ブラック企業の実態を暴露!残業代未払いや違法天引きで搾取された地獄の2年間

個人経営の小さな出版社に正社員として勤めていたのですが、入社後きちんとした引継ぎもなく仕事が始まって、入社2日目に部長から「お前の仕事は利益になっていない!」と怒鳴られ、ビックリしてしまいました。
初めての給料日に明細書を見たら、天引きされた雇用保険料が、法定で決められた料率の倍(0.8%)引かれていて、それを会社に指摘しても(退職するまでの)2年間、一切訂正してもらえませんでした。
社屋は昭和23年に建ったという古い3階建ての自社ビルでしたが、全ての階のトイレが詰まって壊れていたときがあり、すぐには直さずに放置し、「トイレは向かいのビルのトイレに行くように」と言われ、大変肩身の狭い、そして不便な思いをしました。残業もタイムカードに打ってあるにも関わらず、ひと月30時間以上はつけてもらえず切り捨てでした。
しかも、5時半が定時なのに残業代の起算は6時からで、しかも1時間単位だったので実際は7時過ぎまで仕事をしないと「残業1時間」とならず、6時59分では残業は「ゼロ」という計算になっていました。ゴールデンウイークも祭日は関係なく普通の曜日通りに出勤させられ、しかもその時の休日出勤手当が「1日5千円(8時間勤務)」で法定の最低賃金を割っているという状態でした。2年我慢し、転職しました。
みんブラ事務局の所見:30分を切り、端数を切り、月30時間で頭打ちにする。3段階で削られていた。指摘しても2年間直さなかった。
賃金からの控除は、法定の率を超えられない
この体験談には極めて明確な違反が複数含まれています。
まず雇用保険料から取り上げます。
投稿者はこう書いています。
「初めての給料日に明細書を見たら、天引きされた雇用保険料が、法定で決められた料率の倍(0.8%)引かれていて、それを会社に指摘しても(退職するまでの)2年間、一切訂正してもらえませんでした」。
ここで確認します。
雇用保険料の労働者負担分の率は、法令で定められています。
事業の種類ごとに定められた率を超えて控除することはできません。
そして労働基準法24条は賃金は全額を支払わなければならないと定めています。
控除できるのは、法令に定めがある場合か、労使協定がある場合だけです。
法定の率を超えた部分には法令の根拠がありません。
そして、この方は指摘しています。
それでも2年間訂正されませんでした。
知らなかったのではなく、知ったうえで直さなかったということです。
そのうえで、全体を確認します。
- 入社後きちんとした引継ぎもなく仕事が始まった
- 入社2日目に部長から「お前の仕事は利益になっていない!」と怒鳴られた
- 雇用保険料が法定の倍の率で天引きされ、指摘しても2年間訂正されなかった
- 全ての階のトイレが詰まって壊れてもすぐに直さず放置し、「向かいのビルのトイレに行くように」と言われた
- 残業はタイムカードに打刻してあるのに月30時間以上はつけてもらえず切り捨て
- 定時5時半に対し残業の起算は6時から、しかも1時間単位のため6時59分では残業ゼロ
- ゴールデンウィークも祝日も普通の曜日通りに出勤させられた
- 休日出勤手当が1日5千円(8時間勤務)で法定の最低賃金を割っていた
法律から見ると
この事例には賃金に関する違反が集中しています。
| 体験談で実際に行われていたこと | 抵触する条文 | 何が問題なのか |
|---|---|---|
| 雇用保険料を、法定の料率の倍で天引きしていた。 | 労働基準法24条 雇用保険法 労働保険徴収法 |
雇用保険料の労働者負担分の率は法令で定められている。賃金から控除できるのは法令に定めがある場合等に限られ、法定の率を超える控除は全額払いの原則に反する。 |
| 誤りを指摘されても、2年間訂正しなかった。 | 労働基準法24条 120条 |
認識しながら是正しないことは故意による違反にあたる。過大に控除した分は不当利得であり、返還を求めることができる。 |
| タイムカードに記録があるのに、月30時間を超える残業を切り捨てていた。 | 労働基準法37条 108条 119条 |
実際に労働した時間に対する割増賃金の支払義務がある。記録があるのに支払わないのは明白な賃金不払いであり、賃金台帳の記載義務にも反する。 |
| 定時5時半に対し、残業の起算を6時からとしていた。 | 労働基準法32条 37条 |
所定労働時間を超えた時点から時間外労働となる。30分を切り捨てる運用はその分の賃金を支払わないことを意味する。 |
| 残業を1時間単位で計算し、59分は0としていた。 | 労働基準法24条 37条 |
労働時間は1分単位で計算するのが原則。認められる端数処理は1か月の合計に1時間未満の端数が生じた場合の四捨五入のみである。 |
| 休日出勤手当が、8時間勤務で5千円だった。 | 最低賃金法4条 労働基準法37条 |
時間額に換算して625円となり最低賃金額を下回る。法定休日の労働には35%以上の割増賃金も必要である。 |
| トイレが使用できない状態を放置し、他のビルの使用を指示していた。 | 労働安全衛生法23条 事務所衛生基準規則17条 |
事業者は男性用と女性用に区別した便所を設けなければならないとされ、清潔に保つ義務もある。他所への移動は業務時間の損失でもある。 |
| 入社2日目に「利益になっていない」と怒鳴りつけた。 | 労働施策総合推進法 30条の2 労働安全衛生法59条 |
引継ぎも教育も行わないまま成果を責める行為は「過大な要求」「精神的な攻撃」にあたり得る。雇入れ時の教育は事業者の義務である。 |
※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。
この会社を糾弾する
この会社の手口には一貫した特徴があります。
数字の切り方で賃金を減らしているのです。
順に見てください。
第一に、残業の起算です。
定時は5時半。ところが残業の起算は6時からでした。
