残業100時間で給料カット!自殺者が出ても強制墓参りをさせる一族経営の地獄

以前働いていた会社での体験談になります。
私が働いていた会社はワンマン経営の会社で一族で経営をしているところでした。一族経営のためあたたかい社風でよくいえば会社内の付き合いがすごく深く助け合いの精神に溢れている部分もあるらしいのですが、私が見た限りそういったこともなく昔からあるしがらみだらけの会社でした。
労働時間も長く月の残業100時間超えは当たり前、当然残業代などは出たこともなく過去に過労で自殺者が出て裁判が起きたにもかかわらず労働環境が一切見直されることのない会社でした。
それだけでも法律違反でブラック企業といわれてもおかしくありませんが、ブラック企業だと感じさせられた出来事が2つほどあります。まず一つ目は経営者の墓参りが会社行事となっている点です。さして問題ではないように思われますが、休みの日に強制的に出勤させられて墓参りをさせられるという点について異常でした。当然代休など発生しません。特に必要性のない記念品などを渡されて終わりにさせられていました。
2つ目は目標管理の無計画性と未達成時の対応についてです。前年の120%を達成するという無茶な目標管理をしていた上、未達の時期が長引いた際月の給与を10%カットされていました。この10%カット時に一部社員の給与が法律上の条件を下回ってしまったためすぐに取りやめられましたが毎年数%ずつ上昇しているにもかかわらず翌年も前年の120%と必要に120%という数字に捕らわれていたのが非現実的でした。
一代で全国展開する会社を作り上げたのはすごいですが現在の市場と社員の能力を過大評価した影響がこのような事態になったと考えられます。昔からある企業は1つのコミュニティとして確立されている会社が多く意見をいうのも難しいため気に入らない人はやめていくしかありませんでした。
いつ思い出してもやめて正解だったと言い切れます。まだ続けている同僚もいますので死なないように仕事をしてほしいと思っています。
みんブラ事務局の所見:過労自殺の裁判があってなお環境を変えなかった。予見できたかを論じる段階を超えている。
自殺者が出て裁判になっても、環境が変わらなかった
この体験談で最も重い一文から始めます。
「労働時間も長く月の残業100時間超えは当たり前、当然残業代などは出たこともなく過去に過労で自殺者が出て裁判が起きたにもかかわらず労働環境が一切見直されることのない会社でした」。
ここには3つの事実が含まれています。
- 過労による自殺者が出た
- 裁判になった
- それでも労働環境は見直されなかった
3つ目が決定的です。
通常、過労死や過労自殺で裁判になれば、会社は労働時間の管理を見直します。
再発すれば、次はより重い責任を問われるからです。
それでも変えなかったということは、知ったうえで継続していたということです。
そのうえで、全体を確認します。
- ワンマン経営の一族経営で、昔からあるしがらみだらけの会社だった
- 月の残業100時間超えは当たり前で、残業代は出たこともない
- 過労で自殺者が出て裁判が起きたが、労働環境は一切見直されなかった
- 経営者の墓参りが会社行事で、休みの日に強制的に出勤させられた。代休は発生しない
- 必要性のない記念品を渡されて終わりだった
- 前年の120%を達成するという無茶な目標管理をしていた
- 未達の時期が長引くと月の給与を10%カットされた
- 一部社員の給与が法律上の条件を下回ったためすぐに取りやめられた
- それでも翌年も前年の120%という目標が繰り返された
- 意見を言うのも難しく、気に入らない人はやめていくしかなかった
法律から見ると
労働時間・墓参り・給与カットの3つに分けて整理します。
| 体験談で実際に行われていたこと | 抵触する条文 | 何が問題なのか |
|---|---|---|
| 月100時間超の残業が常態化し、残業代が支払われていなかった。 | 労働基準法36条 37条 119条 |
時間外労働は単月100時間未満・複数月平均80時間以内が絶対的上限。100時間超えが当たり前なら上限を恒常的に超えており、割増賃金の不払いも罰則の対象。 |
| 過労による自殺と裁判があったのに、労働環境を見直さなかった。 | 労働契約法5条 労働安全衛生法3条 |
使用者は労働者が生命・身体等の安全を確保しつつ労働できるよう必要な配慮をする義務を負う。結果を認識しながら是正しないことは、予見可能性が明白な状態での不作為である。 |
| 休日に、経営者の墓参りへの出勤を強制していた。 | 労働基準法35条 37条 労働施策総合推進法30条の2 |
参加が強制されている以上、労働時間。法定休日の労働には35%以上の割増賃金が必要で、業務上の必要性を欠く行事の強制は「過大な要求」にあたり得る。 |
| 目標未達を理由に、月の給与を10%カットしていた。 | 労働基準法91条 労働契約法9条 |
制裁としての減給は総額が一賃金支払期の賃金総額の10分の1を超えてはならない。10%カットはこの上限に達しており、賃金の一方的な引下げには労働者の同意が必要。 |
| 給与カットにより、一部社員の給与が法定の水準を下回った。 | 最低賃金法4条 40条 |
最低賃金額未満の定めは無効となり、最低賃金額で契約したものとみなされる。50万円以下の罰金が定められている。 |
| 毎年、前年比120%という達成困難な目標を課し続けていた。 | 労働施策総合推進法 30条の2 |
業務上明らかに達成不可能な目標を課し、未達を理由に不利益を与える行為は「過大な要求」にあたり得る。 |
| 代休を与えず、記念品の配布のみで済ませていた。 | 労働基準法24条 37条 |
賃金は通貨で支払うのが原則で、現物給与は労働協約がなければ認められない。代休を与えても割増賃金の支払義務は消えない。 |
| 意見を述べることが困難な組織風土が定着していた。 | 労働施策総合推進法 30条の2 公益通報者保護法11条 |
