給与支払金額がおかしい!経費計上漏れが発覚。さらに、翌月は賃金が未払い・・・。振り込まれない!

初めての給与支払時に支払金額が相違しており、担当者に確認すると経費の計上漏れでした。
未入金分の追加払いを希望する場合は、振込手数料をこちら側が負担するように言われたために、翌月の給与支払時に合算することで合意しました。その際の電話での対応に不安を覚えたため、翌月の支払予定額を問合せしましたが、すべてはぐらかされて、結局、いつ、どれだけが入金されるのか、一度も答えてもらえませんでした。
そうこうするうちに、翌月になり、今度は口座に入金そのものがありませんでした。未払いに対して問い合わせしても、「担当者がいない」「確認中」と言って、経過が分かりませんでした。その後、会社側の手違いで入金になっていなかったと連絡があり、数日遅れで満額、入金になりました。
メールで連絡しても回答に名前がなく、部署名だけの記載であり、電話しても固定の担当者がいるわけでもなく、これらの点から、給与面だけではなく、業務全般にずさんな印象を持ちました。
また報告済みの事柄に関しても、それが担当部署内で共有されていなくて、担当者から確認が入るということが何度か起こりました。たった2ケ月でしたが、自分にはこの社風は合わないと感じ、退社しました。
給料計算ミス+報連相が不足+社会保障未加入+残業代・業務内容もいい加減。これがズサンな会社の特徴。

採用のきっかけが前任の専門職(栄養士)が急にやめることなり、施設には栄養士がいないと困るとのことから、パートで時短勤務でも良いので働いてくれないかと電話あり。
働きたかったので承諾したが、面接があることを知らされていたがいっこうに連絡がなく、やっと連絡があったと思えば、いきなり引き継ぎの日程を決められた。
いざ働らきだすと、勉強にはなったが、パートも正職員もさほど業務内容が変わらず。しかも、パート職だったが有休があるのを知ったのが働いてから1年半後。
毎日出勤しているのに社会保険に入れてくれず、また30分残業しても残業代が支払われない(このことは採用時に説明あり)
働いて1年後に新人(正職員)が入ってきたが、上司が私の前にもかかわらず、その子に給料があがる話をしたりする。私は1年働いててもパート単価あがらなかった。しかし他のパート方は単価あがっていた。
町でたまたま買い物をしていたら、会社の会長の奥さまに出会い、「あれ??まだうちの会社にきてもらってたの?」と悪気はなさそうだが、デリカシーのない娘と言われた。
給料計算してくれる業務係長が計算ミスで給料が少ない月があり、そのことを指摘したが、次の月も訂正されていなかった。
みんブラ事務局の所見:会社のミスによる再送金の手数料を労働者に負担させることはできない。「採用時に説明した」も免罪符にならない。
振込手数料を労働者に負担させることはできない
この記事の1件目には、見落とされがちな違反が含まれています。
「未入金分の追加払いを希望する場合は、振込手数料をこちら側が負担するように言われた」。
これは認められません。
労働基準法24条は賃金は全額を支払わなければならないと定めています。
賃金から控除できるのは、法令に定めがある場合か、労使協定がある場合に限られます。
そもそも今回の不足は会社側の経費計上漏れが原因でした。
会社のミスで生じた再送金の費用を、労働者に負担させるという話です。
そのうえで、2件を確認します。
【1件目・女性35歳】
- 初めての給与支払時に金額が相違。確認すると経費の計上漏れだった
- 追加払いには振込手数料を労働者が負担するよう言われたため、翌月の給与に合算することで合意した
- 電話対応に不安を覚えて翌月の支払予定額を問い合わせたが、すべてはぐらかされ、いつ・どれだけ入金されるのか一度も答えてもらえなかった
- 翌月、口座に入金そのものがなかった
- 問い合わせても「担当者がいない」「確認中」と言われ、経過が分からなかった
- 後日会社側の手違いと連絡があり、数日遅れで満額入金された
- メールの回答に名前がなく部署名だけ、電話しても固定の担当者がいない
- 2か月で退社した
【2件目・女性41歳/福祉施設の栄養士】
- パートも正職員も業務内容がさほど変わらなかった
- パート職に有給があるのを知ったのが働いてから1年半後
- 毎日出勤しているのに社会保険に入れてもらえない
- 30分残業しても残業代が支払われない(採用時に説明があった)
- 1年後に入った新人(正職員)に対し、上司が投稿者の前で給料が上がる話をした。投稿者は1年働いてもパート単価が上がらなかったが他のパートは上がっていた
- 給料計算のミスで金額が少ない月があり、指摘したが翌月も訂正されていなかった
法律から見ると
賃金の支払いには5つの原則があります。それを軸に整理します。
| 体験談で実際に行われていたこと | 抵触する条文 | 何が問題なのか |
|---|---|---|
| 不足分の再送金にかかる振込手数料を、労働者に負担させようとした。 | 労働基準法24条 (全額払いの原則) |
賃金は全額を支払わなければならず、控除できるのは法令に定めがある場合か労使協定がある場合に限られる。会社側のミスによる再送金の費用を労働者に負担させることはできない。 |
| 給与の支払日に、入金そのものがなかった。 | 労働基準法24条2項 120条 |
賃金は毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。支払日に支払わないことは、理由を問わず違反となる。 |
| いつ、いくら支払われるのかを問い合わせても答えなかった。 | 労働基準法108条 施行規則54条 |
使用者には賃金台帳を調製し、賃金の額や計算の基礎となる事項を記入する義務がある。説明できない状態は、台帳が適切に作られていない疑いを生む。 |
| パート従業員に、有給休暇があることを1年半知らせなかった。 | 労働基準法39条3項 39条7項 |
週の所定労働日数に応じてパート・アルバイトにも有給が発生する。年10日以上付与される者には年5日を取得させる義務があり、年次有給休暇管理簿の作成・保存も義務。 |
| 毎日出勤しているのに、社会保険に加入させなかった。 | 健康保険法3条 厚生年金保険法9条 |
