飼育員として動物園で働いたら、意味不明な理由で怒り出す上司に当たってしまった…。シフトはゴリ押し。理由不明な無視。

私が以前、勤めていたのは某動物園です。動物園自体の知名度はそこまで高くはありませんし、飼育している動物の数も少なかったのですが、部署の上司が非常にワンマンな方でした。
よく覚えているのが、公休日のことで揉めたことです。お盆やお正月などの長期休業でも、飼育員には仕事があります。休業日にはその上司は出勤せず、飼育員のみが勤務していました。
若い飼育員が多く、世間は長期休暇、もちろん皆プライベートに予定があるため、個々にシフト希望がありました。ですが、その上司はシフト希望など一切聞かずにシフト表を勝手に作ってしまいました。しかも、1日出勤1日公休というどこにも出掛けられないシフトを作り上げました。
もちろん飼育員たちが反論を唱えました…が、「このシフトが気に入らないならもう長期休業中は自分1人で勤務するため、出勤しなくてもいい」などと非現実的なことを言い始めたのです…。
私も他の飼育員も揉めても無駄だと思い諦めて出勤することになりました。ですが、その1年後、飼育員のメンバーも変わり、また同じようなことで揉めましたが…また同じように上司が怒り終わりました。ちなみに、その上司は休業中1日も園内には現れませんでした。
更に私が辞めるキッカケになった出来事があります。
その上司の公休日に、飼育していた動物が亡くなりました。病気になってしまい、何日も何日も飼育員が交代で看病を続けていた中でした。その日の朝から体調が更に悪化、昼頃に亡くなりました。
出勤していた飼育員たち皆が悲しみに暮れ、どうにか事務所の方に伝え、それでも仕事に戻り、作業を続け、やっと夕方。亡骸を皆で囲み泣きながら皆でお別れをしました。
事務所へ戻ると、上司の上司が怒った様子でこちらを見て帰って行きました。その日の夜、帰宅後に上司から電話がかかってきました。
「(上司の)上司さんが非常に怒っている。あと明日は朝5時に出勤するように。」
意味がわかりませんでした。上司の上司(以下上司さん)を怒らせた理由など、全然思い当たりませんでした。翌朝、出勤すると飼育員たちが飼育舎のまわりの草取りをしていました。亡くなった動物が病気になった原因が草むらの中にあるかもしれないと上司が指示をして、草取りを行なうことになったそうです…。
正直、何を言っているのかと思いつつ、指示に従い草取りを開始すると、そこに上司さんが現れました。そして一言。
「君たちに何かすることはもうない。もう、今後一切こちらからは関わらない。」
と言って、去って行きました。困惑する飼育員たちをみて、上司が言いました。
「何故、動物が亡くなったとき上司さんを呼ばなかった?上司さんを呼ぶべきだった。私ももう君たちには必要最低限のみしか関与しない。」
上司もどこかへ行きました。何を言ってるのか全くわかりませんでした。毎日、毎日、上司たちよりも動物たちと接し、お世話をしてきました。連日、公休日も看病をしてそれでも亡くなってしまったあの子のために泣いていた飼育員たちがその場でただ立ち尽くしていました…。
動物が亡くなった後、私が上司や上司さんと話すことは一切なくなりました。業務連絡ですら、メモ等で行い、どうしても急用の場合は会話をしましたが、目を合わせた覚えがありません。
その他にも、飼育員の業務ではないことで何時間もの残業や早出がたくさんある職場でした。正直、それに見合うようなお給料は貰えていませんでしたし、上司の酷さに嫌気が刺し、辞めてしましました。
今でも、上司の車のナンバーと同じナンバーの車を見ると寒気がします。動物は大好きですが、もう二度と飼育員はやりたくないです。
みんブラ事務局の所見:怒った管理職は2人ともその場にいなかった。「今後一切関わらない」は職務の放棄を人質にした報復である。
動物が亡くなった日に、何が起きたか
この体験談を「上司が理不尽だった話」として読むと、大事な部分を見落とします。
順に確認します。
【公休日のシフト問題】
- お盆や正月などの長期休業でも飼育員には仕事がある。休業日に上司は出勤せず、飼育員のみが勤務していた
- 若い飼育員が多く、世間は長期休暇なので個々にシフト希望があった
- 上司は希望を一切聞かずにシフト表を勝手に作成。しかも1日出勤1日公休というどこにも出掛けられないシフトだった
