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棚卸のバイトはきつい?終わるまで帰れない深夜作業の実態

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片道4時間の移動は無給…終業時刻が決まっていない棚卸という働き方

棚卸のバイトはきつい?終わるまで帰れない深夜作業の実態

女性・27歳の体験談
女性・27歳の体験談

私は以前「棚卸」の仕事をしていました。棚卸とは店舗に行き、店内と倉庫にある商品のデータと数量を確認する仕事になります。そこでは多くのヒドイ事がありましたが、特にブラック会社だと思う内容を取り上げます。

まずは作業時間についてです。店内と倉庫にある全ての商品のデータを取り込まなくてはいけないのですが、全て終わるまで作業することになります。終わらなかったら次の日、なんてことはありません。その為、その日の作業終了時間なんてものは一切分かりません。2時間程度で終わる事もあれば、12時間以上作業していることもありました

しかも仕事が終了してから次の日の集合時間まで1時間しかないということまでありました。意味が分かりませんよね。寝る時間どころか、家に帰る時間すらない日があったんです。さすがにその日は休みになりましたが、休む人が出ることでその日の出勤者に負担がかかり、結果作業時間が長引くという悪循環です。

次に作業人数です。まず店舗の大きさや過去の在庫量から作業人数が設定されます。しかしその作業人数の設定がおかしいときがあるのです。過去の在庫量から設定することが多いのですが、その在庫量が直近で大幅に増加していることが分かっていても人数を増やさないことがありました。人件費の節約なのかわかりませんが、作業をする前から作業時間が長引きそうと分かるのに人数を増やさず、結果1人あたりの作業時間が12時間とかになってしまうんです。しかもさらにヒドイときではそもそも設定の人数が揃わずに作業が開始されることがあります

最後にお給料についてです。この仕事は拘束時間が長く、しかもお給料が支払われるのは作業時間のみなんです。ようするに店舗までの移動時間がどんなに長くても、店舗で作業を開始させてからがお給料の発生開始となるんです。(ちなみに多くは営業所に集合してから店舗に移動という形になります)

店舗までの移動が短ければ良いのですが、ヒドイと片道3〜4時間もかかるようなところまで行くことになります。しかも遠い店舗での作業はしたくない、といったように作業場所を選ぶことはできませんし、前々からそれを知ることもできません

他の仕事に採用されなくて仕方なくここで仕事をするというのであれば諦めがつきますが、そうではない方はぜひ他の仕事をすることをおすすめします

 

みんブラ事務局の所見:営業所に集合させて現場へ運ぶ移動は指揮命令下にある。「終わるまで」は終業時刻を定めたことにならない。

みんブラ事務局の所見
みんブラ事務局の所見

みんブラ事務局・5段階判定棚卸の作業員/女性27歳の体験談
総合ブラック度4.4/5今すぐ労基署へ
労働時間5
賃金・残業代5
ハラスメント3
休暇4
法令違反リスク5
判定理由:全て終わるまで帰れないため、その日の終業時刻が一切わからない2時間で終わる日もあれば12時間を超える日もあった終了から次の集合まで1時間しかない日もあった。そして賃金が発生するのは店舗での作業時間のみで、営業所に集合してから片道3〜4時間かかる移動は無給だった。 読者投票:まだ投票がありません

