独身の有給休暇と定時退社を悪と考える時代遅れの無能上司。馬鹿なのかな?

私の上司は、独身の「有休」と「定時退社」を悪と考えています。
まず「有休」についてですが、私事での有休はもちろん認められません。有休を使ってもよいのは、子供を持つ主婦スタッフだけです。それも、子供の事情に関してのみ。
私のような独身は、体調不良ですら有休はもらえません。やむを得ず休みをもらう際は、公休の日に代わりに出勤を強要されます。休むことで仕事に遅れが生じているならまだしも、支障がなかった場合でも、有休は認められません。入社して5年、今まで一度も有休をもらったことがありません。消化する予定もありません。
次に「定時退社」についてですが、定時で退社することを快く思わない上司は、定時に退社している他部署の人のことまでチクチク文句を言います。他部署の上司に直接文句を言って、犬猿の仲となってしまったこともあります。
私としては、時間内に自分の業務を終えられることこそ意味があることだと思うのですが、上司は遅くまで残って仕事をしている自分が好きなようです。ただ上司は、その分多くの仕事をしているわけではありません。
日中はお菓子を食べたり、お喋りに余念がなく無駄に時間を過ごし、定時間際にスイッチが入って仕事を始めるのです。仕事を終え、定時で退社しようとする私が「お疲れ様です、お先に失礼します」と声をかけても、目も合わせず無視されることもしばしばです。
そんな上司に対して理不尽さを感じ、ブラックだと思ってしまいます。
みんブラ事務局の所見:入社5年で有給ゼロは労働基準法39条違反。年5日を取らせないことは、いまや会社の罰則リスクだ。
この職場の何がブラックだったのか
この体験談は短いながら、争点が極めて明確です。有給休暇と定時退社——いずれも労働者の当然の権利が、上司個人の価値観によって否定されています。
まず有給について。
「私事での有休はもちろん認められません。有休を使ってもよいのは、子供を持つ主婦スタッフだけです。それも、子供の事情に関してのみ」。
そして——「私のような独身は、体調不良ですら有休はもらえません」。
やむを得ず休む場合はどうなるか。「公休の日に代わりに出勤を強要されます」。——休んだ分は、別の休日を潰して埋める。
そして「休むことで仕事に遅れが生じているならまだしも、支障がなかった場合でも、有休は認められません」。
結果——「入社して5年、今まで一度も有休をもらったことがありません。消化する予定もありません」。
次に定時退社について。
この上司は定時退社を快く思わず、「定時に退社している他部署の人のことまでチクチク文句を言います。他部署の上司に直接文句を言って、犬猿の仲となってしまったこともあります」。
そして投稿者の観察が鋭い。「私としては、時間内に自分の業務を終えられることこそ意味があることだと思うのですが、上司は遅くまで残って仕事をしている自分が好きなようです。ただ上司は、その分多くの仕事をしているわけではありません」。
実態はこうです。「日中はお菓子を食べたり、お喋りに余念がなく無駄に時間を過ごし、定時間際にスイッチが入って仕事を始めるのです」。
そして「仕事を終え、定時で退社しようとする私が『お疲れ様です、お先に失礼します』と声をかけても、目も合わせず無視されることもしばしばです」。
法律から見ると、これは何にあたるのか
この職場で行われていたことを条文と突き合わせます。有給に関する違反は、極めて明白です。
| 体験談で実際に行われていたこと | 抵触する条文 | 何が問題なのか |
|---|---|---|
| 入社5年間、一度も有給休暇を取得できていない。 | 労働基準法39条 労働基準法39条7項 |
年次有給休暇は6か月継続勤務し8割以上出勤すれば当然に発生する権利。2019年4月からは年10日以上付与される労働者に年5日を取得させることが使用者の義務で、違反には労働者1人につき30万円以下の罰金。 |
| 有給の取得を、独身か子育て中かで区別していた。 | 労働基準法39条 労働基準法3条 |
有給の取得に理由の説明は不要で、使用者が理由を審査して可否を決めることはできない。属性によって取得の可否を分ける運用に法的根拠はない。 |
| 体調不良での欠勤にも有給を認めなかった。 | 労働基準法39条 労働契約法5条 |
使用者に認められているのは時季変更権のみで、取得そのものを拒否する権利はない。また使用者は労働者の健康に配慮する安全配慮義務を負う。 |
| やむを得ず休んだ場合、公休日の出勤を強要していた。 | 労働基準法35条 労働基準法39条 |
毎週1回または4週4日の休日を与える義務があり、休んだ分を法定休日で相殺すれば休日を与えたことにならない。有給取得を理由とする不利益取扱いにもあたる(附則136条)。 |
| 定時退社しようとする部下を無視していた。 | 労働施策総合推進法 30条の2 |
所定労働時間を終えた労働者に帰宅しない義務はない。挨拶を無視する行為は「人間関係からの切り離し」にあたり得る。 |
| 他部署の定時退社にまで干渉し、他部署の上司に苦情を述べていた。 | 労働施策総合推進法 30条の2 |
業務上の必要性を欠く干渉であり、複数部署の就業環境を害する行為。事業主には防止措置義務がある。 |
※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。
この事例は、労働基準法39条違反として極めて明白です。整理します。
年次有給休暇は、「与えられる」ものではなく「発生する」ものです。
雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤すれば、法律上当然に権利が発生します。会社が認めるかどうかは関係ありません。
