営業成績のノルマをこなすために自爆営業強制強要。賞与は買い取りに充てる。非正規社員は借金も・・・。

年に数回の商品の自爆営業と、毎月数個の小包の自爆営業がある。
皆は給料ではなく現物支給をされているのだと自分に言い聞かせているけれど、数年も財政記しているとカタログの商品が全て一度は口にした事がある商品だらけになっている。このノルマは正社員だけでなくバイトにも課され、目標を達成できなければ時給や月給が下げられる恐れがある。実際に給料が下がりたくなかったら営業を頑張るようにと指導がある。
正社員はボーナスが出ても生活を潤すために使うのではなく、年末に向けての会社一押しの商品の自爆営業のために貯金するしかないのが現状である。アルバイトが正社員になれるように内部登用試験が開始されたが、結局は営業の成績次第なので、自分の給料だけではノルマをこなすことができず、キャッシングなどの借金をして正社員のノルマ以上の営業成績を上げて上司にアピールしなければならない。
慢性的に人手不足のために毎日数時間の残業は当たり前で、36協定に違反する時間は記録に残されず、サービス残業になる。もし交通事故などを起こせば本社支社から現場を知らない人がやってきて、マニュアルに書いてある通りに作業していないから事故が発生したのだと徹底的に叱責される。
正社員の場合は事件自体をもみ消すことが多いのだが、アルバイトには異常に厳しく、この叱責を恐れて毎月やめていく人後を絶たない。
みんブラ事務局の所見:自爆営業は2024年12月にパワハラ指針が名指しした行為。会社の販売失敗を従業員の家計に付け替えている。
「自爆営業」は、2024年に国が名指しした行為である
まず、この記事で最も重要な事実からお伝えします。
2024年12月、厚生労働省はパワハラ指針を改正し、「自爆営業」がパワーハラスメントに該当し得ることを明記しました。
それまで自爆営業は「昔からある商慣行」「営業の世界では当たり前」という言葉で扱われてきました。
ですが今は違います。国が名前を挙げて、ハラスメントの例として示した行為です。
そのうえで、この体験談を読んでください。
- 年に数回の商品と毎月数個の小包の自爆営業がある
- ノルマは正社員だけでなくアルバイトにも課される
- 未達なら時給や月給を下げられる恐れがあり、「給料が下がりたくなかったら営業を頑張るように」と指導される
- 正社員はボーナスを生活のためでなく、年末の自爆営業のために貯金する
- アルバイトの正社員登用試験は営業成績次第なので、キャッシングなどの借金をしてノルマを上回る必要がある
- 36協定に違反する時間は記録に残されず、サービス残業になる
- 事故が起きれば現場を知らない本社の人間が来てマニュアル通りでないと徹底的に叱責。正社員の事件はもみ消され、アルバイトには異常に厳しい
投稿者の一文が、この職場のすべてを表しています。
「皆は給料ではなく現物支給をされているのだと自分に言い聞かせている」。
そして、この一文が続きます。
「数年も財政記しているとカタログの商品が全て一度は口にした事がある商品だらけになっている」。
カタログの全商品を、自分の金で一度は買っているという意味です。
これは「たまたま買った」のではありません。会社が扱う商品のすべてを、従業員が一巡して買わされている。
販売会社としてこれが何を意味するか。どの商品も、外部の市場では売れていないということです。
法律から見ると
自爆営業は単独の違反ではありません。複数の法律に同時に触れる複合違反です。
| 体験談で実際に行われていたこと | 抵触する条文 | 何が問題なのか |
|---|---|---|
| ノルマ達成のために、従業員に自社商品を自費で購入させた。 | 労働施策総合推進法 30条の2 (パワハラ指針) |
2024年12月改正の指針が「自爆営業」を明記。業務上明らかに不要なことを強制する「過大な要求」、私的な負担を強いる「個の侵害」に該当し得るとされた。 |
