お客様第一主義に魅力を感じ入社したら、社長様第一主義の会社だった。経営者様を社員総出でお出迎え!

新卒で入社した会社は「ザ・ブラック」というような会社でした。
会社説明会では、勤続年数に関わらず業績を上げた社員を評価する、女性社員の産休育休の取得可、毎年の社員旅行は海外、など、今考えればありえないと思うことばかりあげつらっていました。
休みは月8回シフト制とありましたが、入社後に先輩社員からすべてが「真っ赤なウソ」であると教えられました。
説明会や面接時には真摯に回答してくれ、雰囲気も良かったため、経験も知識もない学生だった私には「良い会社」にしか映りませんでした。
実際入社すると、社長以下幹部はみな親戚一同で固められていました。
社長が店舗回りをするときは、妻の副社長やお付きの者がぞろぞろやってきます。店舗全員でお出迎えが当たり前。接客以外で出迎えに遅れると、全社通達でつるし上げでした。
社長の意向で顧客対応は店長がメインでした。他のスタッフはよほど忙しくない限り接客を許されませんでした。接客ができないということは、業績が伸びるわけがなく、給与に反映されることはありません。さらに、店舗の月の売り上げが前年度割れを起こすと給与は減額されていき、基本給割れは日常茶飯事でした。
休日の日数も一般社員は4~5回で、店長クラスは2~3回、エリア長クラスは年に6回程度の人もいました。一日の拘束時間もゆうに10時間は超えていました。
月に一度給料日には全店閉店後に本社に集合、午後11時すぎまで社長の小言を聞かされ、最後の最後に3万円のみ現金支給。声をそろえて社長一族への感謝の意を伝えて終了。
そのあとすぐに帰宅できるわけもなく、社長一族が帰るのを待って、役職順に帰宅。最後は新人が駐車場を閉めて完了でした。せっかくの給料日なのに、まったくありがたくない日々でした。
お客様第一主義にひかれたのに、社長様第一主義の会社に驚き3か月で辞めました。
みんブラ事務局の所見:社長一族が帰るのを待つ時間も労働時間である。接客を禁じておいて、業績が伸びないと減給する。
「待っている時間」も労働時間である
この体験談には労働時間の考え方を示す、教科書のような場面が出てきます。
まず事実を確認します。
- 会社説明会では勤続年数に関わらず業績を上げた社員を評価、女性社員の産休育休の取得可、毎年の社員旅行は海外と説明された
- 休みは月8回シフト制とあったが、入社後に先輩社員からすべてが「真っ赤なウソ」だと教えられた
- 実際は社長以下幹部がみな親戚一同で固められていた
- 社長の店舗回りには妻の副社長やお付きの者がぞろぞろやってきて、店舗全員でお出迎えが当たり前。接客以外で出迎えに遅れると全社通達でつるし上げだった
- 顧客対応は店長がメインで、他のスタッフはよほど忙しくない限り接客を許されなかった。接客できなければ業績は伸びず、給与にも反映されない
- 店舗の月の売上が前年度割れを起こすと給与は減額され、基本給割れは日常茶飯事
- 休日は一般社員で月4〜5回、店長クラスで2〜3回、エリア長クラスは年に6回程度の人もいた
- 1日の拘束時間もゆうに10時間は超えていた
- 給料日は全店閉店後に本社集合、23時すぎまで社長の小言、最後に3万円のみ現金支給。声をそろえて社長一族への感謝の意を伝えて終了
- その後も社長一族が帰るのを待って役職順に帰宅。最後は新人が駐車場を閉めた
最後の一項目に注目してください。
社長一族が帰るまで、社員は帰れませんでした。
この時間は何をしているわけでもない。ただ待っているだけです。
それでも——これは労働時間です。
法律から見ると
この事例は労働時間の定義が中心になります。正確に整理します。
| 体験談で実際に行われていたこと | 抵触する条文 | 何が問題なのか |
|---|---|---|
| 社長一族が帰るまで、社員は帰宅できなかった。 | 労働基準法32条 (手待時間の法理) |
労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいう。作業をしていなくても、その場を離れられない「手待時間」は労働時間と判例上確立している。 |
| 店舗全員での出迎えを義務づけ、遅れると全社通達でつるし上げた。 | 労働基準法32条 労働施策総合推進法 30条の2 |
参加が事実上強制されている以上、出迎えと待機の時間は労働時間。全社に名前を晒す形での叱責は「精神的な攻撃」にあたる。 |