30分が最初から消えています。
第二に、1時間単位です。
投稿者の説明が正確です。
「実際は7時過ぎまで仕事をしないと『残業1時間』とならず、6時59分では残業は『ゼロ』という計算」。
つまり5時半から6時59分まで働いても、残業はゼロです。
1時間29分が消えます。
第三に、月30時間の上限です。
「タイムカードに打ってあるにも関わらず、ひと月30時間以上はつけてもらえず切り捨て」。
記録はあるのです。
それでも30時間で頭打ちにされていました。
ここまでを整理すると、3段階で削られていることになります。
- 5時半から6時までの30分を切る
- 1時間未満の端数を切り捨てる
- 月30時間を上限にする
ここで法律の原則を確認します。
労働時間は1分単位で計算するのが原則です。
認められている端数処理は1か月の合計に1時間未満の端数が生じた場合の四捨五入だけです。
日ごとの切り捨ても、月の上限も認められていません。
次に、休日出勤手当です。
「1日5千円(8時間勤務)」と書かれています。
計算します。
5,000円÷8時間=時給625円です。
これは最低賃金を大きく下回ります。
そして、そもそも法定休日の労働には35%以上の割増賃金が必要です。
割増どころか、基準額にも届いていないのです。
そして、雇用保険料に戻ります。
この件で最も重いのは指摘したのに直さなかったことです。
計算ミスであれば指摘された時点で訂正されます。
2年間放置したのであれば、ミスではありません。
最後に、トイレについて。
「全ての階のトイレが詰まって壊れていたときがあり、すぐには直さずに放置し、『トイレは向かいのビルのトイレに行くように』と言われ」。
事業者には便所を設け、清潔に保つ義務があります。
そして、これは時間の損失でもあります。
建物を出て、向かいのビルまで行き、戻ってくる。
投稿者が「大変肩身の狭い、そして不便な思い」と書くのは当然です。
そして、この方は2年我慢して転職しています。
投稿者は59歳です。
転職が容易な年齢ではありません。
それでも2年で見切ったのです。
そして、この方は入社初月に雇用保険料の誤りに気づいています。
明細を確認し、法定の率と照らし合わせたということです。
この確認をする人は、多くありません。
そして指摘もしました。
やるべきことをやっていたのです。
そして最後に、この会社の最初の一言に戻ります。
入社2日目に「お前の仕事は利益になっていない!」。
2日目です。
そして「きちんとした引継ぎもなく仕事が始まって」いました。
教えていない相手に、2日で成果を求めているのです。
雇入れ時の教育は事業者の義務です。
この一言に、その後の2年間が予告されていました。
そして、この会社の建物についても一言添えます。
昭和23年に建った古い3階建ての自社ビルでした。
建物が古いこと自体は問題ではありません。
問題はトイレが全階で壊れてもすぐに直さなかったことです。
直す費用を惜しんだということでしょう。
そして、その分の負担は従業員が毎日引き受けていました。
そして、それも労働環境の一部です。
事業者には便所を設け、清潔に保つ義務があります。
清潔を保てない状態は、衛生上の問題でもあります。
放置は、費用の節約ではなく義務の不履行です。
そして、この会社は2年間、何も直しませんでした。
保険料も、残業の計算も、トイレも。
指摘されても変えないという一点で共通しています。
最後に、この方が2年間で失ったものを確認します。
過大に控除された雇用保険料。
切り捨てられた残業代。
最低賃金を下回る休日出勤手当。
すべて金額に換算できるものです。
そしてすべて記録が残る種類のものでもあります。
給与明細とタイムカードがあれば計算できます。
この会社は、今すぐ労基署へ相談すべきである
3点述べます。
- 1. 過大に控除された保険料は、返還を求められる
法定の率を超えて控除された分は不当利得です。給与明細をすべて保存してください。2年分の明細があれば、差額は計算できます。雇用保険の適用についてはハローワークでも相談できます。 - 2. タイムカードがあるなら、請求しやすい
この職場には打刻の記録があったのです。実際の労働時間を示す客観的な証拠が存在します。賃金請求権の時効は3年。切り捨てられた分は請求の対象です。 - 3. 休日出勤手当は、最低賃金を下回れない
時給625円という水準はどの地域の最低賃金も下回ります。最低賃金額未満の定めは無効となり、最低賃金額で契約したものとみなされます。
もし今、同じ状況にいるなら
- 1. 給与明細の控除欄を、確認する
雇用保険料・健康保険料・厚生年金保険料には法令で定められた率があります。厚生労働省や協会けんぽのサイトで確認できます。合わない場合は、書面で照会してください。 - 2. 「1時間単位」は、原則に反する
労働時間は1分単位が原則です。タイムカードの打刻時刻と、給与明細の残業時間を並べれば、切り捨てられた分はすぐに計算できます。 - 3. 相談先は、内容ごとに分かれている
賃金・残業代・最低賃金・休日は労働基準監督署(匿名申告も可)。雇用保険の料率や加入はハローワーク。トイレなどの職場環境は労働基準監督署の安全衛生課です。
この体験談に近いケース
この体験談に近いケースとして、あわせて読まれている記事です。
- 手書きの勤怠で30分未満が切り捨て。労働時間は1分単位が原則です。
- 「仕事が遅いから」と残業代を払わない上司。1分単位が原則です。
- 家賃の天引きも労使協定が要る。保険を使えば異動と減給という選択肢。
- 出版業界は最低のオワコン老害業界。残業代不払いを訴えたら罵倒された。
この記事を読んで「うちの会社も同じだ」と感じた方は、ページ上部のブラック度から5段階で投票してください。投稿された体験談とあわせて、職場の実態を可視化していきます。





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