法律事務所では残業代未払い・有給取れない等の違法労働だらけ…。皮肉にも退社時に法律の知識が役に立った。

士業において、法律関連の事務所については皮肉にも法律違反が日常的・恒常的に行われていることが少なくない。
まず、勤務時間については、契約があるものの、繁忙期などは定時で終了することはなく、残業が発生したとしてもあくまで担当者の裁量に任せるという無責任な管理方法によって担当者は当然ながら自分の業務を完了するまで残業することを余儀なくされる。
時間管理については行われず、あくまで担当する業務が完了したかどうかのみを事務所は管理している。
先方にとっては、例え親密な関係だとしても、事務所内の規定がどうかよりも顧客としての目線で業務が遂行されたかどうかを重視するし、事務所内では『責任』という名のもとに担当者にはプレッシャーと負担のみが重なる。
そのような状態が日常的・恒常的であれど、それに疑問を抱きつつも改善・交渉をしないのが問題であり、たとえ声を挙げたとしても逆に経営者の反感を買い、給与条件を悪くされたり厳しい条件を更にかけられたりするなどをして自分にとって不都合な結果のみ残る。
そういった状況が続き、退所を決意したが、退所をするときにようやく法律的な立場で残業代を請求したり、有給休暇の申請をした。
当然ながら経営者の反感を買い、円満退社とはいかなかったが、法律の知識があったおかげで皮肉にも法律事務所を糾弾するかたちで退所した。
法曹業界は世間知らずな弁護士ばかり!?。個人情報も守秘義務も「それ何ですか?」状態。

法律事務所に勤務していました。もともと法曹業界は企業での社会経験が少ない弁護士が多く、特殊な業界というのは聞いていました。
私の職場もまさにその通りで、バイト経験すらない弁護士が、高校生のバイト以下のビジネスマナーしか知らず、個人情報をたくさん扱うにも関わらず、セキュリティ管理などがとても杜撰でした。
守秘義務を守ってくださいと言うのに、顧客の名前が書いてあるファイルを、お客さんを待たせてるスペースに普通に置いてあるのです。指摘しても、そのことを全く問題視していない様子でした。
また、事務員の給料も、顧客からの報酬金と同じ通帳で管理しているので、もう一人の経理担当の事務員から丸見えでした。
同じ時期に入ったのに、私の方が給料が高かったので、その後、その事務員からは無視されるようになり、仕事の会話さえもまともにしてくれませんでした。
挙げ句の果てに、その事務員はモチベーションが下がったのか毎日遅刻するようになったのですが、弁護士が毎朝少し遅い時間に出勤していて、バレないのを良いことに、アプリで自分のタイムカードを改竄していました。
また、弁護士は、誰からも嫌われたくないがために事務員を叱らない方針だったので、誰も注意できる人がおらず、その事務員がやりたい放題でめちゃくちゃでした。
みんブラ事務局の所見:裁量労働制には労使協定と本人同意が要る。要件を満たさず「裁量」という言葉だけを借りている。
法律を扱う職場で、法律が守られていない
1件目の投稿者の書き出しが、この記事のすべてを言い当てています。
「士業において、法律関連の事務所については皮肉にも法律違反が日常的・恒常的に行われていることが少なくない」。
事実を確認します。
【1件目・男性32歳】
- 勤務時間の契約はあるが、繁忙期は定時で終わることがない
- 残業は「あくまで担当者の裁量に任せる」という管理方法で、結局は業務が終わるまで残るしかない
- 時間管理は行われず、担当業務が完了したかどうかだけを管理している
- 事務所内では「責任」の名のもとに担当者にプレッシャーと負担だけが重なる
- 声を挙げれば経営者の反感を買い、給与条件を悪くされたり厳しい条件を課されたりする
- 退所時にようやく法律的な立場で残業代を請求し、有給を申請した
【2件目・女性28歳】
- 顧客の名前が書かれたファイルが、来客の待合スペースに普通に置かれていた。指摘しても問題視されなかった
- 事務員の給料を、顧客からの報酬金と同じ通帳で管理しており、もう一人の経理担当者から給与額が丸見えだった
