信じられないマタニティハラスメント上司。ふっくらした妊婦の姿を見て、笑いながら相撲取りのジェスチャー。

ブラック上司の体験ですが、親会社からおりてきた常務取締役のお話です。この常務取締役は、会社の経営をよくしようと、かなり頑張っていたそうなのですが、自分の好みに合わない部下、または、自分にこびてこない人間に対して、とても激しい嫌悪感と、嫌がらせを、すごくわかりやすくしてくる上司でした。
私が、妊娠中、会社にとって邪魔だと判断されたのか、顔を見るたびに、「出産後は戻ってくる場所は会社にはないよ」と、何度もしつっこいぐらいに言われだしたのが最初でした。その時は、ずっと辛抱していたのですが、妊娠8カ月ごろから、かなりおなかが出てきて、全体的にふっくらしてきた姿を見て、薄ら笑いながら、相撲取りのジェスチャーをされました。
さすがに頭に来たので、それは、セクハラですがよろしいのでしょうかというと、それからは、わかりやすいぐらいの態度で、セクハラじゃないよと、何度も何度も会うたびに言われました。すごく嫌でしたが、とりあえず辛抱していました。
それから8年たちますが、自分にはむかった人間は、出世させないという態度で、私の昇格も全くありません。ただ、私より年上なので、先にいなくなると思い辛抱している限りです。毎日辛いです。
出産に対する理解ゼロの時代遅れマタハラ企業。妊婦経験のあるお局すらマタハラを問題視しない老害っぷり。

前職の企業倒産で、取引先に引き抜かれた形で転職ができましたが、契約時に引き抜いた会社の子会社への入社を提案され、待遇面も変わらない、残業もかなり見込めるから、前職の給料よりは上がると言われました。
しかし、事務職であればと入社をしたにも関わらず、ボーナスや待遇でかなりの格差をつけられ、挙げ句のはてには気に入らないからと、事務から半ば強制的な移動で現場にだされました。
それから、暫くして妊娠が発覚した際にも人がいないからと当分夜勤を外してもらうこともできませんでした。
夜勤が外れてからもパレットの上での高温になる場所でのたち仕事や、一箱十キロを越えるであろう箱を運ばなければならない検査などを強要されかけましたが、そこは我が身が大事なので、安全衛生に相談して流産のリスクを回避することはできましたが、会議室に呼び出され、させる仕事がないので有給を取得して貰えないか…と打診までされました。
分工場と言うこともあり、本社の目が届かないことを良いことに、マタハラやパワハラを繰り返されました。
また、会社の体質も男重視で有能な女性社員はなかなか出世も昇給もできないのに、男はそこそここなせて残業が出来れば、ある程度まではさくさくと出世もできるので、なんだかとても頑張る意欲を削がれます。
また、出向者の給料は高いのに仕事もしないで、残業に固執する体質のお局様が多く、出産祝い経験者の人にマタハラの件で相談した際には、「仕事ってそう言うものだよねぇ」と言う回答で経験者としての意見を発信してくれるわけでもなく、マタハラを行う本人の擁護すらされて、かなり気持ちが砕けてしまいました。
みんブラ事務局の所見:妊産婦が請求すれば深夜業は拒否できる。重量物と高温環境の作業は、請求以前に禁止である。
この2つの職場で起きていたこと
1件目・親会社から出向してきた常務取締役。
この人物は「会社の経営をよくしようと、かなり頑張っていた」一方で、「自分の好みに合わない部下、または、自分にこびてこない人間に対して、とても激しい嫌悪感と、嫌がらせを、すごくわかりやすくしてくる上司」でした。
投稿者が妊娠すると、「会社にとって邪魔だと判断されたのか」——顔を見るたびに、こう言われるようになります。
「出産後は戻ってくる場所は会社にはないよ」。それも「何度もしつっこいぐらいに」。
投稿者は辛抱していました。そして妊娠8か月ごろ、おなかが出て全体的にふっくらしてきた姿を見て——
「薄ら笑いながら、相撲取りのジェスチャーをされました」。
さすがに頭に来て「それはセクハラですがよろしいのでしょうか」と言ったところ、「それからは、わかりやすいぐらいの態度で、セクハラじゃないよと、何度も何度も会うたびに言われました」。
そして結末。「それから8年たちますが、自分にはむかった人間は、出世させないという態度で、私の昇格も全くありません」。
「ただ、私より年上なので、先にいなくなると思い辛抱している限りです。毎日辛いです」。
2件目・分工場での事例。前職の倒産で取引先に引き抜かれ転職。ところが子会社への入社を提案され、待遇面は変わらないという説明でした。
実際はボーナスや待遇でかなりの格差をつけられ、「気に入らないから」と事務から半ば強制的に現場へ異動させられます。
そして妊娠が発覚した際も、「人がいないから」と当分夜勤を外してもらえませんでした。
夜勤が外れてからも——「パレットの上での高温になる場所でのたち仕事や、一箱十キロを越えるであろう箱を運ばなければならない検査などを強要されかけました」。