| 購入代金が実質的に賃金から失われ、給与が現物支給と変わらない状態になっていた。 | 労働基準法24条 | 賃金は通貨で、直接、全額を支払うのが原則。購入を強制して事実上賃金を回収する行為は全額払いの原則の潜脱にあたる。現物給与は労働協約がなければ認められない。 |
| ノルマが未達なら時給や月給を下げると指導していた。 | 労働基準法91条 労働契約法9条 |
制裁としての減給は1回の額が平均賃金の1日分の半額、総額が一賃金支払期の賃金総額の10分の1を超えてはならない。賃金の一方的な引下げは労働者の同意なしにできない。 |
| 正社員登用の可否を営業成績で決め、借金をしてでも成績を上げる状況を作った。 | 労働施策総合推進法 30条の2 労働基準法17条 |
借金をしなければ達成できない水準のノルマは「過大な要求」にあたる。労働と金銭の貸借を結びつけて身分を拘束する構造は、前借金相殺の禁止が想定した弊害そのものである。 |
| 36協定に違反する時間を記録に残さず、サービス残業にしていた。 | 労働安全衛生法 66条の8の3 労働基準法108条・109条 |
事業者には労働時間の状況を客観的な方法で把握する義務がある。賃金台帳への虚偽記入および記録の3年間保存義務違反にも該当する。 |
| アルバイトにも同じノルマを課し、事故対応では正社員と差をつけた。 | パートタイム・有期雇用 労働法8条・9条 |
職務内容が同じなら不合理な待遇差は禁止。ノルマだけ同一で、処分の厳しさに差をつけるのは均衡・均等待遇の原則に反する。 |
| 取引上の立場を利用して、従業員や関係者に商品購入を求めていた。 | 独占禁止法2条9項5号 | 優越的地位にある者が相手方に商品の購入を強制する行為は「購入・利用強制」として優越的地位の濫用に該当し得る。 |
※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。
自爆営業を糾弾する
自爆営業がなぜ悪質なのか。「かわいそうだから」ではありません。仕組みとして説明します。
自爆営業は、会社の販売失敗を、従業員の家計に付け替える行為です。
順に見ます。
会社が10万個の商品を作り、市場では6万個しか売れなかったとします。本来これは企画の失敗です。
需要を読み違えた。価格が高すぎた。商品に魅力がなかった。失敗の原因は会社の中にあります。
ところが、残り4万個を従業員が買えば、帳簿の上では10万個が売れたことになります。
ここで何が起きたか。
- 会社は、失敗しなかったことになる
- 企画した人間は、責任を問われない
- 商品は、来年も改善されずに作られる
- 従業員だけが、減った給料と、売れなかった商品の山を抱える
失敗の情報が、消えるのです。
これが自爆営業の本質的な害です。会社が学習する機会を、従業員の金で買って握りつぶしている。
だから自爆営業のある会社では、商品はいつまでも良くならず、ノルマだけが毎年続くのです。
そして、この会社はさらに一線を越えています。
「キャッシングなどの借金をして正社員のノルマ以上の営業成績を上げて上司にアピールしなければならない」。
読み直してください。正社員になるために、アルバイトが借金をしている。
これは雇用ではなく、入場料です。金を払って、働く権利を買っているのと変わりません。
そして、その借金は正社員になれても残ります。正社員になれば今度はボーナスを自爆営業に充てる生活が待っている。
どの段階にも、出口がありません。
この構造には、名前がついています。「働くために金を払う」という状態は、労働法が最も警戒してきたものです。
労働基準法17条は前借金と賃金の相殺を禁じています。金銭の貸借で人を職場に縛りつけることを防ぐための条文です。
この職場で起きているのは、会社が直接貸すかわりに、消費者金融を経由させた同じことです。会社は貸主にならずに、拘束の効果だけを手に入れています。
最後に、事故対応の記述について。
「正社員の場合は事件自体をもみ消すことが多いのだが、アルバイトには異常に厳しく」。
交通事故をもみ消す会社です。被害者がいるかもしれない事故を、正社員のときだけ隠す。
この会社が守っているのは安全ではなく、体面です。
