騙されるな!大手塾講師バイトは時給詐欺?タダ働きさせられる衝撃のブラック実態

私は以前、某大手塾で講師をしていました。
私がその塾をブラックだと感じた理由は、給料が1コマ分しかもらえなかったからです。具体的に言えば私は夜20:00から22:00までの2時間塾に滞在していたのですが、そのうちで授業をしたのは20:30から21:30にかけての60分です。
授業前の塾の前に立ち、子供にあいさつをする業務や、授業後の子供の保護者へ授業でやった内容の報告やテストの丸つけなどは全て給料に含まれません。
また、授業で使う教案や授業の流れなどは軽く説明されますが、テンプレートが無いため塾に来る前、つまり私生活の中で考えるので無給です。さらに、子供が当日キャンセルをした為働かずに帰宅させられたこともありました。たしかに一般的なアルバイトに比べれば給料はいいかもしれませんが、もらえるのは授業をしている1時間だけなので2時間塾にいなくてはならなくても、1時間分のお金しかもらえないという事です。
また、子供の当日キャンセルなど講師への扱いが雑に感じる面も多々ありました。結果的に私はその塾のアルバイトを辞めましたが、後に同じ塾でアルバイトをしている友人から、授業をしていないときは別途で業務費が出るとのことを聞きました。
どうやら、その大手塾は各店舗の室長によって方針が違うようです。みなさんもそのようなアルバイトをするときは、その店舗で働いている人の話を聞いてからの方がいいと思います。
みんブラ事務局の所見:塾にいた2時間すべてが労働時間である。同じ塾の別店舗では、授業外の業務費が支払われていた。
塾にいた2時間は、すべて労働時間である
この体験談は塾講師のアルバイトを考えている方に最も読んでほしい一件です。
投稿者はこう書いています。
「私は夜20:00から22:00までの2時間塾に滞在していたのですが、そのうちで授業をしたのは20:30から21:30にかけての60分です」。
そして給与はその60分だけでした。
ここではっきりさせます。
労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。
授業をしている時間だけではありません。
投稿者が挙げた業務を確認してください。
- 授業前に塾の前に立ち、子どもに挨拶をする業務
- 授業後に保護者へ授業内容を報告する業務
- テストの丸つけ
これらはすべて塾が指示した業務です。
「立ち」「報告」「丸つけ」と内容も明確です。
自主的な行動ではありません。
つまり20時から22時までの2時間すべてが労働時間です。
そのうえで、全体を確認します。
- 某大手塾で講師をしていた
- 2時間滞在して、給与は1コマ60分だけ
- 挨拶・保護者への報告・丸つけは給与に含まれない
- 教案や授業の流れは軽く説明されるが、テンプレートがないため塾に来る前に私生活の中で考える。これも無給
- 子どもが当日キャンセルすると、働かずに帰宅させられた
- 後に同じ塾の友人から「授業をしていないときは別途で業務費が出る」と聞いた
- 各店舗の室長によって方針が違うようだった
最後の2項目が決定的です。
同じ塾の別の店舗では、払われていたのです。
法律から見ると
授業時間以外の扱いを軸に整理します。
| 体験談で実際に行われていたこと | 抵触する条文 | 何が問題なのか |
|---|---|---|
| 授業前の挨拶業務や、授業後の保護者報告に賃金を支払っていなかった。 | 労働基準法32条 24条 37条 |
使用者の指揮命令下に置かれている時間は労働時間。業務として指示されている以上、授業時間外も賃金の対象であり、全額払いの原則が適用される。 |
| テストの丸つけを、給与の対象外としていた。 | 労働基準法32条 24条 |
成果物の作成を伴う業務であり、塾の運営に不可欠な作業である。労働時間として賃金を支払う義務がある。 |
| 教案の準備を、勤務時間外の私生活の中で行わせていた。 | 労働基準法32条 (黙示の指示) |
準備しなければ授業ができないのであれば業務上必要な作業であり、使用者が黙認していれば労働時間と評価される。 |
| 子どもの当日キャンセルにより、勤務させずに帰宅させた。 | 労働基準法26条 | 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、平均賃金の60%以上の休業手当が必要。生徒のキャンセルは労働者の責に帰すべき事由ではない。 |
| 労働時間の記録が、授業のコマ数のみで管理されていた。 | 労働安全衛生法 66条の8の3 労働基準法108条 |
客観的な方法による労働時間の状況の把握義務と賃金台帳への労働時間数の記入義務がある。コマ数の記録は労働時間の記録ではない。 |
| 同じ企業でも、店舗によって賃金の取扱いが異なっていた。 | 労働基準法3条 労働契約法3条2項 |
同一の使用者のもとで、合理的な理由なく労働条件に差を設けることは公正な処遇の観点から問題となる。室長の裁量で決まる性質のものではない。 |
| 授業時間を基準とした賃金が、最低賃金を下回る可能性がある。 | 最低賃金法4条 40条 |
実際の労働時間で割った時間額が最低賃金額を下回れば違法。その定めは無効となり、最低賃金額で契約したものとみなされる。 |
| 労働条件が書面で明示されていない可能性がある。 | 労働基準法15条 労働基準法施行規則5条 |
賃金の決定・計算・支払の方法、始業終業の時刻、従事すべき業務は書面等で明示する義務がある。 |
※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。
この塾を糾弾する
