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ブラック企業を退職して未払い残業代を請求した体験談|勝ち取るまでの全記録

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ブラック企業は許さない!未払い残業代を勝ち取り退職した私の全記録

ブラック企業を退職して未払い残業代を請求した体験談|勝ち取るまでの全記録

女性・41歳の体験談
女性・41歳の体験談

中途で入社しました。一部上場企業のグループ会社だったので安心していました。

面接の時に残業は月20時間程度と聞いてましたが、実際に入社すると100時間越えが常態化しており、休日出勤が当たり前の職場でした。残業手当は固定残業20時間分はもらえますが、それ以上は手当はつかず、タイムシートは有名無実化していました。

転職エージェントを通じてもらったオファーレターには20時間を超えた分の残業代を支払う旨の記載がありましたので、それを提示して会社と交渉しました。会社側は「上司の許可も取らずに勝手に残業していた。」とこちらに非があるような言い方をしてきましたが、残業を申請する制度そのものが整備されておらず残業の事前許可など取れる状況にはありませんでした。

最終的に「例外的に」ということで未払い残業代は全額支払われましたが、他の社員の残業代は未払いのままできつく口止めをされました。多くの社員が残業代も払われないまま、長時間労働に従事していたので、ストレス発散なのか、若い女性をターゲットにしたいじめやセクハラも横行していました。

退社した決め手は年間休日を大幅に減らすよう会社規則を一方的に変更したことです。これをきっかけにいっきに10人以上辞めるという事態になりました。土日が休日ではなくなってしまったので特に子供のいる女性社員は保育所に預けることもできず、止めざるをえない状況になりました。教育関係の業務を行っている会社だっただけに、会社理念と大きくかけ離れた社内環境にがっかりさせられました。

 

みんブラ事務局の所見:全額を取り戻せた理由は、オファーレターが手元にあったからである。口外禁止に法的効力はない。

みんブラ事務局の所見
みんブラ事務局の所見

みんブラ事務局・5段階判定外資系企業の勤務/女性41歳の体験談
総合ブラック度3.8/5証拠を集めて交渉を
労働時間4
賃金・残業代4
ハラスメント3
休暇4
法令違反リスク4
判定理由:面接で残業は月20時間程度と聞いていたが、実際は月100時間を超えるのが常態だった。オファーレターの記載を提示して会社と交渉し、未払い残業代は全額支払われた。ただし他の社員には口外しないよう求められた。その後会社は年間休日を一方的に削減し、10人以上が退職した。 読者投票:まだ投票がありません

この体験談は、書面を持っていた人の記録である

この体験談は当サイトに寄せられたものの中で珍しい性質を持っています。

取り戻せたのです。

投稿者はこう書いています。

「オファーレターの記載を提示して交渉した結果、未払いの残業代は全額支払われました」。

ここで何が決め手だったかを確認します。

オファーレターです。

つまり書面が手元にあったということです。

ここはこの記事で最も重要な部分ですので、後段で詳しく述べます。

そのうえで、全体を確認します。

  • 面接では残業は月20時間程度と説明されていた
  • 実際には月100時間を超えるのが常態だった
  • オファーレターの記載を提示して交渉した
  • その結果未払いの残業代は全額支払われた
  • ただし他の社員には口外しないよう求められた
  • その後会社は年間休日を一方的に削減した
  • 10人以上が退職した

つまり個人としては勝ち、会社は変わらなかったという記録です。

ここで月100時間という数字の意味を押さえておきます。

月に20日働くとすれば、

1日あたり5時間の残業です。

定時が9時から18時なら終わるのは23時です。

それが毎日続いたということです。

そして脳・心臓疾患の労災認定基準では、

発症前1か月におおむね100時間、または2〜6か月平均でおおむね80時間を超える時間外労働は業務との関連性が強いとされています。

つまり倒れたときに労災と認められる水準で働いていたのです。

法律から見ると

労働条件の相違労働条件の不利益変更が論点です。

体験談で実際に行われていたこと 抵触する条文 何が問題なのか
面接で月20時間と説明しながら、実際は月100時間超が常態だった。 労働基準法15条
職業安定法5条の3
労働時間は明示すべき労働条件であり、募集時にも的確に示す義務がある。相違があれば労働者は即時解除できる(15条2項)。
月100時間を超える時間外労働が常態化していた。 労働基準法36条6項 特別条項があっても単月100時間未満・複数月平均80時間以内が上限。違反は6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金
月80時間超の時間外労働に対する医師の面接指導が確認できない。 労働安全衛生法66条の8
同規則52条の2
時間外・休日労働が月80時間を超え疲労蓄積がある者から申出があれば医師による面接指導が義務労働時間の把握自体も義務である。
支払いにあたり、他の社員への口外を禁じた。 労働基準法104条2項
民法90条
権利行使を他の労働者に知らせない措置全体の権利行使を妨げる働きかけにあたり得る。合意しても法定の権利は消えない
年間休日を一方的に削減した。 労働契約法8条
9条
10条
労働条件の変更には労働者の合意が必要就業規則による不利益変更は合理性がなければ効力を生じない
休日削減について、労働者への説明・協議の形跡がない。 労働契約法10条
労働基準法90条
変更の合理性は不利益の程度、変更の必要性、内容の相当性、交渉の経緯等で判断される。就業規則の変更には過半数代表者の意見聴取が必要。
休日削減の結果、10人以上が退職した。 労働契約法5条
労働施策総合推進法
使用者には職場環境への配慮義務がある。大量離職は変更の相当性を否定する事情として評価され得る。
残業代の未払いが、請求するまで放置されていた。 労働基準法37条
24条
割増賃金は請求の有無にかかわらず支払義務がある請求した人にだけ払う運用は義務の履行とはいえない。