さらに、この扱いの差には実務上の理由があります。
正社員の事故を表沙汰にすれば、会社の管理責任が問われます。長時間労働との関係も追及される。「毎日数時間の残業は当たり前」という実態が表に出てしまいます。
一方、アルバイトを厳しく叱責して自主的に辞めさせれば、会社は何のコストも負いません。解雇ではないので記録にも残らない。
投稿者は「この叱責を恐れて毎月やめていく人後を絶たない」と書いています。
毎月、人が辞めている。それでも会社が回っているのは、辞めることが想定内だからです。
使い切って、辞めさせて、また採る。ノルマのための自爆営業と、この使い捨ては、同じ発想から出ています。従業員を、費用を負担させる相手として見ているという発想です。
この会社は、今すぐ辞めていい
判定は「今すぐ労基署へ」としました。この職場は辞めるだけでは取り返せないものがあるからです。
- 1. 払った金は、取り戻せる可能性がある
自爆営業の購入代金は、強制の実態が認められれば返還を求められる余地があります。不払い残業代は3年分。ただし記録がなければ請求もできません。辞める前に、証拠を集めてください。辞めた後では社内の資料に触れられなくなります。 - 2. 借金は、辞めても消えない
ノルマのために作ったキャッシングは、退職しても残ります。在籍が長いほど、残高は積み上がる。「もう少し頑張れば正社員に」と考えている間にも利息は増え続けています。この職場で最も急を要するのは、借金を止めることです。 - 3. 「現物支給」だと思い込むほど、生活は壊れる
投稿者は「現物支給をされているのだと自分に言い聞かせている」と書いています。ですが買わされているのは、自分が必要としていない商品です。食べきれない食品、使わない日用品。必要のないものは、いくら手元にあっても生活費の代わりにはなりません。家賃も光熱費も現金で出ていきます。「実質的に給料が減っている」と正しく認識することが、抜け出す最初の一歩です。 - 4. この業態は、いつか行政の対象になる
自爆営業は2024年に指針で名指しされ、年賀状・保険・小売の分野で実際に是正が進んでいます。時代の側が変わりました。いま我慢しても、この働き方に将来性はありません。
もし今、同じ状況にいるなら
- 1. 購入の証拠を、今日から残す
ノルマ表・購入申込書・レシート・給与明細・社内チャットやメールの指示文言。特に「給料が下がりたくなかったら頑張れ」のような発言は日時・発言者・場所とセットでメモしてください。会話の当事者であれば録音は適法に行えます。 - 2. 労働時間は、自分の記録でも証拠になる
会社が36協定超過分を記録していないなら、自分でつけた出退勤メモ・スマホの位置情報履歴・交通系ICカードの履歴・業務メールの送信時刻が証拠になります。手書きのメモでも、継続的につけていれば証拠力が認められます。 - 3. 相談先は、内容ごとに分かれている
サービス残業・賃金の不払い・36協定違反は労働基準監督署(匿名申告も可)。自爆営業の強制・パワハラは各都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料・予約不要)。借金の返済が生活を圧迫しているなら法テラスや日本クレジットカウンセリング協会へ。3つとも同時に進めて構いません。
この体験談に近いケース
この体験談に近いケースとして、あわせて読まれている記事です。
- 高齢者・障害者に高額商品を売りつける悪徳訪問販売会社で働いてみた結果。
- 形だけの成果主義。頑張っても報われない評価制度のカラクリ。
- パワハラの事例・具体例まとめ。上司「親の顔が見てみたいわ」と部下を罵倒する。
- 社長に借金する幹部たち。前借金相殺の禁止という条文があります。
この記事を読んで「うちの会社も同じだ」と感じた方は、ページ上部のブラック度から5段階で投票してください。投稿された体験談とあわせて、職場の実態を可視化していきます。





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