時給換算700円未満で暴れる客の相手まで…店が間に立たないバーの13時間

私が勤めていたバーの話ですが、夜の7時ごろから出勤して、翌朝8時まで働き通し、一切休憩なしで日給1万ありませんでした。
客層も最悪で、深夜を回ると水商売の女性が客の酔っ払いのオヤジを連れてアフターにきます。彼女たちは客の金で酒を飲んでいるくせに、アフターの自分の仕事を軽減するために店員の自分たちにオヤジの相手を任せ、しかも酔っ払って、女性を横に座らせて気を大きく見せたいのか、酔っ払い客はもう調子に乗りまくりです。
たまに喧嘩をふっかけてきたり、店で暴れる輩もいて最悪でした。
もっと最悪なのがこの水商売の女性たちで、こちらに八つ当たりしてくるんですよ。姑にイビられる嫁の気持ちが分かります。グラスの置き方が悪いだの、乾杯が下手だの、灰皿を下げるのが遅いだの、料理に文句をつけてきたり、ノリが悪いから違う店員と変われだの。
こっちはボーイズバーじゃないですから!普通のバーでボーイズバーみたいな事を求めるなと本当に思いました。それを求めるなら別途で金をくれと。
こっちは12時間以上働いて1万にも行かない賃金でそんな働きを求められて最悪の職場でしたね。12時間立ちっぱなしで休憩はもちろんありません。飲食はこういうブラックがまかり通ってるんだなと社会の側面を垣間見ました。
みんブラ事務局の所見:客からの著しい迷惑行為への対策は、令和8年10月から事業主の措置義務になる。
客からの著しい迷惑行為への対策は、事業主の義務になる
この体験談でいま最も重要な変化から取り上げます。
投稿者はこう書いています。
「たまに喧嘩をふっかけてきたり、店で暴れる輩もいて最悪でした」。
そしてこうも書いています。
「グラスの置き方が悪いだの、乾杯が下手だの、灰皿を下げるのが遅いだの」。
これらはカスタマーハラスメントと呼ばれるものです。
従来これは接客業なら仕方ないと扱われてきました。
その扱いが変わります。
令和7年6月に公布された労働施策総合推進法の改正により、
顧客等からの著しい迷惑行為への対策が事業主の措置義務とされました。
施行は令和8年10月1日です。
事業主に求められるのは次のようなことです。
- 方針を明確化し周知・啓発する
- 相談に応じる体制を整備する
- 被害を受けた労働者への配慮の措置を行う
つまり店側が客との間に立つことが求められるようになります。
従業員が一人で耐えるものではなくなる、ということです。
そのうえで、全体を確認します。
- 夜7時ごろ出勤、翌朝8時までの勤務だった
- 一切休憩なしだった
- 日給は1万円に届かなかった
- 12時間以上立ちっぱなしだった
- 深夜に酔客が来店した
- 喧嘩をふっかける客、店で暴れる客がいた
- 同伴の客から接客への細かい文句や八つ当たりを受けた
- 「ノリが悪いから違う店員と変われ」とも言われた
法律から見ると
休憩と深夜割増が中心の論点です。
| 体験談で実際に行われていたこと | 抵触する条文 | 何が問題なのか |
|---|---|---|
| 13時間の勤務で休憩を一切与えていなかった。 | 労働基準法34条 | 8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を労働時間の途中に与える義務。違反は6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金。 |
| 午後10時から午前5時を含む勤務で、深夜割増の扱いが不明である。 | 労働基準法37条4項 | 深夜業には25%以上の割増賃金が必要。19時から翌8時なら深夜帯だけで7時間あり、日給に含まれているとする場合は区分の明示が要る。 |
| 13時間労働で日給が1万円に満たなかった。 | 最低賃金法4条 労働基準法37条 |
最低賃金額に達しない定めは無効となり最低賃金額で計算し直される。時間外・深夜の割増は最低賃金の算入対象外である。 |
| 客が店内で暴れる状況が繰り返されていた。 | 労働契約法5条 労働施策総合推進法 (令和8年10月施行) |