※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。

この会社を糾弾する

この記事では二つのことを同時に述べます。

一つは投稿者の行動が正しかったということ。

もう一つはそれでも会社は変わらなかったということです。

順に見ます。

まず面接での説明です。

「残業は月20時間程度」。

実際は月100時間超でした。

5倍です。

これは誤差ではありません。

月100時間という数字は労働基準法36条6項の上限そのものです。

特別条項を結んでいても単月100時間未満が限度とされています。

それを「超えるのが常態」だったのですから、協定の有無にかかわらず違法です。

そして月80時間を超えた時点で医師の面接指導の対象になります。

これは過労死の労災認定基準と重なる水準です。

つまり命に関わる領域に入っていました。

次に、投稿者がやったことです。

オファーレターの記載を提示したのです。

ここが決定的でした。

なぜか。

言った・言わないにならなかったからです。

面接での説明は口頭です。

後から「そんなことは言っていない」と言われれば終わります。

ですが書面に書いてあったのです。

会社は自社が出した文書を否定できません。

だから全額払ったのでしょう。

ここから読者が学ぶべきことは明確です。

入社時の書類を捨ててはいけないということです。

そして問題はこの後です。

「ただし、他の社員には口外しないよう求められました」。

ここをはっきり申し上げます。

これがこの会社の本音です。

会社は間違いを認めたわけではありません。

証拠を持っている一人に払っただけです。

そして他の人には知られたくない。

なぜなら同じ状況の人が他にもいるからです。

月100時間超が常態だったのですから、一人だけの話ではありません。

つまり会社は未払いの残業代を大量に抱えていたことになります。

それが表に出ないよう蓋をしたのです。

そしてその後の行動を見てください。

「年間休日を一方的に削減し」。

残業代を払った会社が次にやったのが休日の削減でした。

ここにこの会社の姿勢が出ています。

払った分を、別のところで取り返そうとしたと見えます。

そして10人以上が辞めました。

ここも法律の問題です。

労働契約法9条は労働者の合意なく就業規則を変更して不利益に変更することはできないと定めています。

就業規則の変更による場合でも10条の合理性が必要です。

そして合理性は不利益の程度、必要性、内容の相当性、交渉の経緯で判断されます。

一方的と書かれている以上、交渉の経緯が存在しないのでしょう。

ここで「口外しないよう求められた」ことの効力について整理します。

結論から申し上げます。

そのような合意に、法的な効力は認められにくいと考えられます。

理由は二つあります。

第一に、労働基準法の基準に達しない労働条件を定める合意は無効とされます(13条)。

第二に、労働基準監督署への申告を理由とする不利益取扱いは禁止されています(104条2項)。

つまり会社は、他の社員が同じ請求をすることを止められません。

止められないからお願いしたのです。

そして、ここがこの会社の弱点でもあります。

一人に払ったという事実は、

会社自身が未払いを認めたことになります。

その事実は他の社員にとっても有利な材料です。

そして、年間休日の削減が何を意味するかも確認しておきます。

年間休日賃金と並ぶ労働条件です。

年間休日が120日から105日になれば、

働く日が15日増えることになります。

賃金が同じであれば、

実質的な時間あたりの賃金は下がります。

つまり賃下げと同じ効果を持ちます。

それを一方的に行ったのですから、

労働契約法9条の問題として争う余地があります。

そして10人以上の退職は、変更の相当性を否定する事情としても働きます。

労働者が受け入れていないことの表れだからです。

この会社は、辞めて構わない

3つの理由を述べます。

  • 1. 払ったのは、認めたからではない
    証拠を出されたから払ったのです。口外を禁じたことがそれを示しています。制度を直す気があれば、全員に説明するはずです。
  • 2. 休日削減は、次の一手である
    残業代を払った直後に休日を削ったのです。負担のかけ方を変えただけと見るのが自然でしょう。次も別の形で来ます。
  • 3. 10人以上が辞めた事実が、評価である
    10人以上という規模は個人の判断の積み重ねではなく、会社への評価です。残った人の負担はさらに増えます。

最後に、投稿者の立場から見ておきます。

この方は取り戻しました。

ですがその後の職場がどうなったかを見てください。

休日が削られ、10人以上が辞めました。

つまり働き続ける環境としては悪化したのです。

ここに難しさがあります。

請求して勝っても、職場がよくなるとは限らない。

だからこそ請求と転職は別の話として考えてください。

辞めてから請求することもできます。

賃金請求権の時効は当面3年ですから、在職中に無理をして争う必要はありません。

そして証拠だけは在職中に揃えておくのが実務的です。

もし今、同じ状況にいるなら

  • 1. 入社時の書類は、すべて保管する
    オファーレター、労働条件通知書、雇用契約書、求人票、面接時のメールを手元に残してください。この体験談で全額を取り戻せた理由がここにあります。会社は自社が出した文書を否定できません。
  • 2. 労働時間は、自分でも記録する
    入退館の記録、パソコンの起動と終了、業務メールの送信時刻が有力な資料です。手帳への手書きでも継続していれば証拠力があります。賃金請求権の時効は当面3年です。
  • 3. 口外禁止に、法的な効力はない
    法定の権利について他の労働者に話すことを禁じる合意は公序良俗に反し無効となり得ます。労働基準法104条2項申告を理由とする不利益取扱いを禁止しています。相談先は労働基準監督署(匿名申告も可)です。

この体験談に近いケース

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