求人詐欺に騙された。募集要項には残業なしって書いてあったのに、実際は残業・休日出勤だらけだった…。

「残業なしで9時から20時まで」と募集要項に書いており、面接でもほとんど残業はないと話していましたが、実際は、残業、休日出勤だらけでした。
サービス業だったので、多少の残業は仕方ないなと思っていましたが、定時の20時に帰ることができたのは入社して始めの2日間だけ。その後は毎日終電での帰宅になりました。よくよく働いてみると、募集要項に書かれていたのは店舗の営業時間でした。
実際は早いときは7時に出社して準備をし、閉店後は終電まで接客、営業の事務作業を行います。タイムカードを押していいのは「9時から20時」の間だけ。開店準備と接客を終えてからの事務作業はタイムカードを切ってから行わなければいけません。学生時代、飲食店でアルバイトをしていましたが、開店準備や閉店後の片づけは勤務時間内に含まれていたので、とても疑問に思いました。
社員だと、どこもこんなものなのかな…と思っていましたが、きちんと残業代をつけてくれる企業ももちろん存在するわけです。終電に間に合わないので、ビジネスホテルに泊まることもしばしば。
強制参加の社員旅行は、海外に連れて行ってくれるのですが「公休」を使って参加しなければいけません。海外なら日にちも延びるので、その月はほとんど公休がなく働きづめになりました。
募集要項・求人票の休日・住宅手当ては虚偽だった。さらに補助が出ると嘘をついて出向させ、後からひっくり返し。

私は以前、とある協同組合に勤めていました。まず募集要項に年間休日125日、住宅手当ありとの記載があったのですが入社してすぐに嘘だとわかりました。
年間休日は最大125日休めるというだけで私の今年の年間休日は89日ですし、住宅手当は出て3000円までで私のアパートは3万円台なので補助する必要がないとのことで補助は一切出ておりません。
先日は休日出勤をした際に専務が私にスーパーのお弁当をくれたのですが、休日出勤の代金はそれでいいだろ?と給料を出してくれませんでした。
また私は今年の10月に出向が決まっているのですが、出向先のアパート代は全額会社で負担するから行ってみないかと言われ承諾したのですが、最近になって、アパートは全額自己負担だからと言われました。
なんでも既婚者の場合は補助を出すが私は独身なため出しても職場が変わるだけでなんらマイナスがないためだそうです。むしろ若いうちに違う職場を経験できるんだからお金を払うのは当然の義務だと。現在住んでるアパートのクリーニング代、次のアパートの敷金礼金も私が負担することに。最初の説明では新居のアパート代全額と引越しにかかる料金は全部負担すると言っていたのに。
結局引越し代は持ってくれることになったのですが一万円台にしろと言われ、ベットとか大きいもの以外は全部自分の車で運ぶことに。私はこの職場が1社目ですがさすがにブラックだと今感じています。そろそろ潮時かもしれません。
募集要項に要運転免許と書かれてなくても、必ず車で出勤せよと強要。しかも、24時間待機状態で休めず・・・。

私は新卒で、かなり大きな物流会社に就職しました。私は英語圏留学の経験もあり、英語が得意だったので貿易関係の部署に配属されました。
そこでは基本的に書類作りだったのですが、時々船舶の迎えや見送りをしなければならず、船舶は24時間365日いつ来るかわからないので、休日でも24時間待機しなければならないといった状況でした。
つまり寝ている時もいつ電話がかかってくるか分からないし、その電話に出られなかったら、法律的に船舶が自社の港に到着することができないため、いつも気が気ではなくゆっくりと休める時はありませんでした。
しかも募集要項には書いていなかったのに、必ず車で出勤しなければならないと言われ、お酒もあまり飲めないといった状況でした。私はもともと車の運転が苦手なので、募集要項に要運転免許と書かれていない求人を探したにもかかわらずです。
確かにその担当は交代制なので、毎日そのような状況になるわけではありませんでしたが、精神的に辛い毎日でした。一般的にブラック会社というと、IT関係や運送などの職種を想像しますが、このような通常のオフィスワークで、こんなに辛いことがあるのかと驚きました。
また、せっかくの新卒で他の会社からも内定をもらっていたので、他の会社に行けばよかったと後悔する日々でした。
みんブラ事務局の所見:求人票が事実と違うなら、労働基準法15条2項で「即日」辞められる。2週間も待つ必要はない。
3社に共通する「嘘のつき方」を分解する
この記事に集まった3件は、業種も規模もばらばらです。サービス業、協同組合、かなり大きな物流会社。それでも嘘のつき方には共通のパターンがあります。そこを見抜けるようになれば、次の転職で同じ罠を踏まずに済みます。
パターン1:数字は本当だが、意味が違う。
1件目の「残業なしで9時から20時」。この時間は店舗の営業時間でした。実際の勤務は早ければ7時出社で、閉店後は終電まで事務作業。2件目の「年間休日125日」も同じ構図で、実態は「最大125日まで休める」という意味であり、その年の実際の休日は89日でした。数字そのものは書いてある。しかし読み手が想定する意味とは違う。これは嘘をつかずに騙すという、最も質の悪い手口です。
パターン2:あるとは書いたが、額は言わない。
