資格を持つ社員を使いまわし。恒常的な無休・連続勤務でヘロヘロに…。警備会社は労働基準法違反の常連だった。

昔働いていた警備会社での体験です。
リーマンショックや東日本大震災などが重なったこともあり、なかなか就職口がない中、格闘技の経験があったため応募した結果採用。
入社後、しばらくして「資格を取らないか」といわれ受験。見事合格しましたが、この資格ある警備員を必ず派遣しなければならない現場(法律や行政からの命令です)に何十日も休みなく派遣される毎日でした。
おまけに昼夜や夜昼の連投で最大36時間勤務(中にはそれ以上させられている人も)もあり、真夏にそれを強要されて気持ち悪くなりトイレに駆け込むこともありました。
そんな日々が続いたのち、とある病院の夜間の警備兼急患受付の現場で欠員が出ることになり、パソコン関係の資格をを持っていて若年であった私に白羽の矢が立ちました。
その研修の時も他の現場からの連投もさせられヘロヘロになり、そのくせ幹部は「その病院は大口の契約先だからヘマをするなよ」と言いたいことだけ言ってきました。
研修を終えしばらくしてなんとか慣れてきた矢先、今度はさらにその現場で欠員が出ることになり、強引に夜勤を週5日下手をすると6日連投とかをさせられるようになりました。
しかも、その現場に出られる他の警備員の休暇希望は受けるくせに、私が「出られません」と言った日のは強引にねじ込んできました。
腹に据えかねたので、小さい会社なので上級の幹部に抗議したところ全くもってなおざりな対応をされました。
挙げ句の果てにはその現場に出ていた警備員がその病院の職員に暴力を振るい謹慎となり、私は親族の法事があった日にまで無理矢理出勤させられました。
辞めることを考えていた矢先、病院の仕事が他の会社に医療事務の派遣の形で取られることになったため移籍する形で退職しました。その際も退職前有給を却下したり、雇用保険がちゃんと手続きをされていないことが判明したりと散々な目にあいました。
手続きで労基に行った際も、対応した職員の方がその警備会社は不備や違反の常習犯であるようなことを言ってました。
みんブラ事務局の所見:資格者の配置義務は安全のためにある。それを1人に36時間立たせて満たすのは、制度の目的に反している。
資格者の不足を、一人の連続勤務で埋めていた
この体験談にははっきりした構造があります。
投稿者の記述を引きます。
「入社後、しばらくして『資格を取らないか』といわれ受験。見事合格しましたが、この資格ある警備員を必ず派遣しなければならない現場(法律や行政からの命令です)に何十日も休みなく派遣される毎日でした」。
ここで起きていることを整理します。
警備業には特定の業務について、検定に合格した警備員を配置しなければならないというルールがあります。
都道府県公安委員会が指定した交通誘導警備業務や雑踏警備業務の場所では、有資格者の専任配置が求められます。
つまり資格者がいなければ、その現場の契約は取れません。
本来なら会社は資格者を増やすべきです。
ところがこの会社は1人の資格者を、休みなく回したのです。
事実を確認します。
- 格闘技経験があり採用。入社後に資格取得を勧められ合格した
- 資格者の配置が義務づけられた現場に何十日も休みなく派遣された
- 昼夜や夜昼の連投で最大36時間勤務。それ以上させられている人もいた
- 真夏にそれを強要されて気持ち悪くなりトイレに駆け込むこともあった
- 病院の夜間警備兼急患受付の現場に白羽の矢が立ち、研修中も他の現場からの連投でヘロヘロになった
- 幹部は「その病院は大口の契約先だからヘマをするなよ」と言うだけだった
- さらに欠員が出て夜勤を週5日、下手をすると6日連投させられた
- 他の警備員の休暇希望は受けるのに、投稿者が「出られません」と言った日は強引にねじ込まれた
- 上級の幹部に抗議したがなおざりな対応だった
- 親族の法事があった日にまで無理矢理出勤させられた
- 退職時も退職前有給を却下され、雇用保険の手続きがされていないことが判明した
- 労基署の職員はその警備会社が不備や違反の常習犯であるようなことを言っていた
法律から見ると
警備業には労働基準法に加えて警備業法が関わります。
| 体験談で実際に行われていたこと | 抵触する条文 | 何が問題なのか |
|---|---|---|
| 昼夜・夜昼の連投で、最大36時間の連続勤務をさせていた。 | 労働基準法32条 37条4項 労働時間等設定改善法2条 |
1日8時間・週40時間が原則。36時間連続勤務は1日あたり28時間の時間外労働にあたる。勤務間インターバルの確保は事業主の努力義務とされている。 |
| 何十日も休みなく勤務させていた。 | 労働基準法35条 119条 |
毎週少なくとも1回、または4週を通じ4日以上の休日が必要。数十日の連続勤務は明白な違法で、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金。 |
| 資格者の配置義務を、1人の労働者の連続勤務で満たしていた。 | 警備業法 労働契約法5条 |
検定合格警備員の配置が求められる業務がある。体制の不足を個人の連続勤務で補う運営は安全配慮義務に反し、警備業務の適正な実施も損なう。 |
| 真夏の長時間勤務で、労働者が体調不良を起こしていた。 | 労働安全衛生法22条 労働安全衛生規則 (熱中症対策) |
事業者には熱中症等の健康障害を防止するための措置が義務づけられている。熱中症のおそれがある作業について、報告体制と対応手順の整備が求められる。 |
| 他の警備員の休暇希望は認め、特定の者の申出だけ認めなかった。 | 労働基準法39条5項 労働契約法3条4項 |
有給は労働者が請求する時季に与えるのが原則。時季変更権は事業の正常な運営を妨げる場合に限られ、特定の者にだけ行使する運用は公正さを欠く。 |
| 親族の法事の日にも出勤を強いた。 | 労働基準法39条 労働施策総合推進法 30条の2 |