終業時刻がわからない働き方は、就業規則の要件を満たしていない

この体験談で見落とされやすい違反から取り上げます。

投稿者はこう書いています。

「その日の作業終了時間なんてものは一切分かりません」。

ここを整理します。

労働基準法89条は就業規則に必ず記載しなければならない事項を定めています。

その第1号がこれです。

始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇

これを絶対的必要記載事項といいます。

つまりいつ始まりいつ終わるかは、

書いておかなければならないのです。

そして労働基準法15条も、

始業及び終業の時刻書面等で明示すべき労働条件としています。

ここで「終わるまで」という運用を見てください。

これは終業時刻を定めていないのと同じです。

もちろん残業が発生すること自体は違法ではありません。

ですが所定の終業時刻があって、それを超えた分が時間外という構造でなければ、

そもそも時間外が計算できません。

そのうえで、全体を確認します。

  • 業務は店舗の在庫データと数量の確認だった
  • 全て終わるまで作業し、翌日に持ち越すことはなかった
  • その日の終業時刻が一切わからない
  • 2時間で終わる日も、12時間を超える日もあった
  • 終了から次の集合まで1時間という日もあった
  • 在庫が増えているとわかっていても人数を増やさないことがあった
  • 設定した人数が揃わないまま作業を開始することもあった
  • 賃金が発生するのは店舗での作業時間のみ
  • 営業所に集合して店舗へ移動する形だった
  • 片道3〜4時間の現場もあり、選べず事前にもわからなかった

法律から見ると

移動時間終業時刻が中心の論点です。

体験談で実際に行われていたこと 抵触する条文 何が問題なのか
営業所への集合を指定しながら、店舗までの移動時間を無給としていた。 労働基準法32条
24条
集合場所と時刻が指定され、会社の指示で現場へ移動する時間指揮命令下にあり労働時間と評価されるのが原則。その分の賃金は発生する
その日の終業時刻が定まっておらず、事前に把握できなかった。 労働基準法89条1号
15条
始業・終業の時刻は就業規則の絶対的必要記載事項であり、書面等で明示すべき労働条件「終わるまで」は定めたことにならない
1日の作業が12時間を超えることがあった。 労働基準法32条
36条
37条
36協定なしの時間外労働は違法1日8時間超は25%以上の割増で、深夜帯にかかればさらに25%が加わる。
終了から次の集合まで1時間しかない日があった。 労働時間等設定改善法2条
労働契約法5条
勤務間インターバルの確保は事業主の努力義務帰宅も睡眠もできない間隔安全配慮義務の観点からも問題となる。
在庫増を把握しながら作業人数を増やしていなかった。 労働契約法5条
労働安全衛生法3条
要員計画は使用者の責任長時間化が予見できるのに人員を配置しないことは安全配慮義務の不履行にあたり得る。
設定した人数が揃わないまま作業を開始させていた。 労働基準法32条
労働契約法3条4項
不足分の負担は残る労働者に転嫁される予定した体制を欠いたまま作業させることは労働時間の長期化を招く。
長距離の移動を含む勤務地が事前に知らされていなかった。 労働基準法15条
就業場所の明示
就業の場所は明示すべき労働条件令和6年4月からは就業場所・業務の変更の範囲の明示も義務化された。
12時間を超える作業における休憩の付与が不明である。 労働基準法34条 6時間超で45分、8時間超で1時間の休憩労働時間の途中に与えなければならない。違反は6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金