2件目の「住宅手当あり」。実際は上限3,000円で、しかも家賃3万円台の本人には「補助する必要がない」という理由で一切支給されませんでした。「あり」と書いたこと自体は嘘ではない、という逃げ道が用意されています。
パターン3:書いていないことを、後から義務にする。
3件目です。募集要項に運転免許の記載がなかったため、運転が苦手な本人はあえてその求人を選んでいます。ところが入社後、必ず車で出勤しろと言われた。さらに船舶がいつ来るか分からないため、休日も24時間、電話を待ち続けなければならない。書いていなかったのだから話が違う、では済まされる範囲を超えています。
そして1件目には、単なる求人詐欺を超えた要素があります。タイムカードを押していいのは「9時から20時」の間だけという運用です。7時に来て開店準備をしても、閉店後に終電まで事務作業をしても、記録の上では11時間しか働いていないことになる。これは労働時間の記録を意図的に操作しているということであり、求人票の嘘を、入社後も帳簿の上で維持し続けるための仕組みです。投稿者が学生時代の飲食店のアルバイトでは開店準備が勤務時間に含まれていた、と書いているのは重要な指摘です。アルバイトですら適法に運用されていたことが、正社員になったら消えたのです。
法律から見ると、これは何にあたるのか
3件で起きたことを、条文と突き合わせて整理します。
| 体験談で実際に行われていたこと | 抵触する条文 | 何が問題なのか |
|---|---|---|
| 「残業なしで9時から20時」と募集要項にあったが、それは店舗の営業時間で、実際は7時出社・終電帰宅だった。 | 労働基準法15条 職業安定法65条 |
労働条件は書面で明示する義務があり、事実と異なれば労働者は即時に労働契約を解除できる(15条2項)。虚偽の条件を示して労働者を募集する行為には職業安定法65条の罰則がある。 |
| タイムカードを押していいのは「9時から20時」の間だけ。開店準備と閉店後の事務作業は打刻外で行わされた。 | 労働基準法32条 労働基準法37条 |
使用者の指揮命令下にある時間はすべて労働時間。打刻を制限しても労働時間がなくなるわけではなく、割増賃金の支払義務は消えない。労働時間の適正な把握は使用者の責務であり、厚生労働省がガイドラインを示している。 |
| 「年間休日125日」の実態は「最大125日休める」というだけで、実際の年間休日は89日だった。 | 労働基準法15条 労働基準法35条 |
年間休日数は明示すべき労働条件にあたる。また使用者は毎週1回または4週4日の休日を与えなければならない。「最大◯日」という表記で実態と乖離させる募集は、明示義務の潜脱にあたる。 |
| 強制参加の社員旅行に、自分の「公休」を使って参加させられた。 | 労働基準法35条 | 参加が強制される社員旅行は業務としての性格を帯びる。業務に休日を充当させれば、その月の法定休日が実質的に失われることになる。 |
| 休日出勤をしたら、専務からスーパーの弁当を渡され「休日出勤の代金はそれでいいだろ?」と賃金が支払われなかった。 | 労働基準法24条 労働基準法37条 |
賃金は通貨で全額を直接労働者に支払わなければならない(通貨払いの原則)。現物で代替することは原則として認められず、法定休日労働には35パーセント以上の割増賃金が必要。 |
| 出向先のアパート代を全額負担すると説明されて承諾したが、後から「独身だから全額自己負担」と覆された。 | 労働契約法8条 労働契約法9条 |
労働条件の変更には労働者との合意が必要で、使用者が一方的に不利益に変更することは原則としてできない。説明を前提に同意した内容を事後に翻す行為は、この原則に反する。 |
| 募集要項に運転免許の記載がないのに車通勤を強要され、休日も24時間待機を求められた。 | 労働基準法15条 労働基準法32条 |
業務に必要な資格や条件は明示すべき労働条件。また、電話に出られなければ業務に支障が出る状態での待機は使用者の指揮命令下にある「手待時間」として労働時間と評価され得る。 |
※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。
ここで最も重要な条文が労働基準法15条です。使用者は労働契約を結ぶ際、賃金・労働時間・就業場所・業務内容・休日などを書面で明示しなければなりません。そして同条2項が決定的です。明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除することができる。「2週間待つ」必要すらありません。さらに就業のために住居を変更していた場合、契約解除から14日以内に帰郷するなら、使用者は帰郷旅費を負担しなければなりません。
加えて2024年4月からは明示すべき事項が拡大され、就業場所と業務の「変更の範囲」まで明示することが必要になりました。3件目のようなケース、つまり入社後に想定外の条件が追加される事態を防ぐための改正です。
そして虚偽の求人については、職業安定法65条に罰則が定められています。ハローワークや求人サイトに事実と異なる条件を掲載する行為は、労働者に対する契約上の問題であると同時に、行政の取締り対象になる違法行為です。「話が違う」と感じたら、その求人票のスクリーンショットは必ず保存してください。