有給の取得に理由は不要であり、私生活上の重要な予定を一方的に否定する扱いは「個の侵害」にあたり得る。 |
| 退職前の有給消化を却下した。 | 労働基準法39条5項 | 退職日が確定した後の有給消化に対して時季変更権は行使できない。変更させる先の労働日が存在しないためである。 |
| 雇用保険の資格取得手続きが行われていなかった。 | 雇用保険法7条 14条2項 |
週の所定労働時間20時間以上・31日以上の雇用見込みがあれば加入は事業主の義務。未加入期間は原則2年さかのぼって資格取得の確認を受けられる。 |
※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。
この会社を糾弾する
この記事で最も重要な数字はこれです。
36時間連続勤務。
そして「中にはそれ以上させられている人も」と書かれています。
36時間という長さを確認してください。
朝8時に出勤したとすれば、翌日の夜8時までです。
夜を1回またいで、さらに丸1日働くことになります。
そして、この方の業務は警備でした。
異常を発見し、判断し、対応する仕事です。
投稿者自身が別の記事で書かれているような「一瞬のタイミングが命取りになる」場面がある仕事です。
36時間起きている人間に、その判断ができるでしょうか。
ここに、この構造の本当の危険があります。
資格者を配置する義務は、安全のためにあります。
交通誘導や雑踏警備で事故が起きないようにするために、訓練を受けた人を置くよう定められているのです。
ところがこの会社はその義務を、1人の人間を36時間立たせることで満たそうとした。
形式上は資格者がいます。
ですがその資格者は限界を超えて疲弊している。
制度の目的は、達成されていません。
次に、休暇希望の扱いです。
「その現場に出られる他の警備員の休暇希望は受けるくせに、私が『出られません』と言った日のは強引にねじ込んできました」。
ここに差別的な取扱いがあります。
同じ現場に出られる警備員が他にもいたのです。
つまり代替要員は存在した。
それなのにこの方の希望だけが通らなかった。
そして極めつけがこれです。
「私は親族の法事があった日にまで無理矢理出勤させられました」。
法事です。
日程は本人が決められるものではありません。
そしてやり直しもできません。
しかも、その直前に別の警備員が病院職員に暴力を振るって謹慎していました。
つまり他人の起こした問題のしわ寄せが、この方の法事に来たのです。
投稿者は上級の幹部に抗議しています。
返ってきたのは「全くもってなおざりな対応」でした。
会社は知っていたのです。
そして最後、労基署の職員の言葉です。
「対応した職員の方がその警備会社は不備や違反の常習犯であるようなことを言ってました」。
この一文が示すのは重い事実です。
行政も把握していたのです。
それでも会社は続いていました。
ここから読み取るべきことは一つです。
行政が把握していることと、状況が改善することは別だということ。
申告する人がいなければ、個別の事案としては動きません。
逆に言えば申告があれば動くということでもあります。
この方は退職の手続きで労基署に行ったと書いています。
そこで初めて「常習犯」という言葉を聞きました。
在職中に相談していれば、36時間勤務も、数十日の連続勤務も、調査の対象になり得たのです。
労基署は、在職中でも相談を受け付けます。
匿名での申告も可能です。
この会社は、今すぐ辞めていい
投稿者は病院の仕事が他社に移る際に移籍する形で退職しました。3点補足します。
- 1. 資格は、この会社のものではない
取得した資格は、あなたのものです。他の警備会社でも通用します。資格者は不足しているため、むしろ選べる立場です。「資格を取らせてもらった恩」を理由に拘束されることはありません。 - 2. 退職前の有給は、却下できない
退職日が決まった後の有給消化に対して、会社は時季変更権を使えません。変更させる先の労働日が存在しないからです。却下された記録があれば、後から未消化分の請求も検討できます。 - 3. 雇用保険は、2年さかのぼれる
未加入期間は原則2年さかのぼって資格取得の確認を受けられます。窓口はハローワークで、本人から申し出ることができます。給与明細やシフト表など勤務実績を示す資料を持って相談してください。
もし今、同じ状況にいるなら
- 1. 連続勤務は、シフト表で証明できる
シフト表・勤務報告書・現場の入退場記録を撮影して保存してください。「何十日連続」「36時間連続」は記録があれば一目でわかる違反です。労基署が最も動きやすい類型でもあります。 - 2. 抗議した記録を、書面で残す
幹部に抗議してなおざりにされたなら、その事実こそ記録すべきです。メールや書面で申し出ると、「相談したのに措置が取られなかった」という証拠が残ります。会社の措置義務違反を示す資料になります。 - 3. 窓口は、内容ごとに分かれている
連続勤務・休日・有給・労働時間は労働基準監督署(匿名申告も可)。雇用保険の未加入はハローワーク。警備業法上の問題は各都道府県公安委員会(警察本部の生活安全部門)に申告できます。
この体験談に近いケース
この体験談に近いケースとして、あわせて読まれている記事です。
- 警備員の正社員は楽?とんでもない。訳あり同僚や底辺の労働環境。
- 運送業界の闇。事故っても社員より荷物の無事が重要。きつい長時間労働で使い捨て。
- コンビニオーナー・店長とフランチャイズの悲惨な現状。実体験談で完全解説。
- 1年中求人を出している会社は要注意。人が定着しない理由が必ずある。
この記事を読んで「うちの会社も同じだ」と感じた方は、ページ上部のブラック度から5段階で投票してください。投稿された体験談とあわせて、職場の実態を可視化していきます。





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