「携帯電話を車の販売時に得た顧客の個人情報で購入し、転売するといった、事件もおきてしまっていました」。そして「悪いことではありますが、致し方ないと捉える社員が多くいたことも事実です」。

自爆営業の圧力は、最終的に従業員を犯罪へ追い込むところまで行ったということです。投稿者自身は「働けば働くほど、赤字になると感じ」辞めています。

法律から見ると、これは何にあたるのか

この職場で行われていたことを条文と突き合わせます。自爆営業をめぐる法規制は、いま大きく動いています。

体験談で実際に行われていたこと 抵触する条文 何が問題なのか
ノルマが達成できないと、携帯電話を自腹で買わされていた。 労働基準法16条
労働基準法24条
業務上の目標未達を理由に労働者へ金銭的負担を負わせる行為。賃金から控除する形なら全額払いの原則に反し、あらかじめ負担を定めておく形なら賠償予定の禁止に触れる。
自社商品の購入強要、いわゆる自爆営業が常態化していた。 労働施策総合推進法
30条の2
厚生労働省は2025年11月の労働政策審議会で自爆営業をパワハラ指針に明記する改正案を示し、2026年10月1日からの施行が予定されている。「優越的な関係を背景」「業務上必要かつ相当な範囲を超える」「就業環境を害する」の3要件を満たせばパワハラに該当する。
月末は契約が取れるまで帰宅させないのが毎月恒例だった。 労働基準法32条
労働基準法36条
帰宅を許さない状態は使用者の指揮命令下にある労働時間。時間外労働の上限規制の対象であり、割増賃金の支払義務も生じる。
成果が出るまで帰さないという圧力で就労を継続させていた。 労働基準法5条 精神または身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制することは禁止されている。労働基準法で最も重い罰則が定められた条文。
入社前の説明は「車販売が主、携帯は付属業務」だったが、実態は逆だった。 労働基準法15条
職業安定法65条
従事すべき業務の内容は明示すべき労働条件。事実と相違すれば労働者は即時に労働契約を解除できる(15条2項)。2024年4月からは業務の「変更の範囲」まで明示が必要。
車販売で得た顧客の個人情報を使って携帯を購入・転売する事件が起きていた。 個人情報保護法
24条
個人情報取扱事業者は従業者に対する必要かつ適切な監督を行う義務を負う。従業員が犯罪に及ぶほどの圧力を放置していたなら、会社の管理責任も問われる。

※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。

この記事を読んでいる方に、最も重要な情報をお伝えします。自爆営業は、まもなく明確に「パワーハラスメント」と位置づけられます。

厚生労働省は、ノルマ達成のために自社商品の購入を強いる、いわゆる自爆営業について、労働施策総合推進法(パワハラ防止法)に基づく指針に「パワハラに該当し得る」と明記する改正を進めてきました。改正案は2025年11月の労働政策審議会雇用環境・均等分科会で示され、2026年10月1日の施行が予定されています。

つまり、これまで「営業なんだから当然」「みんなやっている」と言われて押し通されてきた慣行が、国の指針で名指しされる段階に入ったということです。すでに規制改革実施計画において、厚生労働省が労働基準法・労働契約法・民法上違法となり得る自爆営業の類型を明示するパンフレットを作成することも定められています。

もうひとつ、労働基準法上の整理も押さえてください。自爆営業が違法になる経路は主に2つあります。ひとつは労働基準法24条の全額払いの原則。購入代金を給与から天引きしていれば、それだけで違反です。もうひとつは労働基準法16条の賠償予定の禁止。「ノルマ未達なら1台買う」というルールをあらかじめ定めていれば、この条文に触れます。

そして「契約が取れるまで帰宅させない」という運用です。これは単なる長時間労働ではありません。成果を条件に身柄の自由を制限しているのですから、労働基準法5条(強制労働の禁止)が問題になり得ます。この条文の罰則は1年以上10年以下の拘禁刑——労働基準法のなかで最も重いものです。

従業員を「顧客」に仕立てる商売を糾弾する

ここからは、事務局として率直に書きます。

自爆営業の本質は何か。従業員を、労働力の提供者から「最後の顧客」に変えてしまうことです。

本来、営業職の仕事は社外に顧客を見つけることです。ところがノルマ未達で自腹購入という仕組みを入れた瞬間、会社にとっては売れても売れなくても数字が立つ状態になります。市場で売れなかった在庫を、従業員の給料で買い取らせているだけなのに、帳簿の上では「販売実績」として計上される。これは営業ではなく、社内での付け替えです。

