届け出なく休んだ営業はゴルフコンペ…判断を求めたら電話を切られた

9月23日は秋分の日でしたが、繁忙期のため、全員出社ということになっていました。
前日の20時くらいに面付の確認中、文章がおかしな所で改行されているのに気付き、クライアントからの入稿データを確認しましたが、データの段階で間違えていました。クライアント先に電話しましたが、20時ということもあり、誰も出ません。明日は祝日のため、おそらくクライアントとは連絡がつかないでしょう。明日朝一の印刷予定に入っているのにどうしよう。社内の営業担当Yも帰っていたため、明日確認することにして、帰宅しました。
そして23日の朝、営業Yを探しましたが姿が見えません。事務の人に確認すると休みだと言われました。休みの届け出も出さずに、勝手にホワイトボードに名前を書いて休んだと。理由は得意先とのゴルフのコンペでした。
工場に午後からの印刷にしてもらえないか確認しましたが、出来れば朝一で刷りたいと言われ、上司に相談すると、「Yは細かいことにうるさいから、電話した方が良い」と言われました。あーゴルフしてる時に電話したら、機嫌悪くなりそうだなあ…。掛けたくないな…。
そう思いながら電話しましたが留守電になったので、印刷前に確認したいことがあるので連絡くださいとメッセージを残しました。15分後位に電話がきましたので、要件を伝えたのですが、「あんたにそれ、どうしたら正しいのかわかるのか?」「そうしたら俺にわかるわけないだろ!そういうことだから、じゃあ!!」と電話を切られてしまいました。
別に私だってわかるとは思っていませんでしたが、ただ印刷を25日にした方がいいのか判断していただきたかっただけです。制作で決められないことですから。
結局15時位に出社されて、私が訂正した通りで進めていいとのことでした。つきあいとはいえ、こっそり休んでゴルフを満喫する予定を邪魔されたからって、ひどい言い方だと思います。他の印刷物もYが休んだために止まってしまっていました。
みんブラ事務局の所見:休むことは権利である。問題は届け出を経ず、判断できる人が誰もいない体制のほうにある。
休むことは権利だが、届け出をせず連絡を絶つことは別の話である
この体験談は丁寧に分ける必要があります。
先に混同してはならない点を示します。
休むこと自体は責められません。
年次有給休暇は労働基準法39条による法律上の権利です。
そして取得に理由は要りません。
ゴルフでも構わないのです。
問題は別のところにあります。
投稿者の記述を正確に読んでください。
「休みの届け出も出さずに、勝手にホワイトボードに名前を書いて休んだ」。
ここが核心です。
年休には手続きがあります。
労働者が時季を指定し、
使用者が事業の正常な運営を妨げる場合には他の時季へ変更できます。
これを時季変更権といいます。
つまり申請という手続きがあって初めて調整ができるのです。
そしてこの日は繁忙期の全員出社日でした。
申請があれば会社は判断できたのです。
そのうえで、全体を確認します。
- 秋分の日だが繁忙期のため全員出社とされていた
- 前日20時に入稿データの誤りを発見した
- クライアントにも営業担当にも連絡がつかなかった
- 翌朝営業担当Yは不在だった
- 届け出を出さず、ホワイトボードに名前を書いて休んでいた
- 理由は得意先とのゴルフコンペだった
- 上司は「Yは細かいことにうるさいから電話した方が良い」と言った
- 電話すると「あんたにそれ、どうしたら正しいのかわかるのか?」と言われた
- 「俺にわかるわけないだろ!」と電話を切られた
- 15時に出社し、投稿者の訂正どおりで進めてよいとなった
- 他の印刷物も止まっていた
法律から見ると
休暇の手続と業務の属人化が中心の論点です。
| 体験談で実際に行われていたこと | 抵触する条文 | 何が問題なのか |
|---|---|---|
| 届け出を経ずに欠勤し、業務の判断が停止していた。 | 労働基準法39条5項 89条1号 |
年休は時季指定という手続を経て取得するもの。休暇の手続は就業規則の絶対的必要記載事項であり、手続を経なければ会社は調整できない。 |
| 祝日を繁忙期を理由に全員出社日としていた。 | 労働基準法35条 36条 37条 |
祝日は法定休日ではないが、就業規則で休日と定めていれば所定休日。所定休日の労働も時間外なら25%以上の割増が要る。 |
| 担当者が不在の場合の代替の判断ルートが用意されていない。 | 労働契約法5条 労働基準法10条 |
業務体制の整備は使用者の責任。一人が休むと止まる属人化は納期遅延と長時間労働の双方を招く。 |
| 「あんたにそれ、どうしたら正しいのかわかるのか?」と述べていた。 | 労働施策総合推進法 30条の2 |
能力を否定する言動は「精神的な攻撃」にあたり得る。業務上の質問への回答を拒む行為でもある。 |
| 業務上の判断を求める連絡を、一方的に打ち切っていた。 | 労働施策総合推進法30条の2 労働契約法3条4項 |
業務に必要な情報や判断の遮断は「人間関係からの切り離し」にもあたり得る。誠実に対応すべき義務がある。 |
| 担当者の不在により複数の案件が停止していた。 | 労働契約法5条 労働基準法32条 |
停止した分は後から取り戻すことになる。他の労働者の時間外労働を生み、36協定の上限管理にも影響する。 |
| 休暇の取得状況が記録として管理されていない可能性がある。 | 労働基準法施行規則24条の7 労働基準法39条7項 |
年次有給休暇管理簿の作成と3年間の保存が義務。年5日の取得は使用者の義務であり、把握なしには果たせない。 |
| 繁忙期の業務量に対して体制が確保されていない。 | 労働基準法36条 労働時間等設定改善法 |
繁忙期の見込みに応じた要員配置は使用者の責任。祝日を出社日にすることで対応する運用は休日の確保を圧迫する。 |