- 給与差を知った同僚から無視されるようになった
- その同僚が毎日遅刻するようになり、アプリで自分のタイムカードを改竄していた
- 弁護士は誰からも嫌われたくないため事務員を叱らない方針で、誰も注意できなかった
1件目の「担当者の裁量に任せる」という言葉に注目してください。これは法律用語のように聞こえますが、法的にはまったく成立していません。
法律から見ると
特に「裁量に任せる」という運用について、正確に整理します。
| 体験談で実際に行われていたこと | 抵触する条文 | 何が問題なのか |
|---|---|---|
| 残業を「担当者の裁量に任せる」として、割増賃金を支払わなかった。 | 労働基準法38条の3 (専門業務型裁量労働制) |
裁量労働制には労使協定の締結・届出、対象業務の限定、みなし労働時間の定めが必要で、2024年4月からは本人の同意も要件。法律事務所の事務職は対象業務に含まれない。 |
| 時間管理を行わず、業務が完了したかどうかだけを管理していた。 | 労働安全衛生法 66条の8の3 労働基準法108条 |
事業者にはタイムカード等の客観的な方法で労働時間の状況を把握する義務がある。賃金台帳に労働時間数を記入する義務もあり、把握していなければ記載できない。 |
| 改善を求めた者の給与条件を悪くし、厳しい条件を課していた。 | 労働基準法104条2項 労働契約法3条5項 |
労働基準法違反を申告したことを理由とする不利益取扱いは明確に禁止されている。権利行使を封じるための処遇変更は権利濫用として無効。 |
| 顧客名の記載されたファイルを、来客の待合スペースに置いていた。 | 個人情報保護法23条 弁護士法23条 |
個人情報取扱事業者には安全管理措置を講じる義務がある。弁護士は職務上知り得た秘密を保持する権利と義務を負い、事件記録の管理不備は懲戒事由にもなり得る。 |
| 事務員の給与を、顧客からの報酬金と同じ口座で管理していた。 | 弁護士職務基本規程38条 個人情報保護法23条 |
預り金と自己の金銭は明確に区別して管理しなければならない。他の従業員に給与額が見える状態は従業員の個人情報の安全管理措置を欠いている。 |
| 同僚がアプリで自分のタイムカードを改竄していた。 | 刑法161条の2 246条 |
事務処理を誤らせる目的で電磁的記録を不正に作出する行為は5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。改竄によって賃金を得れば詐欺罪も問題になる。 |
| 問題行動を注意できる者が誰もいない状態を放置していた。 | 労働契約法5条 労働施策総合推進法 30条の2 |
使用者は職場環境を適切に保つ義務を負う。無視や仲間外しは「人間関係からの切り離し」にあたり、放置すること自体が措置義務違反となる。 |
※ 引用した条文は2026年8月時点のものです。実際の判断は個別の事情によります。
この事務所を糾弾する
この記事を「法律事務所なのに」という皮肉で終わらせるつもりはありません。構造として何が起きているかを書きます。
1件目のキーワードは「裁量」です。
この言葉は、本来労働者を守るための概念でした。
裁量労働制とは「進め方を本人に委ねるかわりに、成果で評価する」という制度です。だから厳しい要件が課されています。
- 労使協定を結び、労基署に届け出る
- 対象業務は法令で限定されている
- みなし労働時間を定める
- 2024年4月からは本人の同意が必須
- 健康・福祉確保措置を講じる
この事務所は、要件を一つも満たさずに、言葉だけを使いました。
そして、その言葉には効果がありました。
「裁量に任せる」と言われると、残業は自分の選択だったことになります。
終わらないのは自分の段取りが悪いから。遅くまで残るのは自分がそう決めたから。
投稿者はこう書いています。「事務所内では『責任』という名のもとに担当者にはプレッシャーと負担のみが重なる」。
「責任」と「裁量」。どちらも聞こえのいい言葉です。ですがこの事務所での実際の意味は「無償で最後までやれ」でした。