週の所定労働時間および月の所定労働日数が正社員の4分の3以上であれば、パートでも加入は事業主の義務。本人の希望や会社の都合で外すことはできない。 |
| 採用時に説明したことを理由に、30分の残業に賃金を支払わなかった。 | 労働基準法13条 37条 |
法定基準に達しない労働条件を定める部分は無効となり、無効となった部分は法律の基準による。採用時に同意していても、割増賃金の請求権は失われない。 |
| 同じパートの中で、単価が上がる人と上がらない人がいた。 | 労働契約法3条2項 パートタイム・有期雇用 労働法14条2項 |
短時間・有期雇用労働者から求めがあったときは、待遇の相違の内容および理由を説明しなければならない。説明を求めたことを理由とする不利益取扱いは禁止。 |
| 給与計算のミスを指摘したのに、翌月も訂正されなかった。 | 労働基準法24条 民法419条 |
不足分は賃金の未払いであり、遅延損害金の対象にもなる。退職後は年14.6%の遅延利息が適用される(賃確法6条)。 |
※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。
この会社を糾弾する
1件目について、この会社の対応の順序を見てください。
- 初回の給与が違っていた
- 原因は会社の経費計上漏れ
- それなのに再送金の手数料は労働者が負担しろと言った
- 翌月の予定額を聞いてもはぐらかした
- 翌月は入金そのものがなかった
- 問い合わせても「担当者がいない」「確認中」
- 後日「手違いでした」
この7段階のうち、会社が謝罪した形跡がありません。
そして、3の場面が特に象徴的です。
会社のミスで支払いが不足した。その修正のために手数料がかかる。
普通に考えればミスをした側が負担します。
ところがこの会社は労働者に負担を求めた。
金額としては数百円でしょう。ですが問題は金額ではありません。
自社のミスの後始末を、相手に払わせるという発想そのものです。
そして投稿者はやむなく翌月に合算することに合意しました。
その翌月に入金がゼロだった。
ここで投稿者がどういう状態に置かれたかを考えてください。
家賃も、光熱費も、食費も、給与日を前提に組まれています。
それがゼロになった。そしていつ入るかも教えてもらえない。
この不安は「数日遅れで満額入金された」で帳消しにはなりません。
そして、この会社の体質が最後に表れます。
「メールで連絡しても回答に名前がなく、部署名だけの記載であり、電話しても固定の担当者がいるわけでもなく」。
誰も、名前を出さない。
名前が出なければ誰も責任を負いません。
だから「担当者がいない」「確認中」で済ませられる。
2件目についても述べます。
「30分残業しても残業代が支払われない(このことは採用時に説明あり)」。
この括弧書きが重要です。
会社は、説明したから問題ないと考えているのです。
ですが、これは誤りです。
労働基準法13条は法定基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効と定めています。
本人が同意していても、無効です。
なぜなら労働者は、断れば採用されないという立場にあるからです。
だから法律が、合意より上に置かれているのです。
そして、有給を1年半知らせなかった件。
パート・アルバイトにも週の所定労働日数に応じて有給は発生します。
そして使用者には年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存する義務があります。
本人が知らなかったということは、管理簿が機能していなかった可能性が高いのです。
最後に、単価の差について。
「私は1年働いててもパート単価あがらなかった。しかし他のパート方は単価あがっていた」。
ここで使える制度があります。
パートタイム・有期雇用労働法14条2項は、短時間・有期雇用労働者から求めがあったときは、待遇の相違の内容および理由を説明しなければならないと定めています。
「なぜ私だけ上がらないのですか」と聞く権利があるのです。
そして説明を求めたことを理由とする不利益取扱いは禁止されています。
この会社は、今すぐ辞めていい
1件目の投稿者は2か月で退社しました。3点補足します。
- 1. 給与のトラブルは、必ず繰り返す
2か月連続で問題が起きた時点で、偶然ではなく体制の問題です。担当者が固定されておらず、誰も名前を出さない組織では、次も同じことが起きます。2か月で見切った判断は妥当です。 - 2. 「採用時に説明した」は、免罪符にならない
残業代を払わないという合意は、その部分が無効になるだけです(労基法13条)。2年半のあいだの30分残業も、3年の時効の範囲で請求できます。「同意したから」と諦める必要はありません。 - 3. 社会保険は、さかのぼって加入できることがある
加入要件を満たしていたのに未加入だった期間は、年金事務所に相談すればさかのぼって加入できる場合があります。原則2年ですが、給与から保険料が控除されていた記録があれば、それを超える期間も認められ得ます。
もし今、同じ状況にいるなら
- 1. 給与の相違は、書面で指摘する
電話ではなく、メールで指摘してください。「◯月分の給与について、△△円の不足があります。いつまでにお支払いいただけますか」と日付と金額を明記する。はぐらかされた記録も、そのまま証拠になります。給与明細と通帳の記録は必ず保存を。 - 2. 待遇の差は、説明を求められる
「他のパートの方は単価が上がっていますが、私の待遇との違いの理由を説明していただけますか」と書面で求めてください。事業主には説明義務があり、求めたことを理由に不利益に扱うことは禁止されています。 - 3. 窓口は、内容ごとに分かれている
賃金の不払い・残業代・有給は労働基準監督署。社会保険の未加入は年金事務所。パートと正社員の待遇差は各都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)。退職後の賃金には年14.6%の遅延利息が付きます。
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