この方は「そこは我が身が大事なので、安全衛生に相談して流産のリスクを回避することはできました」——極めて適切な行動です。
ところが今度は会議室に呼び出され、「させる仕事がないので有給を取得して貰えないか」と打診されました。
そして妊娠経験のある先輩に相談したところ——「仕事ってそう言うものだよねぇ」という回答で、マタハラを行う本人の擁護すらされた。
法律から見ると、これは何にあたるのか
この2つの職場で行われていたことを条文と突き合わせます。
| 体験談で実際に行われていたこと | 抵触する条文 | 何が問題なのか |
|---|---|---|
| 妊娠中の労働者に「出産後は戻ってくる場所は会社にはないよ」と繰り返し告げた。 | 男女雇用機会均等法 11条の3・9条3項 |
事業主には妊娠・出産等に関するハラスメントの防止措置義務がある。復職の可能性を否定する発言は、実質的に妊娠を理由とする不利益な取扱いを予告するもの。 |
| 妊娠8か月の体型を見て、笑いながら相撲取りのジェスチャーをした。 | 男女雇用機会均等法 11条・11条の3 |
妊娠中の身体的変化を揶揄する行為はマタニティハラスメントであり、性的な言動としてセクシュアルハラスメントにもあたり得る。 |
| 抗議したことを理由に、8年間昇格させなかった。 | 男女雇用機会均等法 11条2項・6条 |
労働者がハラスメントの相談・申出をしたことを理由として不利益な取扱いをしてはならない。昇進における差別的取扱いも6条が禁じている。 |
| 妊娠を報告しても「人がいないから」と夜勤を外さなかった。 | 労働基準法66条 | 妊産婦が請求した場合、深夜業をさせてはならない(66条3項)。時間外労働・休日労働も同様(66条2項)。人員不足は免除の理由にならない。 |
| 高温になる場所での立ち仕事や10キロ超の箱の運搬を求めた。 | 労働基準法64条の3 女性労働基準規則 |
妊産婦を、重量物を取り扱う業務や有害ガス・高温の場所での業務等に就かせてはならない。継続作業では満18歳以上の女性で20キログラム以上、断続作業で30キログラム以上の重量物取扱いが禁止されている。 |
| 「させる仕事がないので有給を取得してほしい」と打診された。 | 労働基準法39条 労働基準法65条3項 |
年次有給休暇は労働者が請求する時季に与えるもので、使用者が取得を指示するものではない。妊娠中の労働者には軽易な業務への転換が義務づけられており、「させる仕事がない」は転換義務を果たしていないことを示す。 |
| 妊娠・出産経験のある先輩がハラスメントを擁護し、相談が機能しなかった。 | 男女雇用機会均等法 11条の3 |
事業主には相談体制の整備と、事案への迅速かつ適切な対応が義務づけられている。非公式な相談で終わらせる職場は、この義務を果たしていない。 |
※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。
この記事で、妊娠中の方に絶対に知っておいてほしい規定を整理します。妊産婦には、請求すれば必ず認められる権利があります。
労働基準法66条——妊産婦が請求した場合、使用者は次のことをさせてはなりません。
- 時間外労働・休日労働(66条2項)
- 深夜業(66条3項)
- 変形労働時間制の下でも、法定労働時間を超える労働(66条1項)
ここで重要なのは「請求した場合」という点です。請求すれば、使用者に拒否権はありません。「人がいないから」は理由になりません。人員配置は会社の責任だからです。
そして労働基準法64条の3と女性労働基準規則。これはさらに強力で、請求の有無にかかわらず、就かせること自体が禁止されています。
- 重量物を取り扱う業務——満18歳以上の女性については、継続作業で20キログラム以上、断続作業で30キログラム以上の重量物取扱いが禁止されています。そして妊産婦にはさらに厳しい制限が課されます。
- 有害ガスを発散する場所での業務
- 著しく暑熱・寒冷な場所での業務など
2件目の投稿者が「パレットの上での高温になる場所でのたち仕事」と「一箱十キロを越えるであろう箱を運ばなければならない検査」を拒んだのは、完全に正しい判断でした。そして安全衛生に相談したのも適切です。
そして労働基準法65条3項——妊娠中の女性が請求した場合、他の軽易な業務に転換させなければならない(義務)。「させる仕事がないので有給を取ってほしい」という打診は、この転換義務を果たさずに労働者の有給を消費させようとしていることになります。
8年間の報復を糾弾する
ここからは、事務局として率直に書きます。
この記事で最も重いのは、1件目の「その後」です。
投稿者は「それはセクハラですがよろしいのでしょうか」と言いました。たった一言です。穏当で、しかも正確な指摘でした。
そして、その代償が8年間の昇格停止でした。
「自分にはむかった人間は、出世させないという態度で、私の昇格も全くありません」。