※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。
この会社を糾弾する
この記事で誰を責めるべきかをはっきりさせます。
営業担当個人ではありません。
会社の体制です。
理由を順に述べます。
まずこの日の状況を整理します。
投稿者は前日の20時に誤りを見つけました。
そして正しい手順を踏んでいます。
- 入稿データを確認した
- クライアントに電話した
- 営業担当を探した
- 工場に午後印刷を打診した
- 上司に相談した
- 営業担当に連絡した
ここまで見ればわかります。
この方は完璧に仕事をしています。
それでも止まったのは判断する人がいなかったからです。
ここで属人化という問題が見えます。
この案件を判断できるのは営業担当Yただ一人でした。
そしてその人がいなければ止まるのです。
これは体制の欠陥です。
本来必要なのは次のようなものです。
- 担当者不在時の代理を決めておく
- クライアントの緊急連絡先を共有する
- 誤りが見つかった場合の判断基準を文書にする
いずれも難しいことではありません。
次に休み方です。
繰り返しますが休むこと自体は権利です。
問題は手続きです。
届け出を出していれば、
会社は代理を立てることができました。
あるいは時季変更権を行使する判断もあり得ました。
繁忙期の全員出社日ですから、
事業の正常な運営を妨げると判断される余地はあります。
ですが申請がなければ判断できません。
そしてここでも会社の管理が問われます。
ホワイトボードに名前を書くだけで休めるという運用を許していたのは会社です。
そしてこの記事の核心に入ります。
電話での対応です。
「あんたにそれ、どうしたら正しいのかわかるのか?」。
投稿者はこう答えています。
「別に私だってわかるとは思っていませんでした」。
そしてこう続けます。
「ただ印刷を25日にした方がいいのか判断していただきたかっただけです。制作で決められないことですから」。
この整理は完全に正しいです。
制作の担当者にクライアントとの調整の権限はありません。
納期をずらすかどうかは営業の判断です。
つまり正しい人に正しい質問をしたのです。
それに対して返ってきたのが能力の否定でした。
そして「俺にわかるわけないだろ!」です。
ここで整理します。
わからないなら調べるのが仕事です。
クライアントの担当者に連絡する、
あるいは「25日にずらす」と決める。
どちらもできたはずです。
そして結果はどうなったか。
「15時位に出社されて、私が訂正した通りで進めていいとのことでした」。
投稿者の判断が正しかったのです。
そしてこの体験談を書いた方の姿勢に触れておきます。
この方は誤りを見つけました。
「文章がおかしな所で改行されているのに気付き」。
面付の確認中です。
本来これは入稿データの問題であり、
制作の責任ではありません。
見逃しても「データどおりに刷りました」で済んだかもしれません。
それでも止めたのです。
そして前日の20時から動いています。
クライアントに電話し、
翌朝営業を探し、
工場に打診し、
上司に相談し、
営業に連絡した。
これ以上のことはできません。
そして結果的に刷り直しを防いだのです。
印刷の刷り直しは紙代、インク代、機械の稼働時間が無駄になります。
金額にすれば相当な損失です。
それを防いだ人が「あんたにそれ、どうしたら正しいのかわかるのか?」と言われたのです。
ここをはっきり申し上げます。
評価が逆です。
そしてこのような扱いが続けば、
次は誰も止めなくなります。
見つけても黙って刷るほうが楽だからです。
そのとき損をするのは会社です。
そして祝日の全員出社にも触れておきます。
祝日は法定休日ではありません。
労働基準法35条が求めているのは週1日または4週4日です。
ですから祝日に働かせること自体は違法ではありません。
ただし就業規則で祝日を休日と定めていれば、
それは所定休日です。
所定休日に働かせるには就業規則上の根拠が必要で、
週40時間を超えれば25%以上の割増が要ります。
つまり「繁忙期だから全員出社」と決めるだけでは足りません。
手続きと割増賃金がセットです。
そしてこの日営業担当は休んでいたのです。
全員出社と言いながら全員ではなかった。
ここも管理の問題です。
こういう職場は、辞めて構わない
3つの理由を述べます。
- 1. 一人が休むと止まる体制は、いつまでも直らない
「他の印刷物もYが休んだために止まってしまっていました」と書かれています。今回だけの話ではありません。体制を変えない限り繰り返します。 - 2. 質問に答えない人が判断者なら、現場が責任を負う
判断を求めても返ってこないのですから、現場が決めるしかありません。そして誤れば責任は現場です。権限と責任がずれています。 - 3. 上司が「電話した方が良い」で済ませる職場
本来上司が連絡するべき場面です。それを現場に押しつけた。そして暴言を受けたのは現場です。
もし今、同じ状況にいるなら
- 1. 判断を求めた記録を、必ず残す
「◯月◯日◯時、Yに電話。留守電にメッセージ。◯時に折り返しあり」という形で書いてください。可能ならメールやチャットで判断を求めると記録が残ります。 - 2. 暴言は、その場でメモする
発言をそのまま書き留めてください。要約すると証拠力が落ちます。誰が近くにいたかも重要です。「精神的な攻撃」を主張する土台になります。 - 3. 属人化は、会社に是正を求めてよい
担当者不在時の代理を決めてほしいと書面で申し出ることは正当です。業務上の改善提案ですから記録に残してください。相談先は総合労働相談コーナー(無料・予約不要)です。
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