そして恐ろしいのは、この仕組みが会社に「実態を直視しない自由」を与えるという点です。本来なら未達が続けば、商品が悪いのか、価格が合わないのか、ノルマ設定が非現実的なのかを検証しなければなりません。ところが従業員が買ってくれるので、検証する必要がなくなる。経営の失敗が、従業員の家計によって隠蔽される。ガラケーからスマートフォンに移って1台10万円近くになっても仕組みが変わらなかったのは、そのためでしょう。

投稿者の観察に戻ります。「その責任者も、更に上の管理者から詰められていたので」。この一文は重要です。現場の責任者を悪魔化しても、この問題は解決しません。圧力は上から順に落ちてきて、最後は入社数か月の新人のところで止まる。そして新人には、押しつける先がない。だから辞めるしかない。半分が辞めたのは当然の帰結です。

そして最も重い一節が、顧客の個人情報を使った転売事件です。「悪いことではありますが、致し方ないと捉える社員が多くいた」。この感覚が職場に共有されていたという事実こそが、この会社の到達した地点を示しています。犯罪に手を染めた社員個人の責任は当然にありますが、その一線を越えなければ生き残れない圧力をかけ続けたのは会社です。顧客の個人情報を守るべき立場の会社が、自らの営業圧力によって情報を漏出させていた。本末転倒という言葉でも足りません。

投稿者が最後に書いた一文が、すべてを要約しています。「私自信も働けば働くほど、赤字になると感じ、辞めました」。働いて赤字になる仕事は、もはや仕事ではありません。

なぜ、自爆営業の職場は今すぐ辞めるべきなのか

第一に、負担は必ず増えるからです。この体験談が示すとおり、ガラケーの時代には我慢できた金額が、スマートフォンになって10万円近くに膨らみました。商品単価が上がれば、自腹の額もそのまま上がります。そしてノルマが下方修正されることは、まずありません。

第二に、働くほど貧しくなる構造だからです。仮に月1台、10万円を自腹購入するとして、年間120万円。手取り20万円の人にとっては、年収の半分近くが会社に還流している計算になります。いくら残業しても、この穴は埋まりません。

第三に、倫理の境界が壊れていくからです。この職場では、顧客の個人情報を使った転売を「致し方ない」と捉える空気ができていました。追い詰められた人間は、判断の基準そのものが変わります。自分は絶対にやらないと思っていても、毎月10万円の負担が続けば、思考は必ず削られていきます。職を失うだけでなく、前科を負うリスクまで背負う必要はありません。

いま同じ状況にいる人が、今日のうちにやるべき3つのこと

  • 1. 自腹購入の証拠を、金額とセットで残す
    購入時のレシート・領収書・クレジットカードの明細を保管してください。そして「いつ、誰に、どう言われて購入したか」を記録します。給与から天引きされている場合は給与明細の控除欄がそのまま証拠になります。ノルマと自腹購入の関係を示すもの——達成状況が貼り出された表の写真、上司からの督促メールやチャット——も極めて重要です。「買え」と明示されていなくても、未達者だけが購入している事実が分かれば十分です。
  • 2. 「帰らせない」は記録して、その日のうちにメモする
    契約が取れるまで帰宅させないという運用は、労働時間の問題であると同時に、労働基準法5条(強制労働の禁止)という重い条文に関わります。何時まで残らされたか、誰にどう言われたか、同じ扱いを受けた同僚は誰か。入退館記録や交通系ICカードの履歴も裏づけになります。深夜に及んだ日は、深夜割増賃金の請求対象でもあります。
  • 3. 労働基準監督署へ。2026年10月からは追い風が吹く
    賃金からの控除、割増賃金の不払い、違法な長時間労働は労働基準監督署の申告対象です。そして繰り返しますが、自爆営業は2026年10月1日からパワハラ指針に明記される予定です。ハラスメントとしての相談は各都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料・予約不要)でも受け付けています。退職は、期間の定めのない雇用なら民法627条1項により申し入れから2週間で成立します。「今月のノルマが」は、あなたが残る理由になりません。

この体験談に近いケース

この体験談に近いケースとして、あわせて読まれている記事です。

この記事を読んで「うちの会社も同じだ」と感じた方は、ページ上部のブラック度から5段階で投票してください。投稿された体験談とあわせて、職場の実態を可視化していきます。

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