そして、これを行っていたのが法律の専門家だという点です。
弁護士は裁量労働制の要件を当然知っている立場です。
知らずにやったのではありません。知っていて、要件を満たさないまま言葉だけを借りた。
これは過失ではなく、意図と呼ぶべきものです。
2件目についても指摘します。
顧客のファイルを待合スペースに置いていた件です。
法律事務所に来る人は、離婚、借金、相続、刑事事件といった事情を抱えています。
誰にも知られたくないから、守秘義務のある専門家のところへ来るのです。
その名前が、次の相談者から見える場所に置かれていた。
投稿者が指摘しても「そのことを全く問題視していない様子でした」。
守秘義務を事務員には要求しながら、自分は守っていない。
そして給与を顧客の報酬金と同じ通帳で管理していた点。
これは2つの問題が重なっています。
一つは預り金と事務所の金の混同。弁護士職務基本規程が明確に禁じています。
もう一つは従業員の給与額が他の従業員に丸見えだったこと。
結果として何が起きたか。同僚から無視され、仕事の会話すらできなくなった。
事務所の管理不備が、従業員同士の関係を壊したのです。そして弁護士は「嫌われたくない」から何もしなかった。
この「叱らない方針」について、はっきり書いておきます。
これは優しさではありません。
結果として何が起きたか。遅刻を繰り返し、タイムカードを改竄する従業員がやりたい放題になった。
そのしわ寄せを受けたのは、真面目に働いていた投稿者です。
管理者が誰も注意しない職場では、「注意されない側」が得をし、「黙って働く側」が損をします。
弁護士が守ったのは自分が嫌われないことだけでした。従業員が公平に扱われることは、守られなかった。
この事務所は、今すぐ辞めていい
1件目の投稿者は退所時に残業代と有給を請求し、「法律事務所を糾弾するかたちで退所した」と書いています。
これが最も正しい辞め方です。3点補足します。
- 1. 在職中に請求できないのは、あなたのせいではない
この方は「声を挙げたとしても逆に経営者の反感を買い、給与条件を悪くされる」から言えなかったと書いています。これは正しい状況判断です。報復のある職場で在職中に争うのは最も不利な戦い方です。辞めると決めてから請求するのは、逃げではなく戦術です。 - 2. 士業事務所ほど、記録が残っている
法律事務所・会計事務所は案件ごとに作業時間や期日が記録される職場です。事件管理システムの入力履歴・書面の作成日時・裁判所への提出期限・メールの送信時刻。時間管理をしていない事務所ほど、皮肉にも業務記録は詳細に残っています。 - 3. 資格につながらない経験は、長くいるほど不利
この職場で身につくのは「終わるまで帰らない耐性」です。パラリーガルとしての専門性は、案件の質と教育の有無で決まります。教育も時間管理もない事務所で年数だけ重ねても、次の事務所での評価にはつながりません。
もし今、同じ状況にいるなら
- 1. 「裁量労働だから」と言われたら、協定を見せてもらう
裁量労働制には労使協定の届出が必須です。「労使協定を見せてください」と一言聞けば、実態がわかります。就業規則と労使協定は労働者に周知する義務があり(労基法106条)、見せない時点で問題です。事務職は専門業務型の対象業務に含まれていません。 - 2. 弁護士の非違行為には、専用の窓口がある
守秘義務違反・預り金の混同など弁護士職務基本規程に関わる問題は、所属する弁護士会の市民窓口に相談・懲戒請求ができます。労働問題としては労働基準監督署、個人情報の管理不備は個人情報保護委員会。窓口を分けて同時に進めて構いません。 - 3. 勤怠の改竄を見つけたら、自分の記録を先に固める
他人の改竄を告発する前に、まず自分の勤務記録を確保してください。改竄が可能なシステムは、あなたの記録も改竄され得るということです。毎日の出退勤を自分のスマホにメモし、スクリーンショットを日付とともに保存する。これだけで証拠力がまったく違います。
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