| 給料日に全店閉店後の集合を命じ、23時すぎまで拘束した。 | 労働基準法32条 37条4項 |
業務命令による集合である以上、全時間が労働時間。午後10時以降には25%以上の深夜割増が発生し、所定を超える分には時間外割増も必要。 |
| 給与のうち3万円のみを現金で手渡していた。 | 労働基準法24条 | 賃金は通貨で、直接労働者に、全額を、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。支払いの実態が明細と一致しているかが確認されるべきである。 |
| 店舗の売上が前年度を割ると、給与を減額していた。 | 労働基準法91条 労働契約法9条 |
減給の制裁は1回の額が平均賃金1日分の半額、総額が一賃金支払期の賃金総額の10分の1まで。基本給を下回る減額は労働条件の不利益変更としても問題になる。 |
| 休日が月2〜3回、エリア長は年6回程度という状態だった。 | 労働基準法35条 119条 |
毎週少なくとも1回、または4週を通じ4日以上の休日が必要。年6回の休日は明白な違法で、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金。 |
| 説明会で述べた労働条件が、実態とまったく異なっていた。 | 職業安定法5条の3 65条 労働基準法15条2項 |
虚偽の条件を提示して募集した者は6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金。相違する場合、労働者は即時に契約を解除でき、帰郷旅費の請求も可能。 |
| 全員で声をそろえて社長一族への感謝を述べさせていた。 | 憲法19条 民法90条 労働契約法3条5項 |
内心と異なる意思表明を強制する業務命令は業務上の必要性を欠き、公序良俗違反・権利濫用と評価され得る。 |
※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。
この会社を糾弾する
この会社の構造を一言で表します。
この会社は、社員の時間を「無料の資源」として扱っていました。
順に見ていきます。
まず、出迎えの時間。
社長が店舗を回るたび、店舗全員が出迎えます。
その間売上は1円も上がりません。むしろ接客が止まる分、機会損失です。
それでも遅れると全社通達でつるし上げられる。
接客より、出迎えのほうが優先される会社だったということです。
次に、接客の禁止。
ここが最も理不尽です。
「社長の意向で顧客対応は店長がメインでした。他のスタッフはよほど忙しくない限り接客を許されませんでした」。
そしてその結果が、こうなります。
「接客ができないということは、業績が伸びるわけがなく、給与に反映されることはありません」。
読み返してください。
会社が接客を禁じ、その結果として業績が伸びず、業績が伸びないことを理由に給与が上がらない。
会社説明会では「勤続年数に関わらず業績を上げた社員を評価する」と言っていました。
業績を上げる手段を会社が取り上げているのに、です。
そして売上が前年を割ると給与が減額される。
上がる道は塞がれ、下がる道だけが開いている。
そして、給料日です。
この日の流れをもう一度追ってください。
- 全店が閉店した後に本社へ集合
- 23時すぎまで社長の小言
- 最後に3万円のみ現金支給
- 声をそろえて社長一族への感謝の意を伝える
- 社長一族が帰るのを待つ
- 役職順に帰宅
- 最後は新人が駐車場を閉める
この7段階のうち、業務といえるものが一つでもあるでしょうか。
閉店後の集合も、小言を聞く時間も、感謝を述べる時間も、一族を待つ時間も——すべて労働時間です。
使用者の指揮命令下に置かれているからです。
そして午後10時以降には深夜割増が発生しています。
投稿者は「せっかくの給料日なのに、まったくありがたくない日々でした」と書いています。
ありがたくないのは当然です。給料日が、最も長く働かされる日だったのですから。
最後に、「役職順に帰宅」という仕組みについて。
これは下の者ほど長く拘束されるということです。
そして最後は新人が駐車場を閉める。
最も給料の低い人間が、最も長く拘束される。
そして、この会社にはもう一つの問題があります。
会社説明会で述べられた「女性社員の産休育休の取得可」という説明です。
これも「真っ赤なウソ」の一つでした。