この記事で最も重要な事実は最後にあります。
「後に同じ塾でアルバイトをしている友人から、授業をしていないときは別途で業務費が出るとのことを聞きました」。
これが意味することを整理します。
同じ企業の、別の店舗では、払われていたのです。
つまり払える仕組みは存在したということです。
そして投稿者はこう続けます。
「どうやら、その大手塾は各店舗の室長によって方針が違うようです」。
ここが問題の核心です。
賃金の支払いは、室長の方針で決まるものではありません。
法律で決まっています。
投稿者が働いた店舗ではその法律が守られていなかっただけです。
次に、時給の計算をしてみます。
仮に1コマ2,000円だとしましょう。
実際は2時間拘束されています。
2,000円÷2時間=時給1,000円です。
さらに教案の準備が自宅で30分あれば、2.5時間で800円になります。
投稿者が「一般的なアルバイトに比べれば給料はいいかもしれません」と書いているのはコマ単価だけを見た場合です。
実際の拘束時間で割ると、印象は大きく変わります。
そして、この構造が塾講師の求人で広く見られることも書いておきます。
「高時給」として示されるのはコマ単価です。
準備・報告・採点の時間はそこに含まれていません。
次に、当日キャンセルです。
「子供が当日キャンセルをした為働かずに帰宅させられたこともありました」。
投稿者は塾まで来ているのです。
働く準備をして、移動して、到着している。
それを帰されるのは使用者側の事情です。
生徒のキャンセルは、講師の責任ではありません。
労働基準法26条により平均賃金の60%以上の休業手当が必要になります。
投稿者が「講師への扱いが雑に感じる面も多々ありました」と書いたのは、感覚として正確でした。
最後に、投稿者の助言を引きます。
「みなさんもそのようなアルバイトをするときは、その店舗で働いている人の話を聞いてからの方がいいと思います」。
実践的な助言です。ただし事務局はもう一つ付け加えます。
労働条件通知書を書面で受け取ってください。
この塾は、今すぐ労基署へ相談すべきである
3点述べます。
そして、この働き方にはもう一つの問題があります。
拘束時間が賃金に反映されないと、労働時間の記録も残りません。
会社の記録には「1コマ」としか書かれていないからです。
すると、後から「実際は2時間いた」と言っても証明が難しくなります。
事業者には客観的な方法で労働時間の状況を把握する義務があります。
コマ数は、労働時間の記録ではありません。
そして、塾講師のアルバイトは学生が多い職種です。
初めての仕事という人も少なくありません。
そういう相手に対して「1コマいくら」という説明だけで済ませることは、労働条件の明示として不十分です。
始業と終業の時刻も明示すべき労働条件だからです。
そして、この記事が示すのは「高時給」という言葉の読み方です。
求人に示される金額が1コマあたりなのか1時間あたりなのかで意味はまったく違います。
そして、拘束時間に準備や報告が含まれるかも確認が必要です。
「授業以外の業務に賃金は出ますか」と面接の時点で聞いてよいのです。
答えられない、あるいは「出ない」と言われたなら、それは法律に反する運用です。
入る前にわかれば、最も損失が小さくて済みます。
そして、この方が最後に書いた助言は実務的に非常に有効です。
同じ会社でも、店舗によって運用が違う。
これは塾に限りません。
飲食、小売、介護。店舗や事業所ごとに責任者の裁量が大きい業種では同じことが起こります。
働いている人に聞くのは、求人票よりも確実な情報源です。
そのうえで、労働条件通知書という書面を必ず受け取ってください。
口頭の説明は、後から変わります。
書面に残っていれば、後から確認できます。
塾に何時にいたのか。その時間に賃金は出ているのか。
この2つを突き合わせるだけで、未払いの有無はわかります。
そして、その差額は3年分さかのぼって請求できます。
1コマ分しか出ていなかった月が何か月あったか。それを数えるところから始まります。
そのために必要なのは、シフト表と給与明細だけです。
2つを並べれば、拘束時間と支払額の差はすぐに計算できます。
差があれば、それが未払い分です。
時効の3年を過ぎる前に、確認してください。
- 1. 授業時間外の分は、請求できる
賃金請求権の時効は3年です。1日1時間の未払いでも、週3回で年間150時間以上になります。シフト表と授業の記録があれば、拘束時間は計算できます。 - 2. 「店舗によって違う」は、根拠にならない
同じ企業の別店舗で支払われているのであれば、本社に確認することもできます。室長の判断で法律の適用が変わることはありません。 - 3. 当日キャンセルにも、休業手当がある
出勤したのに帰された日は平均賃金の60%以上が支払われるべきです。いつ、何回あったかを記録しておいてください。
もし今、同じ状況にいるなら
- 1. 塾にいた時間を、そのまま記録する
到着時刻と退出時刻を毎回メモしてください。「授業は何コマか」ではなく「何時から何時まで塾にいたか」が労働時間です。入退室の記録やスマホの位置情報履歴も資料になります。 - 2. 準備時間も、記録の対象
教案を作った日時と所要時間を書き留めてください。作成したファイルのタイムスタンプが客観的な証拠になります。準備しなければ授業ができないなら、それは業務です。 - 3. 相談は、匿名でもできる
賃金の不払い・休業手当・最低賃金は労働基準監督署の担当です。匿名での申告も受け付けています。同じ店舗の講師が複数いれば、記録を持ち寄ると調査が動きやすくなります。
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