※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。

この会社を糾弾する

この記事の核心は移動時間です。

先にそこから述べます。

投稿者の記述を引きます。

「お給料が支払われるのは作業時間のみなんです。ようするに店舗までの移動時間がどんなに長くても、店舗で作業を開始させてからがお給料の発生開始となるんです」。

そして重要なのがこの一文です。

「多くは営業所に集合してから店舗に移動という形になります」。

ここが決定的です。

会社はおそらく「移動は通勤だ」と言うでしょう。

ですが通勤とは何でしょうか。

自宅から勤務地まで、自分の判断で向かうことです。

経路も手段も自由です。

この件は違います。

  • 営業所に集合することが指示されている
  • 集合時刻が決められている
  • そこから会社の手配で移動する
  • 途中で離脱できない

これは指揮命令下です。

つまり営業所に着いた時点から労働時間と見るのが自然です。

そして片道3〜4時間という数字を思い出してください。

往復で6〜8時間です。

作業が12時間だった日と合わせれば、

拘束は20時間に達します。

そして賃金が出るのは12時間分だけです。

時間あたりに割り戻せば大きく目減りします。

次に終業時刻の問題です。

ここは金銭では測れない被害を生みます。

予定が立てられないのです。

2時間で終わる日もあれば、

12時間を超える日もある。

つまりその日の夜に何かを入れられません。

通院も、家族の予定も、学習も。

そして極めつけがこれです。

「仕事が終了してから次の日の集合時間まで1時間しかないということまでありました」。

投稿者自身が「意味が分かりませんよね」と書いています。

そのとおりです。

1時間では帰宅もできません。

そしてその日は休みになったと書かれています。

ですがここに次の問題が生まれます。

「休む人が出ることでその日の出勤者に負担がかかり、結果作業時間が長引くという悪循環です」。

この観察は正確です。

そして最後に人数の設定です。

投稿者はこう書いています。

「その在庫量が直近で大幅に増加していることが分かっていても人数を増やさないことがありました」。

ここが重要です。

予見できていたのです。

つまり12時間になるとわかっていて送り出したことになります。

これは見込み違いではありません。

選択です。

そしてこの働き方の設計をもう一段掘り下げます。

棚卸は店舗の営業に影響しない時間帯に行われます。

閉店後や早朝です。

ですから深夜にかかることが多い。

ここで労働基準法37条4項が効きます。

午後10時から午前5時の労働には25%以上の割増が必要です。

そして時間外と重なれば合計5割増です。

ところがこの会社は作業時間のみを賃金の対象としています。

つまり割増の計算基礎になる時間そのものが短く設定されているのです。

移動時間が労働時間と認められれば、

その日の労働時間が伸び

8時間を超える部分が増えることになります。

つまり移動時間の問題は割増賃金にも波及するのです。

そしてこの方の締めの一文を引きます。

「他の仕事に採用されなくて仕方なくここで仕事をするというのであれば諦めがつきますが、そうではない方はぜひ他の仕事をすることをおすすめします」。

ここは一点だけ補わせてください。

他に選択肢がなかった人でも、諦める必要はありません。

労働基準法は選択肢の多い人だけを守る法律ではありません。

移動時間の賃金も、

終業時刻の明示も、

休憩の付与も、

誰にでも同じように適用されます。

そして在職中でも退職後でも申告できます。

むしろ選択肢が少ない人ほど、法律を知っておく意味が大きいのです。

こういう会社は、今すぐ辞めていい

3つの理由を述べます。

  • 1. 終業時刻がわからない働き方は、生活が組めない
    2時間の日も12時間の日もあるのですから、予定を入れられません。通院も学習も人付き合いも諦めることになります。数年続ければ取り返せません。
  • 2. 移動が無給なら、遠い現場ほど時給が下がる
    片道3〜4時間の現場に当たれば、その日の実質時給は半分以下です。そして現場は選べません。努力で改善できない要素です。
  • 3. 人数を増やさない判断は、繰り返される
    在庫増を把握しても増やさなかったのですから、次も同じ判断でしょう。しわ寄せは毎回現場に来ます。

もし今、同じ状況にいるなら

  • 1. 営業所の集合時刻から、解散時刻まで記録する
    集合時刻、出発、店舗到着、作業開始、作業終了、営業所帰着を毎回書き留めてください。集合時刻からが労働時間という主張の土台になります。時効は当面3年です。
  • 2. 就業規則の始業・終業時刻を確認する
    労働基準法89条1号により始業・終業の時刻は記載が必須です。106条により就業規則は周知されるべきものですから、見せてほしいと求めることは正当です。
  • 3. 相談は、在職中でも退職後でもできる
    移動時間の賃金・労働時間・休憩労働基準監督署(匿名申告も可)。申告を理由とする不利益取扱いは104条2項で禁止されています。勤務間インターバルや要員配置総合労働相談コーナーでも相談できます。

この体験談に近いケース

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この記事を読んで「うちの会社も同じだ」と感じた方は、ページ上部のブラック度から5段階で投票してください。投稿された体験談とあわせて、職場の実態を可視化していきます。

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