——これは報復です。そして男女雇用機会均等法11条2項は、労働者がハラスメントについて相談したことや事実を述べたことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと明確に定めています。
この規定が置かれた理由は明白です。報復を恐れれば、誰も声を上げられなくなるからです。そして実際、この職場ではそうなりました。一人が抗議し、8年間昇格しない。それを見ている周囲の人は、二度と何も言わないでしょう。
そして、投稿者が現在置かれている状況。「ただ、私より年上なので、先にいなくなると思い辛抱している限りです。毎日辛いです」。
相手が定年でいなくなるのを待つ。それが唯一の希望になっている。——8年です。本来なら、この方の8年間はキャリアが積み上がる期間だったはずです。
そして相撲取りのジェスチャーについて。この行為の卑劣さを、はっきり言葉にしておきます。
妊娠8か月の身体は、子どもを育てている状態です。それを笑いのネタにするというのは、妊娠という営みそのものを滑稽なものとして扱うということです。そして薄ら笑いという描写。本人は、悪意を認めない程度の表現を選んでいる。
だからこそ「セクハラじゃないよ」と「何度も何度も会うたびに」言えるのです。ジェスチャーなら、記録に残らない。言葉なら「冗談だ」と言える。この人物は、問題にならない範囲を計算しながら加害している。
そして2件目の先輩の言葉。「仕事ってそう言うものだよねぇ」。
妊娠・出産を経験した人からの言葉です。投稿者は「経験者としての意見を発信してくれるわけでもなく、マタハラを行う本人の擁護すらされて、かなり気持ちが砕けてしまいました」と書いています。
私たちは、この先輩を責めたくはありません。この人もまた、同じ扱いを受けて耐えてきたのでしょう。自分が耐えたことを「おかしい」と認めることは、自分の過去を否定することでもあります。
しかし、その連鎖が次の世代に同じ我慢を強いることになります。「そういうもの」という言葉は、職場を1ミリも改善させません。
なぜ、この職場は今すぐ離れるべきなのか
第一に、8年経っても変わらなかったからです。1件目の投稿者は、いまも同じ会社にいます。そして昇格していません。「相手が先にいなくなる」以外の展望がないという状態は、それ自体が異常です。そして相手がいなくなっても、失われた8年は戻りません。
第二に、妊娠中の身体的リスクは取り返せないからです。2件目では、高温環境での立ち仕事と10キロ超の運搬が求められました。これは女性労働基準規則が明確に禁じている業務です。拒否できたのは安全衛生に相談したからであって、相談しなければ従わされていた可能性があります。次の要求で断れる保証はありません。
第三に、相談が機能しない職場だからです。1件目では抗議が報復を招き、2件目では経験者の先輩が加害者を擁護しました。社内に味方がいない状態で妊娠期間を過ごすことの負担は、計り知れません。
いま同じ状況にいる人が、今日のうちにやるべき3つのこと
- 1. 「請求」は書面で。深夜業も残業も、拒否できる
労働基準法66条により、妊産婦が請求すれば、時間外労働・休日労働・深夜業をさせることはできません。「人がいないから」は理由になりません。メールなど記録の残る形で「労働基準法66条3項に基づき、深夜業の免除を請求します」と伝えてください。そして重量物の取扱いや高温環境での業務は、請求の有無にかかわらず禁止です(労働基準法64条の3・女性労働基準規則)。断ることに、遠慮は要りません。 - 2. 母健連絡カードと、安全衛生の窓口を使う
2件目の投稿者が安全衛生に相談してリスクを回避したのは模範的な行動です。社内に産業医や衛生管理者がいるなら、必ず相談してください。あわせて母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)を活用してください。母子健康手帳に様式が掲載されており、医師の指導内容を記載してもらえば、均等法13条により事業主に措置義務が生じます。「本人が言っているだけ」という反論を封じられます。 - 3. 報復されたら、それ自体が独立した違反
ハラスメントを相談したことを理由とする不利益な取扱いは、男女雇用機会均等法11条2項が明確に禁じています。抗議した後に昇格が止まった、評価が下がった、担当を外されたという事実があれば、その時系列を記録してください。窓口は各都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)で、事業主への助言・指導・勧告の権限があります。相談は無料で、在職中でも利用できます。
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この記事を読んで「うちの会社も同じだ」と感じた方は、ページ上部のブラック度から5段階で投票してください。投稿された体験談とあわせて、職場の実態を可視化していきます。





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