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月400時間労働・休日なし・説教でボロボロ…。上司「お前らはいいなぁ!仕事学ばせてもらえて」

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飲食業の地獄のような長時間労働。事業拡大でどんどん残業や早出が増え、パワハラ上司のイライラも爆発…。

月400時間労働・休日なし・説教でボロボロ…。上司「お前らはいいなぁ!仕事学ばせてもらえて」

女性・25歳の体験談
女性・25歳の体験談

私が専門学校を卒業して、初めて正社員として務めた飲食業での話です。

朝は始発電車に乗って6時に出勤し、帰りは終電で日付を超えて帰宅。それを週6で勤務しているだけでも身体はボロボロなのに、忙しいシーズンは休日もなし、誰がが体調を壊せば代わりに休みを返上…。

それでも上司は「仕事を学ばせてもらって、更にお金をもらえるなんてお前らはいいなあ!」と飄々と言っていました。

 

お店の売り上げのために、仕事の量は増すばかりでした。それでも「仕事が終わらないのはお前らの能力が低い!効率が悪い!」と言うのです。上司のイライラが募れば、ただでさえ時間のない毎日なのに、2時間でも3時間でも従業員は作業をやめてお説教を聞かなければなりませんでした

二年間勤めあげましたが、一向に状況がよくなることはありませんでした。

 

私が採用されたのは、都内のケーキ屋さんの製造でした。様々な事業を展開する会社が運営している中の一つでした。私が正社員の雇用の際に会社からもらった書類には「8時~21時(8時間のシフト勤務)」と書いてありました。

ところが、いざ仕事が始まってみると…「新人なので朝一番にきなさい。」と上司に言われて、素直に8時に出勤する先輩よりも早く出勤することにしました。しかし、先輩と時間通りに来ても仕事は一向に終わりません。終わらなければ帰れない。21時以前に帰れることは、まずありませんでした。

上司も私たちが残っていれば、先に帰れないという思いからなのか、次第に顔つきが変わっていきます。上司の無言の圧が、従業員にかかります。爆発すれば、また何時間もお説教の時間になります。やむ負えず私と先輩はそれぞれ一時間早く出勤しはじめました。

 

そんな毎日を過ごしていると次第に従業員が増え、仕事の負担も少しづつ軽減されるように思っていました。しかし、従業員が増えれば上司はまた新たなことを始めます。もちろん売り上げの為です。お店の営業時間が、21時までだったものが、23時までに変わりました。そして商品数も大幅に増え、仕事は一向に終わることはありませんでした

更に勤務して一年がたったころ、新人であった私は朝早い仕込みを任せれることになり、更に一時間早く出勤するようになりました。帰りも自分の仕事は終わっても、先輩方より早く帰ることはできませんでした。状況的に余裕もなかったし、みんな自分のことで精一杯でした。

「早く来た人は、早く帰る。」と上司は時折いうものの、夜どんな時間になっても「帰っていいよ。」と声をかけてくれる人は誰もいませんでした。

 

給料は飲食業にしては悪くはなかったと思います。賞与も社保もあり、一見なんの問題もありませんでした。

しかし時給に換算すれば、従業員は時給500円以下でした。月の勤務時間は300時間超えなど当たり前で、400時間を超えることもざらにあったからです。出勤退勤で一応タイムカードをうっていたものの、給料明細に総合出勤時間が記載されていることは一度もありませんでした。

 

みんブラ事務局の所見:月400時間で時給500円。賞与も社保もある会社が、最低賃金法に違反していた。

みんブラ事務局の所見
みんブラ事務局の所見

みんブラ事務局・5段階判定都内のケーキ店(製造)/女性25歳の体験談
総合ブラック度4.8/5今すぐ労働基準監督署へ
労働時間5
賃金・残業代5
ハラスメント4
休暇5
法令違反リスク5
判定理由:契約書には「8時〜21時(8時間のシフト勤務)」とありながら、始発で6時に出勤し終電で日付をまたいで帰宅する日々を週6日。月の勤務時間は300時間超が当たり前、400時間を超えることもざらで、時給換算すると500円以下。タイムカードは打刻していたのに給与明細に総労働時間が記載されたことは一度もなかった。上司の言葉は「仕事を学ばせてもらって、更にお金をもらえるなんてお前らはいいなあ」。 読者投票:4.54 / 5.00(13人)

この職場の何がブラックだったのか

この体験談は、数字がすべてを語っています。

契約書に書かれていた労働条件は「8時〜21時(8時間のシフト勤務)」。つまり営業時間帯のなかで8時間働く、という条件です。

実際はどうだったか。朝は始発電車に乗って6時に出勤。帰りは終電で日付を超えて帰宅。それを週6日。忙しいシーズンは休日もなく、誰かが体調を崩せば代わりに休みを返上。