付与日数は勤続年数に応じて増えます。6か月で10日、1年6か月で11日、2年6か月で12日、3年6か月で14日、4年6か月で16日、5年6か月で18日、6年6か月以降は毎年20日です。
入社5年なら、累計で60日以上が発生していたことになります。そして有給の時効は2年ですから、その大半はすでに消滅しています。
そして2019年4月からの年5日取得義務。これが決定的です。
年10日以上の有給が付与される労働者について、使用者は年5日を確実に取得させなければなりません(労働基準法39条7項)。これは労働者が請求しなくても、使用者が時季を指定して取得させる義務です。
違反すれば労働者1人につき30万円以下の罰金。「取らせない」ことが、いまや会社の罰則リスクになっているのです。
そしてやむを得ず休んだら公休日に出勤という運用。これは二重に問題があります。
第一に、法定休日が失われます。労働基準法35条は毎週1回または4週4日の休日を求めています。休んだ分を休日で埋めれば、その週の休日がなくなる。
第二に、不利益取扱いにあたります。労働基準法附則136条は、有給を取得した労働者に対する不利益な取扱いをしないよう定めています。休めば別の休日が消えるという運用は、取得を抑制する典型的な手法です。
「遅くまで残る自分が好き」な上司を糾弾する
ここからは、事務局として率直に書きます。
この体験談の最も価値ある部分は、投稿者による上司の観察です。
「日中はお菓子を食べたり、お喋りに余念がなく無駄に時間を過ごし、定時間際にスイッチが入って仕事を始めるのです」。
——残業は、結果ではなく目的だった。
仕事が終わらないから残るのではありません。残るために、仕事を定時後に回している。そして「その分多くの仕事をしているわけではありません」。
この構造が分かると、なぜこの上司が他部署の定時退社にまで文句を言うのかも見えてきます。
定時に帰る人がいると、自分の残業に意味がなくなるからです。
「遅くまで残っている=頑張っている」という等式が成り立つのは、周囲も同じように残っている場合だけです。定時に帰って同じ成果を出す人がいれば、残業していることは単に効率が悪いことの証明になってしまう。
だから他部署にまで干渉する。他部署の上司に直接文句を言って犬猿の仲になるほどに。——これは業務上の必要性がまったく存在しない干渉です。
そして有給の配分について。
「有休を使ってもよいのは、子供を持つ主婦スタッフだけです。それも、子供の事情に関してのみ」。
誤解のないように書きますが、子育て中の人が休みやすい職場は、本来まったく正しいものです。問題はそれが「配慮」ではなく「唯一の例外」になっている点です。
この上司の頭の中では、有給は「やむを得ない事情がある人への救済」であって、「労働者全員の権利」ではないのでしょう。だから「事情」のない独身者は使えない。体調不良ですら「事情」として認められない。
これは法律の完全な誤解です。年次有給休暇に、理由は要りません。子どもの発熱でも、旅行でも、何もしない一日でも、すべて等しく認められます。
そして最後に、挨拶の無視について。
「お疲れ様です、お先に失礼します」と声をかけても、目も合わせず無視される」。
——自分の業務を終えて帰る人に対して、挨拶を返さない。これは、厚生労働省の指針が示す「人間関係からの切り離し」にあたり得ます。
そして、この小さな行為が最も効果的に定時退社を抑制します。怒られるわけではない。ルール違反でもない。ただ、気まずい。その気まずさが、誰にも咎められない形で人を残業させるのです。
なぜ、この職場は今すぐ動くべきなのか
第一に、有給が消え続けているからです。有給の時効は2年です。入社5年で一度も取得していないなら、すでに40日以上が消滅している計算になります。そして今日も、来月も、消え続けます。
第二に、いまは法律が味方だからです。2019年4月から、年5日の取得は使用者の義務になりました。取らせないことが、会社の罰則リスクです。人事や事務部門に相談すれば、会社側にも是正する動機があります。
第三に、体調不良でも休めないからです。これは長期的に見て極めて危険です。無理をして悪化させれば、より長い離脱につながります。そして病院の専門職であれば、患者への感染リスクという別の問題も生じます。
いま同じ状況にいる人が、今日のうちにやるべき3つのこと
- 1. 「休みます」ではなく「有給を取得します」と書面で伝える
年次有給休暇の取得に理由の説明は不要です。「体調不良で休ませてください」だと、症状の程度を上司が判定する余地が生まれます。「◯月◯日、年次有給休暇を取得します」とメールなど記録の残る形で伝えてください。会社にできるのは時季変更権の行使だけで、それも別の日への振替を求める権利にすぎません。拒否されたなら、その返信自体が証拠です。 - 2. 残日数を確認し、消滅している分を把握する
残日数は給与明細に記載されていることが多いのでまず確認してください。記載がなければ、会社に確認を求めてよい情報です。有給の時効は2年——つまりいま請求できるのは直近2年分です。1日でも早く動くことに、直接の金銭的な意味があります。 - 3. 上司で止まるなら、人事へ。それでも駄目なら監督署へ
直属の上司が会社のすべてではありません。2019年4月から年5日の取得は使用者の義務であり、人事や総務はその管理責任を負っています。「入社5年間、有給を一度も取得できていません」と事実を伝えるだけで構いません。それでも改善しない場合は労働基準監督署へ。年5日の取得義務違反には罰則があります。挨拶の無視や他部署への干渉は総合労働相談コーナー(無料・予約不要)が窓口です。
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この記事を読んで「うちの会社も同じだ」と感じた方は、ページ上部のブラック度から5段階で投票してください。投稿された体験談とあわせて、職場の実態を可視化していきます。