もうひとつ、見落とされがちな論点を挙げます。3件目の24時間待機です。船舶がいつ来るか分からず、電話に出られなければ法律上その船舶が入港できない、という状態。これは自由に過ごせる時間ではありません。使用者の指揮命令下から解放されていない「手待時間」は労働時間と評価され得ます。実際に電話が鳴らなかった日も含めて、です。「待っているだけだから無給」という説明には、法的な根拠がありません。
「嘘はついていない」と言い張る会社を糾弾する
ここからは、事務局として率直に書きます。
この3件に共通するのは、追及されたときに「嘘はついていない」と言い逃れできるように、最初から設計されているという点です。
「9時から20時」——営業時間だとは書いていないが、勤務時間だとも書いていない。「年間休日125日」——最大値だとは書いていないが、確約もしていない。「住宅手当あり」——金額は書いていない。どれも、問い詰められれば「そういう意味で書いたのではない」と返せる。この逃げ道を用意する手間をかけている時点で、相手を誤解させる意図があったことは明白です。誤解されたのではなく、誤解させたのです。
とりわけ2件目の協同組合の対応は目に余ります。休日出勤した若い職員にスーパーの弁当を渡して「休日出勤の代金はそれでいいだろ?」。賃金は通貨で支払わなければならないという労働基準法24条以前に、人としての扱い方の問題です。さらに出向を承諾させるためにアパート代の全額負担を約束しておきながら、後から「独身だから出しても職場が変わるだけでマイナスがない」と一方的に覆した。挙げ句「若いうちに違う職場を経験できるんだからお金を払うのは当然の義務だ」。——会社の都合で出向させておいて、それを本人への恩恵にすり替え、費用まで負担させる。論理が完全に転倒しています。
1件目のタイムカード運用については、これは求人詐欺の完成形だと言っておきます。入口で嘘の労働時間を提示し、入社後は打刻の範囲を制限してその嘘に実態を合わせる。記録上は「残業なしで9時から20時」の会社であり続ける。外から監査が入っても帳簿は整っている。嘘を隠すのではなく、嘘に現実のほうを合わせにいっているのです。悪質さの度合いが違います。
そして3件目の方が書いた一文が、この記事全体の意味を要約しています。「せっかくの新卒で他の会社からも内定をもらっていたので、他の会社に行けばよかったと後悔する日々でした」。求人詐欺の被害は、労働条件の差だけではありません。選べたはずの別の人生を奪うということです。これが、求人票の嘘が単なる誇大広告で済まされてはならない理由です。
なぜ、求人詐欺の会社は今すぐ辞めるべきなのか
第一に、入口で嘘をつく会社は、中でも嘘をつくからです。2件目を見てください。求人票の休日と住宅手当で嘘をつき、休日出勤の賃金で嘘をつき、出向の条件でも嘘をついています。嘘は一箇所では終わりません。入社時点の条件が違ったという事実は、その後に提示されるあらゆる約束の信頼性を疑うべき根拠になります。
第二に、労働基準法15条2項という強力な武器が使えるからです。通常の退職は民法627条1項により2週間かかりますが、明示された労働条件が事実と違う場合は即時解除が可能です。これは労働者に与えられた、極めて強い権利です。入社直後に「話が違う」と気づいたなら、この権利を使えるうちに動くほうが有利です。
第三に、失っている金額が大きいからです。1件目のケースで、打刻外の労働を1日4時間、月20日とすると月80時間。時給1,300円の1.25倍で計算すると月13万円、年間156万円。深夜割増を含めればさらに増えます。2件目の年間休日についても、125日と89日では年間36日の差。約1か月半分の休みが消えている計算です。
いま同じ状況にいる人が、今日のうちにやるべき3つのこと
- 1. 求人票を証拠として保存する。今すぐ
求人情報は掲載が終了すると消えます。ハローワークの求人票、求人サイトのページ、面接時に渡された資料、労働条件通知書、雇用契約書。すべてスクリーンショットや写真で残してください。「話が違う」を証明するには、元の話が何だったかを示す物証が要ります。すでに消えている場合でも、ハローワーク経由なら窓口で求人票の記録を確認できることがあります。 - 2. 打刻外の労働時間を、自分で記録する
タイムカードが実態を反映していないなら、あなたの手元の記録が唯一の真実になります。毎日の出社時刻と退社時刻をメモしてください。加えて、業務用のメールやチャットの送信時刻、パソコンのログイン・ログオフ履歴、入退館記録、スマートフォンの位置情報履歴、終電で帰宅したなら交通系ICカードの利用履歴。これらはすべて実労働時間を裏づける材料になります。 - 3. 相談先は「求人の嘘」と「賃金」で分ける
虚偽の求人については、ハローワーク経由ならハローワークの求人ホットライン、職業安定法違反として労働局の需給調整事業部門が窓口になります。賃金の不払いと労働時間は労働基準監督署です。迷う場合は総合労働相談コーナー(無料・予約不要)へ。そして繰り返しますが、労働条件が事実と違うなら労働基準法15条2項により即時に辞められます。2週間待つ必要も、会社の承諾も要りません。
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