安全配慮義務。顧客等からの著しい迷惑行為への相談体制整備等が事業主の措置義務となる。 |
| 業務の範囲を超える接客を客から要求されていた。 | 労働契約法6条 労働施策総合推進法 30条の2 |
労働契約の内容を超える業務を求められた場合、事業主が明確に線を引くべき。放置は就業環境を害するものと評価され得る。 |
| 12時間以上の立位作業が継続していた。 | 労働安全衛生規則615条 職場における腰痛予防対策指針 |
事業者は労働者が就業中に適宜利用できる休憩の設備を設けるよう努める。長時間の立位は下肢静脈と腰部への負荷が大きい。 |
| 深夜業を含む勤務が常態化していた。 | 労働安全衛生規則45条 | 深夜業を含む業務に常時従事する労働者には6か月以内ごとに1回の健康診断が必要。特定業務従事者の健康診断にあたる。 |
| 酒類提供の場における労働者の安全確保の措置が確認できない。 | 労働安全衛生法3条 刑法208条 |
事業者は労働者の安全と健康を確保する責務を負う。客による暴行は犯罪であり、警察への通報を含む対応方針を定めるべきである。 |
※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。
この店を糾弾する
この記事の要点を順に述べます。
まず数字からです。
19時から翌8時。
13時間です。
休憩はゼロ。
日給は1万円未満。
仮に9,000円とすれば、
13時間で割ると時間あたり約692円です。
ここで止まってください。
この計算にはまだ足りないものがあります。
深夜割増です。
22時から翌5時は深夜時間帯です。
つまり7時間が深夜業にあたります。
そして8時間を超える分は時間外です。
これらを正しく計算すれば、
本来の賃金は日給1万円では到底足りません。
次に休憩です。
労働基準法34条はこう定めています。
労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
13時間ですから1時間以上が必要です。
そして「途中に」です。
終わってからではありません。
投稿者は「一切休憩なし」と書いています。
明確な違反です。
そして12時間立ちっぱなしという記述です。
これは身体への負荷の問題です。
長時間の立位は下肢のむくみ、静脈の負担、腰部への負荷を生みます。
労働安全衛生規則615条は事業者は、労働者が就業中にしばしば座ることのできる機会のあるときは、これに従事する労働者が利用することのできるいすを備えなければならないとしています。
そしてこの記事の核心に入ります。
客からの扱いです。
投稿者の記述を整理します。
- 喧嘩をふっかける
- 店で暴れる
- 接客の細部に文句をつける
- 「ノリが悪いから違う店員と変われ」
ここで重要なのは店が何をしたかです。
投稿者の文章には店側の対応が一切出てきません。
つまり従業員が一人で受け止めていたのです。
ここをはっきり申し上げます。
これは店の責任です。
客を入れると決めたのは店です。
営業時間を決めたのも店です。
そして暴れる客への対応方針を決めるのも店です。
従業員は店の看板を背負って立っているだけです。
さらに投稿者の指摘が鋭い。
「こっちはボーイズバーじゃないですから」。
これは業務の範囲の話です。
この方が雇われたのはバーの仕事です。
酔客の相手をすることは契約の内容ではありません。
そしてこう続けます。
「それを求めるなら別途で金をくれと」。
これは筋の通った主張です。
業務の範囲が広がるなら、
対価も変わるべきです。
そして「別途で金をくれ」という一言をもう少し掘り下げます。
これは感情的な文句に見えます。
ですが制度的にも筋が通っています。
労働契約は労働の内容と対価で成り立っています。
内容が広がるなら対価も見直すのが当然です。
そして広げるかどうかを決めるのは客ではありません。
店です。
店が「そこまではやらせません」と言えば済む話です。
それを言わないことで、
客の要求が青天井になるのです。
そして従業員が個別に断ることになります。
ですが客に直接断ればトラブルです。
逃げ場がありません。