そして総労働時間。「月の勤務時間は300時間超えなど当たり前で、400時間を超えることもざらにあった」。

月400時間という数字の意味を確認しておきます。所定を月160時間とすれば、時間外労働は月240時間。36協定の特別条項の上限(単月100時間未満)の2.4倍、いわゆる過労死ラインとされる月80時間の3倍にあたります。

投稿者は「給料は飲食業にしては悪くはなかったと思います。賞与も社保もあり、一見なんの問題もありませんでした」と書いています。ところが——

「しかし時給に換算すれば、従業員は時給500円以下でした」。

そして決定的なのがこれです。「出勤退勤で一応タイムカードをうっていたものの、給料明細に総合出勤時間が記載されていることは一度もありませんでした」。

労働時間を記録していながら、その総計を本人に見せない。意図は明白でしょう。時給に換算されては困るからです。

そして早出が積み上がっていく経緯も、典型的な構造を示しています。「新人なので朝一番にきなさい」と言われて8時前に出勤。ところが仕事は終わらず、21時前に帰れることはない。上司は「先に帰れない」という思いからか、次第に顔つきが変わり、無言の圧をかけてくる。やむなく投稿者と先輩はそれぞれ1時間早く出勤し始めた。

従業員が増えて負担が軽くなるかと思えば、上司は営業時間を21時から23時に延長し、商品数も大幅に増やした。1年後には投稿者が朝の仕込みを任され、さらに1時間早く出勤するようになりました。

そして「早く来た人は、早く帰る」と上司は時折言うものの、「夜どんな時間になっても『帰っていいよ』と声をかけてくれる人は誰もいませんでした」。

法律から見ると、これは何にあたるのか

この職場で行われていたことを条文と突き合わせます。

体験談で実際に行われていたこと 抵触する条文 何が問題なのか
月の勤務時間が300時間超、400時間を超えることもあった。 労働基準法32条
労働基準法36条
1日8時間・週40時間が上限。36協定を結んでも時間外は原則月45時間・年360時間まで。特別条項でも単月100時間未満・複数月平均80時間以内が上限で、月240時間の時間外はその2.4倍にあたる。
時給に換算すると500円以下だった。 最低賃金法4条 最低賃金を下回る賃金の定めはその部分が無効となり、最低賃金額で契約したものとみなされる。差額は未払い賃金として請求できる
契約書は「8時〜21時(8時間のシフト勤務)」だったが、実際は6時から終電まで働いていた。 労働基準法15条 労働時間は明示すべき労働条件。事実と相違すれば労働者は即時に労働契約を解除できる(15条2項)。
タイムカードを打刻していたのに、給与明細に総労働時間が記載されたことがなかった。 労働基準法108条
所得税法231条
使用者には賃金台帳の調製義務があり、労働日数・労働時間数の記入が求められる。支払明細書の交付義務もあり、記録を本人に見せない運用は、割増賃金の不払いを見えなくするものである。
忙しいシーズンは休日がなく、他人の体調不良で休日を返上させられた。 労働基準法35条 毎週1回または4週4日の休日を与える義務がある。人員不足を理由に法定休日を消滅させることはできない。
上司のイライラが募ると、2〜3時間の説教で作業を中断させられた。 労働施策総合推進法
30条の2
業務上の必要性を超えた長時間の叱責は「精神的な攻撃」。なお、その時間も労働時間である。
「仕事が終わらないのはお前らの能力が低い」と繰り返された。 労働施策総合推進法
30条の2
業務量の設計は使用者の責任であり、終わらない量を課したうえで能力を責めることは「過大な要求」にあたり得る。

※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。

この事例で、最も強力な武器になるのが最低賃金法4条です。ここを詳しく説明します。

最低賃金法4条は、最低賃金額に達しない賃金を定める労働契約について、その部分を無効とし、最低賃金と同様の定めをしたものとみなすと規定しています。

重要なのは、これが月給制でも適用されるという点です。月給20万円という額面だけを見れば、最低賃金の問題は生じないように見えます。ところが月400時間働いていれば、時給換算は500円です。

この投稿者が「時給に換算すれば、従業員は時給500円以下でした」と自ら計算しているのは、極めて重要な指摘です。賃金が違法かどうかは、額面ではなく時給換算で判断されます。

参考までに、東京都の最低賃金は2025年10月から1,226円(全国加重平均は1,121円)です。仮に月400時間働いて月給20万円なら時給500円ですから、差額は時給726円。月400時間分で290,400円が本来支払われるべき金額との差になります。1か月で29万円、1年で348万円です。

そして、この計算をさせないための仕掛けが「給与明細に総労働時間を記載しない」という運用でした。

労働基準法108条は、使用者に賃金台帳の調製を義務づけており、労働日数・労働時間数の記入が求められます。タイムカードを打刻させていたのですから、会社は総労働時間を把握していました。それを明細に載せなかったのは、従業員が時給換算をできないようにするためと考えるほかありません。