事業主には相談窓口の設置と周知が義務づけられ、常時使用する労働者が300人を超える事業者には内部通報体制の整備が義務とされている。 |
※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。
この会社を糾弾する
この会社の異常さは「前例があるのに変えなかった」という一点に集約されます。
過労自殺が起き、裁判にまでなったのです。
その時点で会社は何が起きるかを知りました。
そして知ったうえで同じ環境を続けた。
安全配慮義務の判断では予見可能性が重要な要素になります。
結果が予見できたかという問いです。
この会社の場合、すでに起きているのです。
予見できたかどうかを論じる段階を超えています。
次に、墓参りです。
投稿者は「さして問題ではないように思われますが」と書いています。
事務局は問題だと考えます。
理由を述べます。
第一に、休日が奪われている点です。
休みの日に強制的に出勤させられ、代休も発生しません。
労働基準法35条が定める休日は労働義務から完全に解放される日です。
出勤が強制される日は休日ではありません。
第二に、業務との関係がない点です。
創業者の墓参りは会社の事業に何も寄与しません。
売上も上がらず、技術も身につかない。
第三に、記念品で終わっている点です。
投稿者は「特に必要性のない記念品などを渡されて終わりにさせられていました」と書いています。
賃金は通貨で支払うのが原則です。
記念品は、休日出勤の対価になりません。
そして、給与カットです。
ここにはこの会社が自ら認めた事実があります。
「この10%カット時に一部社員の給与が法律上の条件を下回ってしまったためすぐに取りやめられました」。
下回ったのです。
つまり最低賃金法に違反する状態が実際に発生していたことになります。
そして取りやめたのは違法だと気づいたからです。
ここで問うべきは下回らなかった社員のことです。
その人たちのカットは続いたのか。
減給の制裁は総額が一賃金支払期の賃金総額の10分の1までと定められています。
10%カットはこの上限に達しています。
そして、そもそも目標未達が制裁の対象になるかという問題があります。
目標は前年の120%でした。
投稿者が指摘するとおり「毎年数%ずつ上昇しているにもかかわらず翌年も前年の120%」という設定です。
達成し続けることが構造的に不可能な目標でした。
最後に、投稿者の言葉を引きます。
「まだ続けている同僚もいますので死なないように仕事をしてほしいと思っています」。
この一文が、この会社の現在地を示しています。
そして、この会社の目標設定についてもう一点書きます。
前年の120%という目標は、複利で増えていきます。
1年目に達成すれば2年目は元の144%。3年目は約173%です。
3年で市場が1.7倍になる保証はどこにもありません。
投稿者が「現在の市場と社員の能力を過大評価した」と書くとおりです。
そして、その達成できない目標の未達を理由に給与が削られていたのです。
失敗するように設計された制度でした。
そして、この会社に残っている人たちのことも考えてください。
意見を言うのも難しく、気に入らない人はやめていくしかなかったのです。
つまり残っているのは、声を上げない人ということになります。
問題を指摘する人から順に抜けていく組織では、是正の力が内側から失われます。
だからこそ外部の窓口が必要なのです。
そして、その窓口は無料で使えます。
この会社は、今すぐ労基署へ相談すべきである
3点述べます。
- 1. 月100時間超は、絶対的上限を超えている
時間外労働の上限は単月100時間未満です。特別条項があっても超えられません。「当たり前」になっているなら、常態的に違反していることになります。労基署が最も重く見る類型です。 - 2. 過去の裁判は、記録として残っている
過労自殺の裁判があったという事実は、会社が危険を認識していた証拠になります。その後も改善しなかったことは、安全配慮義務違反を主張するうえで極めて重い要素です。 - 3. 墓参りの日も、賃金請求の対象
強制的に出勤させられた日は労働時間です。法定休日なら35%以上の割増賃金が発生します。いつ、何時間拘束されたかを記録してください。
もし今、同じ状況にいるなら
- 1. 労働時間を、自分で記録する
残業代が出ていないなら、会社の記録もあてにならない可能性があります。出退勤時刻のメモ・PCのログオン/ログオフ時刻・入退館記録・スマホの位置情報履歴を保存してください。3年分さかのぼって請求できます。 - 2. 身体のサインを、軽く見ない
月100時間超は過労死ラインを大きく超える水準です。眠れない、食欲がない、出勤前に動悸がするならすぐに受診してください。月80時間を超えていれば、医師の面接指導を自分から申し出ることもできます(労安衛法66条の8)。 - 3. 相談先は、複数ある
労働時間・割増賃金・休日・減給は労働基準監督署(匿名申告も可)。意見が言えない組織なら個人加入できる労働組合も選択肢です。
つらいときは、こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 へ。
この体験談に近いケース
この体験談に近いケースとして、あわせて読まれている記事です。
- 自分でつけた記録で残業代を支払わせた事例。月平均110時間の残業。
- 家族経営会社の社員=会長の使用人。ストレスとケンカで退職する従業員続出。
- お客様第一主義に魅力を感じ入社したら、社長様第一主義の会社だった。
- 80時間で記録を止めるのは、数字の意味を知らなければできない。
この記事を読んで「うちの会社も同じだ」と感じた方は、ページ上部のブラック度から5段階で投票してください。投稿された体験談とあわせて、職場の実態を可視化していきます。





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