これが店が方針を示さないことの代償です。
最後に飲食業全体について述べます。
投稿者はこう締めくくっています。
「飲食はこういうブラックがまかり通ってるんだなと社会の側面を垣間見ました」。
ここは一点だけ補います。
飲食だから仕方ないのではありません。
労働基準法は業種で休憩の規定を変えていません。
飲食業は労働基準法別表第一4号の事業ですが、
41条の適用除外には入っていません。
つまり32条も34条も35条もすべて適用されます。
まかり通っているのは法律が緩いからではなく、
誰も申告しないからです。
そして申告しない理由は知らないからでしょう。
そして日給制という仕組みにも触れておきます。
日給制そのものは違法ではありません。
ですが日給に何が含まれているかが重要です。
時間外や深夜の割増をあらかじめ含めて支払うことは可能です。
ただし条件があります。
- 通常の労働時間の賃金にあたる部分と割増賃金にあたる部分が明確に区分できること
- 割増部分が法定の計算による額を下回らないこと
この二つが満たされなければ含まれているとは言えません。
投稿者の職場では「日給1万円」としか説明されていません。
つまり区分がないのです。
この場合日給の全額が通常の賃金と扱われ、
割増はその上に別途発生することになります。
つまり「日給に入っている」という説明は成り立ちません。
そして13時間分の時間外と深夜の割増を計算すれば、
相当な額の差が出ます。
これは請求できるお金です。
そして店で暴れた客への対応についても一言。
店内での暴行や器物損壊は犯罪です。
従業員が我慢して収めるものではありません。
店には警察に通報するという選択肢があります。
そしてその判断基準をあらかじめ決めておくことが本来の備えです。
令和8年10月からはそれが措置義務になります。
通報は客を敵に回す行為ではありません。
他の客を守る行為でもあります。
こういう店は、今すぐ辞めていい
3つの理由を述べます。
- 1. 休憩なし13時間は、続ければ身体が壊れる
座ることも食べることもできないまま13時間です。そして深夜帯です。睡眠のリズムが崩れた状態で立ち続けることの負荷は想像以上です。 - 2. 客との間に立たない店では、次も守られない
暴れる客が出たのに対応方針が見えません。令和8年10月からカスタマーハラスメント対策は事業主の義務になりますが、いま守られていないのが現実です。 - 3. 時給換算700円未満は、法律上ありえない水準
最低賃金法4条により下回る定めは無効です。そして深夜と時間外の割増を加えれば差額はさらに大きくなります。請求できる金額です。
もし今、同じ状況にいるなら
- 1. 出勤と退勤の時刻を、毎日記録する
日給制であっても働いた時間の記録が必要です。店の施錠時刻、交通系ICの利用履歴、スマートフォンの位置情報も資料になります。時効は当面3年です。 - 2. 客からの被害は、その場で記録する
日時、内容、対応した人を書き留めてください。暴行や器物損壊があれば警察へ。令和8年10月からは相談体制の整備が事業主の義務となりますから、記録はそのまま根拠になります。 - 3. 深夜割増は、日給に含まれていないことが多い
「日給1万円」という契約でも、深夜割増がその中に含まれているかは別の話です。含めるなら基本部分と割増部分を区分して明示する必要があります。相談先は労働基準監督署(匿名申告も可)です。
この体験談に近いケース
この体験談に近いケースとして、あわせて読まれている記事です。
- 麻雀荘で時給700円。最低賃金を下回る賃金は法律上無効です。
- 1日15時間労働&休みなし。休憩が取れない飲食店の実態。
- 接客業のストレス。客からの理不尽に一人で耐える構造。
- 飲食店はやめておけ。1日18時間労働+休みは週1という勤務体系。
この記事を読んで「うちの会社も同じだ」と感じた方は、ページ上部のブラック度から5段階で投票してください。投稿された体験談とあわせて、職場の実態を可視化していきます。





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