「学ばせてもらって」という言葉を糾弾する

ここからは、事務局として率直に書きます。

この体験談のタイトルにもなっている上司の言葉。「仕事を学ばせてもらって、更にお金をもらえるなんてお前らはいいなあ!」

この一言に、この職場の思想がすべて表れています。労働の対価としての賃金が、「学ばせてもらったうえに、さらに貰えるもの」にすり替えられている。

整理しましょう。この人たちが提供していたのは、月400時間の労働です。ケーキを製造し、商品を並べ、店を回した。会社はその労働によって売上を得ています。

「学ばせてもらっている」という関係が成立するのは、労働力の提供より教育の投入のほうが大きい場合だけです。始発で来て終電で帰る人間が、その関係にあるとは到底言えません。

そして「仕事が終わらないのはお前らの能力が低い!効率が悪い!」という叱責。

この体験談は、その主張を自分で否定しています。従業員が増えて負担が軽くなりかけると、上司は営業時間を2時間延長し、商品数を大幅に増やした。

つまり業務量は、常に「終わらない水準」に調整されていたのです。効率を上げても、人が増えても、その分だけ仕事が追加される。これは能力の問題ではありません。設計です。

そして上司の説教について。「ただでさえ時間のない毎日なのに、2時間でも3時間でも従業員は作業をやめてお説教を聞かなければなりませんでした」。

2〜3時間の説教。その間、作業は止まっています。そして作業が止まった分だけ、その日の終業はさらに遅くなる。「仕事が終わらない」と叱る行為そのものが、仕事を終わらせなくしている。この矛盾に、上司は気づいていないのでしょう。

そして最も残酷なのが、「早く来た人は、早く帰る」という上司の言葉です。

この一言があるから、従業員は早く来ます。投稿者と先輩は、それぞれ1時間早く出勤するようになりました。ところが「夜どんな時間になっても『帰っていいよ』と声をかけてくれる人は誰もいませんでした」。

早く来る理由だけが与えられ、早く帰る条件は永久に満たされない。これは約束ではなく、出勤時刻を前倒しさせるための装置です。

そして「賞与も社保もあり、一見なんの問題もありませんでした」という記述。これが最も恐ろしい部分だと私たちは考えます。

賞与がある。社会保険がある。給料も飲食業の水準としては悪くない。表面上の指標は、すべて正常に見える。だから2年間、この方は辞められませんでした。時給500円で働いていることに、自分で計算するまで気づけなかったのです。

なぜ、この職場は今すぐ動くべきなのか

第一に、月400時間は、命に関わる水準だからです。厚生労働省の労災認定実務では、発症前1か月におおむね100時間、または2〜6か月平均でおおむね80時間を超える時間外労働があれば業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が強いと評価されます。月240時間の時間外は、その3倍です。

第二に、請求できる金額が極めて大きいからです。最低賃金との差額だけで月29万円規模。そこに時間外・深夜・休日の割増賃金が加わります。未払い賃金の請求権の時効は当分の間3年ですから、1,000万円規模の請求が理論上成立します。

第三に、2年経っても変わらなかったからです。投稿者は書いています。「二年間勤めあげましたが、一向に状況がよくなることはありませんでした」。人が増えれば仕事も増える。営業時間が延びる。商品数が増える。改善に見えたものが、すべて負荷の追加に転化した2年間でした。

いま同じ状況にいる人が、今日のうちにやるべき3つのこと

  • 1. 時給を、自分で計算する
    これがこの体験談の最大の教訓です。「手取り ÷ 実際に働いた時間」を一度計算してみてください。額面や賞与の有無ではなく、時給換算が最低賃金を下回っていないかが違法性の判断基準です。最低賃金は毎年10月頃に改定され、都道府県ごとに異なります。厚生労働省や各労働局のサイトで確認できます。下回っていれば、差額は未払い賃金として請求できます。
  • 2. 給与明細に労働時間が載っていないなら、自分で記録する
    賃金台帳には労働日数と労働時間数の記入が義務です(労働基準法108条)。明細に載っていないなら、会社に開示を求めてよい情報です。それでも出てこないなら、自分で毎日の出退勤時刻を記録してください。始発の電車に乗った記録(交通系ICカードの履歴)、終電の時刻、店舗の解錠・施錠時刻、仕込み開始時のオーブンの稼働記録——これらはすべて実労働時間を裏づけます。
  • 3. 労働基準監督署へ。金額が大きいなら弁護士も
    最低賃金法違反、違法な長時間労働、法定休日の不付与、割増賃金の不払いはいずれも労働基準監督署の申告対象です。この規模の未払いになると、法テラスの無料法律相談や労働問題を扱う弁護士への相談が現実的な選択肢になります。すでに退職していても、時効の3年以内なら請求できます。契約書に「8時〜21時(8時間)」と書かれているなら、それ自体が実態との相違を示す証拠です。

この体験談に近いケース

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この記事を読んで「うちの会社も同じだ」と感じた方は、ページ上部のブラック度から5段階で投票してください。投稿された体験談とあわせて、職場の実態を可視化していきます。

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