ですが産前産後休業も育児休業も、会社が「取得可」と言うかどうかの話ではありません。
産前6週間・産後8週間の休業は労働基準法65条、育児休業は育児・介護休業法が定めた権利です。
説明会で「取得可」とわざわざ言う会社は、実績がない可能性を疑ってください。
制度があることは当たり前です。聞くべきは「直近3年で何名が取得し、何名が復職したか」という数字です。
さらに「毎年の社員旅行は海外」という説明もありました。
休日が月4〜5回、店長クラスで2〜3回という職場で、いつ行くのでしょうか。
数字を並べれば、矛盾はすぐに見つかります。
この会社の価値観が、この一点に凝縮されています。
この会社は、今すぐ辞めていい
投稿者は3か月で辞めました。正しい判断です。3点補足します。
- 1. 「待たされた時間」も、賃金請求できる
社長を待つ時間、小言を聞く時間、出迎えのために待機する時間。これらはすべて労働時間です。その場を離れる自由がなければ、作業をしていなくても労働時間とされるのが判例です。3年分さかのぼって請求できます。 - 2. 年6回の休日は、議論の余地なく違法
労基法35条は毎週1回、または4週で4日の休日を義務づけています。年6回では、どのように計算してもこの基準を満たしません。労基署が最も動きやすい類型の違反です。 - 3. 説明会の内容は、証拠として残せる
「勤続年数に関わらず評価」「産休育休の取得可」「休みは月8回」。これらが「真っ赤なウソ」なら職業安定法65条違反です。説明会の資料・求人票・メールのやりとりを保存してください。労基法15条2項により、即時に契約を解除できます。
もし今、同じ状況にいるなら
- 1. 「拘束されていた時間」を、全部書き出す
会社にいた時刻から、会社を出た時刻までを毎日記録してください。「業務をしていたか」ではなく「帰れたか」で判断します。帰れなかった時間は、原則として労働時間です。給料日の集合は、深夜割増の対象になります。 - 2. 現金支給なら、明細と突き合わせる
給与明細に記載された総支給額と、実際に受け取った金額を毎回確認してください。「3万円のみ現金支給」の残りがどう処理されているかが重要です。明細は必ず保存を。受け取った金額をその場でメモすれば差額の証明になります。 - 3. 休日違反は、労基署への申告が効く
休日の不足は、シフト表という客観的な証拠が残る類型です。シフト表を毎月撮影してください。相談先は労働基準監督署(休日・労働時間・割増賃金・賃金の支払い)。匿名での申告も受け付けています。ハラスメントは各都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料・予約不要)へ。
この体験談に近いケース
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この記事を読んで「うちの会社も同じだ」と感じた方は、ページ上部のブラック度から5段階で投票してください。投稿された体験談とあわせて、職場の実態を可視化していきます。





「働きにくさNo.1!。理不尽な社長第一主義企業(一族経営)に勤めた体験談。」に1件のコメントがあります
匿名
(2018年11月29日 - 8:53 PM)上司の言う事は絶対で。一番上のトップが情報で部下をコントロールしています。個人情報は盗むわ、お金は取るわ最低な会社です。とくにひどいのは、休みを社員で過ごさせる風潮ですね。せっかくの休みまで上司の機嫌をとらなければならないとゆう屈辱です。私の同僚何人かが、嫌で退職しました。こんなブラック企業ありますか?
私はその会社に五年もいてます。昼休みまで時間を共有させられるようになり最近ではかなりうざくなってきました。
みなさんも、そんな経験ありますか?
後、朝早く来て会社の掃除、サービス残業が当たり前のようにあります。
従業員も続きません。会社の業績は落ちていき、仕事はしんどくなる一方ですね。経営が間違うとこうなるんですね。
ボーナスも前の社長から変わってからかなり減ったみたいです。
経営が悪化し、営業はしない、前代のコネから仕事はきていると思われます。
時代にあった経営方針をしていかないとこれからの時代はやっていけないと思います。阿保な経営陣を持つとら下が大変です。それがよくわかりました。今どき、古い経営方針を続ける会社に未来はないと思います。
私はその内今の会社を辞めて独立しようと思います。こんなクズの会社のおかげで新しい道を見つけました。