- 反論すると「このシフトが気に入らないならもう長期休業中は自分1人で勤務するため、出勤しなくてもいい」と非現実的なことを言い始めた
- 結局揉めても無駄だと諦めて出勤。1年後も同じことが起き、また上司が怒って終わった
- その上司は休業中1日も園内に現れなかった
【動物が亡くなった日】
- 飼育していた動物が病気になり、何日も飼育員が交代で看病を続けていた
- 上司の公休日、朝から体調が悪化し昼頃に亡くなった
- 飼育員たちは事務所に伝え、それでも仕事に戻り作業を続け、夕方に亡骸を囲んで泣きながらお別れをした
- 事務所に戻ると上司の上司が怒った様子でこちらを見て帰って行った
- その夜、上司から電話。「上司さんが非常に怒っている。あと明日は朝5時に出勤するように」
- 翌朝出勤すると飼育舎まわりの草取りが始まっていた。亡くなった原因が草むらにあるかもしれないという上司の指示だった
- そこに上司の上司が現れ「君たちに何かすることはもうない。もう、今後一切こちらからは関わらない」と言って去った
- 上司も「何故、動物が亡くなったとき上司さんを呼ばなかった?私ももう君たちには必要最低限のみしか関与しない」と言ってどこかへ行った
- 以降業務連絡すらメモで行われ、会話は急用のときだけになった
法律から見ると
この事例は賃金や労働時間より、無視と休日の扱いが中心になります。
| 体験談で実際に行われていたこと | 抵触する条文 | 何が問題なのか |
|---|---|---|
| 動物が亡くなった件を境に、業務連絡をメモのみとし、会話をしなくなった。 | 労働施策総合推進法 30条の2 |
隔離・仲間外し・無視はパワハラ指針が明示する「人間関係からの切り離し」の典型例。管理職が意図的に行えば、職場全体に同じ扱いが広がる点で悪質性が高い。 |
| 「今後一切こちらからは関わらない」と管理職が宣言した。 | 労働契約法5条 労働施策総合推進法 30条の2 |
使用者は職場環境を適切に保つ義務を負う。管理職が関与を絶てば、業務上必要な指示・相談・安全確認が行われなくなり、安全配慮義務の履行が不可能になる。 |
| シフト希望を一切聞かず、1日出勤1日公休のシフトを一方的に作成した。 | 労働基準法89条1号 32条の2 |
始業終業時刻・休日・交替制の場合の就業時転換に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項。変形労働時間制をとる場合はあらかじめ各日の労働時間を特定する必要がある。 |
| 「気に入らないなら出勤しなくてもいい」と述べた。 | 労働基準法26条 | 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、平均賃金の60%以上の休業手当を支払わなければならない。就労させないなら賃金の問題が生じるのであり、無条件に休ませられるわけではない。 |
| 前夜の電話で、翌朝5時の出勤を突然命じた。 | 労働基準法32条 37条 労働時間等設定改善法2条 |
始業時刻の繰上げは所定労働時間の範囲を超えれば時間外労働となり、割増賃金が必要。勤務間インターバルの確保は事業主の努力義務とされている。 |
| 長期休業中、管理職が一度も出勤せず現場に任せきりだった。 | 労働安全衛生法10条 労働契約法5条 |
事業者には労働災害を防止するための管理体制を整える義務がある。大型動物を扱う現場で管理職が不在の状態は、緊急時の指揮系統を欠くことになる。 |
| 動物の死因を、根拠なく飼育員の管理不足として草取りを命じた。 | 労働施策総合推進法 30条の2 |
業務上明らかに不要なことを強制する行為は「過大な要求」。原因究明を装った懲罰的な業務は指導としての合理性を欠く。 |
※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。
この職場を糾弾する
この件で最も重要な事実を先に指摘します。
怒った2人の管理職は、どちらもその場にいませんでした。
上司は公休日でした。上司の上司は事務所にいました。
現場にいたのは飼育員だけです。
そして飼育員たちがその日にしたことは、こうです。
- 朝から悪化する体調を看ていた
- 昼に亡くなった
- どうにか事務所に伝えた
- それでも仕事に戻り、作業を続けた
- 夕方にようやく、亡骸を囲んでお別れをした
連絡もしています。業務も止めていません。
それなのに「なぜ上司さんを呼ばなかった」と責められた。
ここで問われているのは動物の命ではありません。
自分が呼ばれなかったことです。
この2人が怒った理由は「立ち会えなかった」ことへの不満でした。
そして、その報復として選ばれたのが関与の断絶です。
「君たちに何かすることはもうない。今後一切こちらからは関わらない」。
これは管理職が自分の職務を放棄する宣言です。
管理職の仕事は指示すること、相談を受けること、判断することです。
それを「やめる」と宣言することで部下を罰した。
つまりこの2人は自分の職務を、人質にしたのです。
そして、この職場は動物園です。
飼育の現場では予測できない事態が起こります。動物の急変、脱走、来園者との接触事故。
そのときに判断できる立場の人間が「関わらない」と宣言している。
これは飼育員の安全にも、動物の管理にも、来園者の安全にも直接関わる問題です。
次に、草取りについてです。
翌朝5時に呼び出して命じられたのが飼育舎まわりの草取りでした。
理由は「亡くなった動物が病気になった原因が草むらの中にあるかもしれない」。
本気で原因を究明するなら、獣医による病理解剖が最初にやるべきことです。
草を抜いても、死因はわかりません。
つまりこの草取りは原因究明ではありません。
何日も看病して、前日に泣いてお別れをした人たちに、翌朝5時から「お前たちの管理が悪かった」と示すための作業でした。
最後に、シフトの件です。
「1日出勤1日公休」というシフトは、形式的には休日を確保しています。
ですが投稿者が書くとおり「どこにも出掛けられない」。
長期休業は帰省や旅行の時期です。1日置きに出勤があれば、まとまった時間は取れません。
そして、このシフトを組んだ上司は休業中1日も園内に現れなかった。
自分は完全に休み、部下には1日置きの出勤を割り当て、希望は聞かない。
反論されると「なら自分1人でやるから出勤しなくていい」と言う。
実行する気はありません。1日も現れなかったのですから。
これは議論を打ち切るための言葉です。
こういう職場は、早めに離れたほうがいい
判定は「早めに辞めるべき」としました。賃金不払いや暴力が中心の事例ではないためです。ですがこの職場に改善の見込みは薄いと考えます。
- 1. 同じことが「1年後にも」起きている
シフトの件はメンバーが変わった1年後にも同じように起き、同じように終わりました。人が入れ替わっても再現されるなら、それは個人の相性ではなくその上司の行動様式です。待っても変わりません。 - 2. 無視は、業務の安全に直結する
業務連絡がメモだけになった状態は、この業種では特に危険です。動物の体調変化、設備の不具合、来園者とのトラブル。即座に判断が必要な場面で、相談できる相手がいない。事故が起きたとき、責任を問われるのは現場にいた人です。 - 3. 好きな仕事だからこそ、限界まで我慢してしまう
飼育員は強い志望動機を持って就く仕事です。だからこそ「動物のために」と耐えてしまいます。ですが飼育員が壊れれば、動物の世話をする人がいなくなります。自分を守ることは、動物を裏切ることではありません。飼育経験は他の園や施設でも通用します。
もし今、同じ状況にいるなら
- 1. 無視は、記録すれば証拠になる
「いつから、誰が、どのように関与しなくなったか」を記録してください。メモだけで渡された業務連絡はそれ自体が物証です。写真を撮って日付とともに保存を。「今後一切関わらない」のような発言は一字一句そのまま残す価値があります。 - 2. シフトは、就業規則を確認するところから
始業終業時刻・休日・交替制の就業時転換は就業規則の必要記載事項です。就業規則は労働者への周知義務があります(労基法106条)。規則と実際の運用がずれているなら、それが交渉の出発点になります。前夜に翌朝5時の出勤を命じるのも同じ問題です。 - 3. 一人で抱えず、外部の窓口へ
この職場では、上に相談する経路が断たれています。その場合は最初から外部を使ってください。相談先は各都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料・予約不要・匿名可)。労働時間や休日の問題は労働基準監督署。公立の園なら、自治体の人事担当課や監査委員という経路もあります。
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